ロボット技術を応用して整体!篠崎技術士事務所の日記

身体の状態をコンピュータ解析し、骨盤矯正やギックリ腰などを科学的に分析する新しい整体院です。

坐骨神経痛のZMP(ゼロモーメントポイント)

2009-09-29 14:39:05 | 整体のできる技術士として

色々ありましたが、またブログに復帰したします。
これからは患者さんのデータを取り入れ、今までの理論的考察や数学モデルを参考に解析してゆきたいと思います。

「先日坐骨神経痛の女性が来られました。」

「坐骨神経痛・・・最近多いな・・・・どんな状態だったんだ?」

「40代の女性です。症状として右足のシビレがあり、現在左足先もしびれる状態です。1ヶ月前に整形外科で坐骨神経痛と診断されました。
他に肩こりと手の重み、冷え性、むくみ、膀胱炎の経験、そして便秘・・・・」

「ちょっとひどい状態だな~」

「そこで今回は最も症状が深刻な坐骨神経痛をロボット工学を活用し、診断してみようと思います。」

「よし!患者さんのために、大いにロボット工学を採用しよう。」

「整形外科では腰椎のS字カーブが普通の人より大きく、これが坐骨神経痛の原因だろう・・・と言われたそうです。」

「そうか・・・坐骨神経痛やギックリ腰は、腰部の椎間板にかかるせん断応力が一つの原因になる、と本で読んだ事がある。つまりS字カーブがきついと言う事は、大きなせん断応力が腰部にかかっていると言う事だな。」

「そうですね。私もそう思います。だからこれをロボット工学でさらに詳しく診断してみます。下の図を見てください。」



「患者さんの足踏み時の重心位置加速度を計測し、床面重心バランスZMPを求めてみました。」

「ちょっと変わった形だな~普通の人はハート型になるようだが・・・・」

「そうです。前後の動きが非常に大きい・・・つまり腰部に繰り返しの力がかかっている可能性があります。」

「そうか・・・つまり繰り返し加重がかかる・・・と言う事は材料学でいう疲労破壊と同じ考え方が出来る、と言う事か・・・」

「そうです。この患者さんは静的にはS字カーブのきつさによるせん断応力の増加、そして動的にかかる繰り返し荷重が、さらにその力を増大させている・・・と考えられます。」

「なるほど・・・正しいかどうかはまだはっきり分からないが、何かが見えてきたな。」

「次にスペクトルの図をご覧ください。この患者さんは約0.9Hzで足踏みをしています。よって前後の周波数はその2倍の1.8Hzになります。しかし前後のZMPに0.9HZ部分のピークがあります。明らかに腰がねじれています。」
(詳しい内容は09年8月31日「ロボット工学による腰痛の診断」を参照ください。)



「なるほど、それでこのデータを元に何をするんだ。」

「ここからが問題です。患者さんはデータ解析に来ているのではありません。身体を治しに来ているのです。このデータを元にどのような整体治療が必要か、考える必要があります。」

「難しい問題だ。」

「整体治療の問題になので、簡単にお話します。まずハムストリング(太ももの裏側)とふくらはぎをほぐし、腹部の指圧をして矯正する必要があります。整体後患者さんはかなり良くなられました。良かったです。」

「患者さんの感想を聞きたいな~」

「足のシビレが軽減しました。肩こり腰痛も治ったそうです。しかも体脂肪も減少し、顔のむくみも取れ、耳鳴りも治り、冷え性も便秘も改善した・・・・」

「おいおい、ちょっとオーバーだよ。」

「いいえ患者さんが本当にそうおっしゃるんです。本当かどうか追求しましたが・・・・」

「ははは~冗談だよ。ロボット工学をもっと患者さんのために役立ててくれ。」




ZMP(ゼロモーメントポイント)スペクトルのおさらい。

2009-09-20 16:45:16 | 整体のできる技術士として
「世間は連休ですね・・・・」

「お前は休み無しか?」

「そうですね。・・・ところで先輩は?」

「いや・・・特にやる事も無いし・・・金も無いし・・・」

「世間は連休ですよ・・・きっとログを見る方もいないでよう・・・今回はお休みしましょう。」

「それはちょっといい加減だ!必ず見てくれる方がいらっしゃるはずだ!ちゃんと発表しろ!」

「わかりました・・・分かりました・・・」

「今回は何だ?」

「そろそろ診断のまとめをしたいと思います。今までの繰り返しのようになりますが、実例を挙げてお話します。」



「ある男性患者さんの前後ZMP波形のスペクトルと、リサージュ図形です。1Hz付近にピーク値があります。明らかに腰がねじれている動作をしています。リサージュ図形で確認すると明らかです。」




同じ患者さんでも腰痛が比較的軽い場合、1Hz付近のピーク値は確認できないか、小さくなっています。リサージュ図形でも大きなねじれは確認できません。」

「これは前後ZMPの分析だな・・・このようなスペクトルが確認された場合、腰の整体が必要だという事だったな。」

「以前の発表より多少分かりやすくなったと思います。」

「さぁ~どうかな~?」




「変形性股関節症の女性のスペクトルとリサージュ図形です。特にスペクトルは女性に多い形状です。」

「そうだったな・・・このようなスペクトルが確認された患者さんは、股関節の調整も必要という事だったな。」

「大したまとまりや、おさらいになりませんが、ここまで来るのは結構大変でした。」

「ロボット工学と東洋医学を応用して整体治療する・・・・道はまだまだ遠そうだ。しかし挫けず頑張れよ!」

「ハイ!」


変形性股関節症の左右ZMP(セロモーメントポイント)

2009-09-17 15:28:17 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

「基本的に左右ZMP波形のスペクトルは基本周波数fHzに対し、3f、5f等奇数倍にピーク点があります。」

「この奇数倍の周波数が基本周波数より大きいのが女性や、股関節痛の特徴だったな。」

「そうです。そこでこの左右ZMPスペクトルに2f、4fなどの偶数倍の周波数が発生した場合、左右の動きが均等ではない・・・というところまでお話しました。」

「何か分かりやすい例はあるのか?」

「下の図を見てください。変形性股関節症の女性患者さんの足踏みZMPリサージュ図形です。」


図の上が右重心位置、左が前重心位置です。つまり患者さんは向かって左側に向いて足踏みをしています。

「この患者さん、変形性股関節症で左足に痛みを伴っています。そのため重心が右側に集中しています。左右の動きもアンバランスです。2f、4fの周波数領域も確認できました。」

「これらを数学モデルと比較して、今後偶数倍波が確認された患者さんの治療に応用するという事だな。」

「その通りです。目的はまさにそれです。それでは作成した数学モデルと、実際の左右ZMP波形を比べてみましょう。」



上が数学モデル、下が実際の左右ZMP波形

「出発点が多少狂っていて、見にくいですが、数学モデルとやや似ていて、左右のアンバランスも確認できます。」

「少しは診断の役に立ちそうか?」

「そうですね。今後はスペクトル解析した後、奇数倍波と偶数倍波を確認する必要があります。偶数倍波がある場合、左右のアンバランスを考慮して治療する必要があります。」



身体左右ZMP(ゼロモーメントポイント)の不安定さ!

2009-09-16 16:34:33 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

左右ZMP波形を高速フーリエ変換すると、男女で形に差があることを確認いたしました。
足踏み周波数をfHzとすると、男性の場合fの部分にピークが見られますが、女性の場合基本周波数のfより3f、5fのピークが大きかったのです。
基本的には男女とも振幅(ピーク)には差がありますが、周波数はf、3f、5fにピークを持っています。

「今までの調査では以上のことが確認されています。」

「もう分かったよ~相変わらず説明がへたくそだな・・・今回はどんな話だ?」

「スペクトルを良く見てみると、時々2fの部分にピークが現れることがあります。」

「ピーク値が奇数倍の周波数だけではない事もある、と言う事だな。」

「そうです。その数学モデルを作成して、左右ZMP波形を作成してみました。」



「上の図を見てください。ゼロの位置が重心の中心です。左側の4角に囲んだ部分が左足着地、右側の4角内が右足着地です。」

「2fのピークがある。つまり左右に差がある。ここでは足を着いた時の変動が、左より右の方が大きいと言う事だな?」

「そうです。そのように考えられます。2fのピークがある場合は、なんらかの理由により、左右の着地状態がアンバランスになっているのです。」

「理論的にそのように考えられるんだな・・・・」

「そうですね。それでは変形性股関節症をお持ちの、女性患者さんの左右ZMP波形と比べてみましょう。」

「実際のものと比べて見る。数学モデルとどの程度似ているか・・・楽しみだ。」

「この方は左足に痛みがあり、左側に身体を支えられない状態でした。スペクトルも2fにピークがありました。よって左右にアンバランスな重心バランスになっていると考えられます。それでは資料を出してみます。少々お待ちください。」



男女で大きな差あり!左右ZMP(ゼロモーメントポイント)波形

2009-09-14 17:42:07 | 整体のできる技術士として
前回からの続き

左右ZMP波形を高速フーリエ変換すると、男女で形に大きな違いがありました。
女性の方が高周波領域の波形ピークが目立ったのです。
それならばもう少し吟味してみようと言う事になりました。

「数学モデルで患者さんのZMPを、もう少し診断に応用してみようと思います。」

「どのようにやるんだ?」

「今回は男女で違いの大きかった、左右ZMP波形について考えてゆきます。
まず今までのおさらいからしましょう。
実際のスペクトルから簡易的なフーリエ逆変換を行い、波形に分解します。
次に分解した波形を一つずつ重ね合わせ、左右ZMP波形がどのように変化するか見てゆきます。」

「なるほどね・・・」

「実際のスペクトルを見ると、基本周波数fに対し、3f、5f、7fの領域にピークが発生しています。
これを基本に波形の数学モデルを作成しました。」

「言葉では良く分からない・・・・実際にどうなったのか見せてくれ。」

「では図をお見せします。」


左が男性の基本波形で周波数f=1Hzの数学モデル。右が女性の数学モデル。

「これは足踏み周波数1Hzと仮定したものです。男性はおきな振幅を持っていますが、女性は小さい事が確認できます。」

「つまり女性の横揺れ周波数は、足踏み周波数とほとんど一致していない・・・・と言う事だな!」

「そう考えられます。それでは基本周波数fに3fの波を合成してみましょう。



「男性は基本波形にやや乱れが乗った程度ですが、女性は大きく変形しています。骨盤が大きく左右に振動しているのでは?と考えています。」

「ずいぶん違うな・・・・」

「それでは次に基本周波数f+3f+5fを見てみましょう。」



「男性は多少変化があっただけで、基本波形と大きく違いはありません。しかし女性は着地時に衝撃のような反応が出ています。」

「つまり女性は着地時に大きく腰を揺らせている・・・と考えられるな・・・・」

「そうですね。これが股関節痛などを発生させる原因かもしれません。それでは次に基本周波数f+3f+5f+7fを見てみましょう。」



男性は基本的には方形波で、二足歩行ロボットのような動作と考えられます。しかし女性は遊脚時や着地時の横揺れが確認できます。股関節痛を持つ患者さんに多い動作です。」

「問題はどの周波数が股関節に影響を与えているか?だな・・・」

「そうです。調べる必要があります。そしてもう一つの問題は整体治療法です。どのような治療が有効か?こちらも検討が必要です。
現在5fと7fが確認された女性は、全て股関節の整体や運動療法を採用しています。」

「この分析が多くの患者さんに、少しでも役立つといいな。」