サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

対象に応じた普及啓発と環境学習の施策戦略

2015年12月27日 | 環境イノベーションとその普及
 普及啓発を図る対象は、デモグラフィック属性(性別、年齢、職業等)あるいはサイコグラフィック属性(ライフスタイルや価値規範等)からセグメントを設定することが考えられるが、戦略的な施策を考える際には、環境配慮に関する意識や行動の2軸から対象を分類することが有効ではないだろうか。    図に、環境配慮への関心・知識の程度、行動の実施度の2軸からの対象分類と、各対象に対する施策方向を整理した。この2 . . . 本文を読む
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トランジションタウンの活動から、環境政策が学ぶこと

2015年10月11日 | 環境イノベーションとその普及
1.トランジションタウンとは。  トランジションタウンの運動は、2006年に、イギリスのトットネスで、ロブ・ホプキンスらにより、始められた。ロブ・ホプキンス(2013)が記し、長坂(2014)が指摘しているように、トランジションタウンの活動理念としては、1) 双子の危機(気候変動とピークオイル)、2) レジリエンス、3) リエコノミーとリローカリゼーションの3点が重要である。  1つめの双子の . . . 本文を読む
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地方自治体は革新者たれ~環境政策の採用と伝搬より

2015年10月06日 | 環境イノベーションとその普及
1.政策普及のモデル    ある地域で革新的に採用された環境政策は、他地域に伝搬し、やがて他地域にも採用されていく。これが、ボトムアップによる地域からの革新のイメージである。しかし、地域での政策採用は、地域間の伝搬というメカニズムだけで説明できるわけではない。政策採用のメカニズムを整理するうえで参考にすべきは,普及学及びそれをもとにした政策普及の研究である。    まず . . . 本文を読む
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環境問題解決のためのライフスタイル変革

2015年09月27日 | 環境イノベーションとその普及
 地球温暖化、エネルギーの枯渇問題など、私達の将来の持続可能性を損なう恐れがある環境問題の解決のためには、大量生産・大量流通・大量消費・大量廃棄を基調とする産業や生活のあり方の見直しが必要であると指摘されて久しい。    例えば、第一次環境基本計画(1994)では、第1部の中で、「今後対応すべき環境問題の特質」として、「今日の環境問題の多くは、都市・生活型公害や地球温暖化問題等に見ら . . . 本文を読む
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環境ユーザー・イノベーションの可能性

2015年09月21日 | 環境イノベーションとその普及
横浜環境ビジネスネットワーク メールマガジン【9月18日配信】 コラム 【第6回】環境ユーザー・イノベーションの可能性  「ユーザー・イノベーション」とは、ユーザーが必要に応じて、製品やサービスを創造や改良することである。ユーザー・イノベーションに早くから取り組んでいる企業として、無印良品がある。「あったらいいな!ご意見パーク」というWEBサイトにより、消費者から製品アイデアを集めている。この . . . 本文を読む
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環境イノベーションの普及条件   ~福岡県大木町の事例~

2015年08月22日 | 環境イノベーションとその普及
横浜環境ビジネスネットワーク メールマガジン【8月20日配信】 コラム 【第5回】環境イノベーションの普及条件   ~福岡県大木町の事例~...  今回のコラムでは、環境イノベーションの普及事例を取り上げることにしてい たが、実はなかなか良い事例がない。洗剤・シャンプーの詰め替え容器、ハイブリッドカー等は普及の成功事例といえるだろう。ただ、国の法律や大企業の戦略等が普及要因であり、地域での取組 . . . 本文を読む
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環境配慮商品の普及条件

2015年07月19日 | 環境イノベーションとその普及
 エベレット・ロジャーズ(米国の研究者)が、トウモロコシの新種等の普及過程を分析し、1962年に「イノベーションの普及学」という本を著した。同書は、普及事例をもとに、イノベーションの普及における促進要因や阻害要因を分析し、普及学のバイブルのようになっている。その後も、普及事例の分析を更新し、第5版が2007年に発行された。    環境配慮商品の普及についても、同書から多くの示唆を得る . . . 本文を読む
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環境技術の実証事業

2015年07月04日 | 環境イノベーションとその普及
 エコベンチャーが商品への熱い想いを語るのだが、本当に環境によいのかどうか、わかない場合がある。環境負荷を本当に削減するのか、その有効性を示さないと、「環境にいいので使ってみればわかります」と主張しても、購買には結びつかない。    そうした中、筆者が出会ったのが、環境省の「環境技術実証事業」である。この事業は、開発された環境商品(技術)が環境保全効果を顧客に十分に説明できないために、商品が普 . . . 本文を読む
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省エネルギーの普及にかかる精緻化と転換策

2015年05月24日 | 環境イノベーションとその普及
 5月21日~23日に生駒市で開催された環境自治体会議に参加をしてきた。私は、省エネルギー分科会のコメンテータの役割もあり、同分科会に参加した。    ひのでやエコライフ研究所の省エネ診断、1985アクションの地域工務店を拠点化した省エネアドバイスの展開、日本エネルギーパス協会の住宅の省エネ性能基準といった省エネに係る普及啓発事業の話しを聞くことができた。また、近鉄や大和ハウスのスマ . . . 本文を読む
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エコベンチャーの想いは伝わるのか

2015年05月10日 | 環境イノベーションとその普及
1990年代後半に、エコベンチャーを名乗る人たちが集まるメーリングリスト(ML)が異様にもりあがっていた。   当時、私は、某企業の社会貢献活動に関する委託を受け、インターネット上でのシンポジウム(掲示板会議)を大がかりに開催し、参加を呼びかけるために、数多くのMLに登録した。多くのMLが盛り上がりに欠ける中で、エコベンチャーのMLは1日の投稿が50を超え、新たな事業への協力呼びかけ . . . 本文を読む
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地方自治体における環境イノベーションの採用と伝搬の理論と実際

2015年05月04日 | 環境イノベーションとその普及
(1)政策普及のモデル    ある地域で革新的に採用された環境政策は、他地域に伝搬し、やがて他地域にも採用されていく。これが、ボトムアップによる地域からの革新のイメージである。しかし、地域での政策採用は、地域間の伝搬というメカニズムだけで説明できるわけではない。政策採用のメカニズムを整理するうえで参考にすべきは,普及学及びそれをもとにした政策普及の研究である。    ま . . . 本文を読む
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地域におけるライフスタイル革新のための普及戦略を。

2015年03月22日 | 環境イノベーションとその普及
 今日の環境問題の解決のためには、環境配慮に関する意識と行動の普及が必要である。このため、都道府県や市町村の環境基本計画をみると、どの計画をみても、環境配慮の普及に関して、普及啓発や環境学習、環境活動、主体間の連携、環境情報の提供等に係る施策が列挙されている。    しかし、これらの施策の記述はあまりに淡々としていて、環境配慮の普及に関する問題意識が足りないように思える。例えば、筆者 . . . 本文を読む
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地方自治体における環境基本計画のイノベーション

2014年10月19日 | 環境イノベーションとその普及
 地方自治体における環境基本計画は、地球温暖化、廃棄物・リサイクル、生物多様性等の環境政策を統合し、全体の基本方針や施策方向を定める総合的な計画である。環境省の調査によれば(全数回答が得られたわけではないが)、2013年度時点で、都道府県及び政令指定都市の100%、市区町村の76.4%が環境基本計画を策定している。また、同調査によれば、地方自治体における環境政策で、重視されている分野は、地球温暖化 . . . 本文を読む
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環境イノベーション普及学の実証命題

2013年10月14日 | 環境イノベーションとその普及
   E.M.ロジャースは「イノベーション普及学」を表し、イノベーションの普及に係る知見(実証された命題)をまとめている。これらの知見は、環境イノベーションの普及にも当てはめることができそうであり、また環境イノベーションならでは普及メカニズムもありそうである。    筆者の研究で得らえた実証命題を整理しておく。ただし、これらの実証命題は住宅用太陽光発電や特定地域でのスタデ . . . 本文を読む
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近未来のマルチハビテーション

2013年06月16日 | 環境イノベーションとその普及
   未来都市づくりが進められているが、未来において都市に人が住み続けるとは限らない。    戦後の高度経済成長期に、農山村から都市へ多くの人が移住したのは、教育や職場を求めたためだが、情報通信技術の進歩により空間制約が解消されることで、都市でなくも高等教育や仕事をすることが可能となる。    自然との距離が近く、自給自足も可能で生活コストが安い地方で、都市 . . . 本文を読む
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