サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

環境情報と普及啓発、環境教育、人づくり

2010年04月25日 | 環境と情報
 環境省の環境情報戦略の仕事を、ここ3年間、受託してきた。しかし、どうも歯がゆい。

 私が環境情報戦略をやりたかったのは、環境情報の偏在(国や企業等に情報が偏って保持され、一般消費者・生活者に提供されていない)の問題を解消し、一般の消費者・生活者が参加・主導する社会を創っていくことが必要だと考えていたからだ。

 環境情報の偏在の解消、一般消費者・生活者による環境政策の主導を目指すためには、政策においてはなすべきは、公的機関の持つ環境情報の公開やわかりやすい提供だけではないはずだ。

 第一者(情報提供者)と第二者(情報利用者)との間の情報流通を支援するために、第三者(情報支援者)としてのる支援施策が必要である。情報提供のルールづくり、情報評価の基準づくり、情報流通の共通インフラの整備、情報リテラシーの向上等がこれにあたる。

 環境情報戦略では、中央省庁、地方自治体、公的研究機関等の公的機関の環境情報について、まず政策に必要な情報を収集・活用するとともに、広く一般の利用者ニーズに応えて、提供していくことが目的となっている。

 つまり、公的機関が第一者となり、情報を収集・整理・提供することが中心となっており、民間での情報流通に係る施策、あるいは環境省が第三者として、環境情報の流通を支援する施策に踏み込んだ施策は、戦略の対象外となっている。

 また、環境情報戦略では、インターネットの利用等のオンラインものが中心となり、地域に密着したオフラインでの情報提供(イベント、広報誌、研修、教育等)の人を介したオフラインの情報提供は扱っていない。 

 以上のことは、これまでもこのブログで、断片的に書いてきたことだ。


 さて、最近、飯田市で実施した住民アンケートの取りまとめをして、気づいたことがある。

 それは、「環境情報の提供・流通支援」という施策は、それを施策の基盤整備という範囲に閉じ込めておくべきものではないということだ。

 つまり、「普及啓発」や「環境教育」、そして「地域づくり・人づくり」といった他の施策と合わせて、ポリシーミックスで「環境情報の提供・流通支援」を戦略化し、ポリシーミックスを展開する必要がある。
 
 ここで、「普及啓発」とは特定の行動等の普及を図るための施策、「環境教育」は学習者の主体的な気づきと学びを引き出す施策、「環境情報の提供・流通支援」は主体が行動に際して、情報の偏在を解消するプロセスを支援する施策である。

 「地域づくり・人づくり」とは、地域での実践への参加を通じて、人の成長を支援することであり、より時間軸でマクロな捉え方である。

 飯田市で実施した住民アンケートの取りまとめを急ぎたいと考えるが、「普及啓発」や「環境教育」、「環境情報の提供・流通支援」「地域づくり・人づくり」のポリシーミックスのあり方にも踏み込んでいきたい。


 

 

 

 
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