春の匂いがあふれる庭で小さなちいさな花が
優しげに白い面をほころばせています。
一人静は紅い一本の茎に四枚の深緑の葉を開き、
真ん中にすうっと真っ白な花穂を一本つけます。
二人静と呼ばれるのは二本の花穂が寄り添って
います。
愛する人、義経が兄頼朝に追われ静は囚われの身と
なります。
美しくまた、この上もない舞の名手、白拍子の静に
頼朝は鶴岡八幡宮に舞を奉げるように命令します。
吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人のあとぞ悲しき
しづやしづしづのおだまき繰り返し昔を今になすよしもがな
と二曲歌いながら舞いました。
この静の舞に居合わせた者達は謀反人を慕う歌ということも
忘れて幽玄の世界に誘われてしまったということです。
ひとり舞う静、そして静と静の魂がふたりとなって舞う
美しさをこのつつましい野の花がその姿となり名付けられて
今も、このものがたりがいろいろな形で語り継がれているのは
人は貪欲でありながらも時には夢と幻を追い求め心を浄化させて
さらに生きていく生き物だからでしょうか。
愛知県の和菓子に「二人静」と名づけられたお菓子があります。
薄紙にふたつの半円がそれぞれ紅白の可愛いらしい和三盆が
包まれていて口に含むとすうっと溶けてしまう小さなお菓子です。
s・y
優しげに白い面をほころばせています。
一人静は紅い一本の茎に四枚の深緑の葉を開き、
真ん中にすうっと真っ白な花穂を一本つけます。
二人静と呼ばれるのは二本の花穂が寄り添って
います。
愛する人、義経が兄頼朝に追われ静は囚われの身と
なります。
美しくまた、この上もない舞の名手、白拍子の静に
頼朝は鶴岡八幡宮に舞を奉げるように命令します。
吉野山峰の白雪ふみわけて入りにし人のあとぞ悲しき
しづやしづしづのおだまき繰り返し昔を今になすよしもがな
と二曲歌いながら舞いました。
この静の舞に居合わせた者達は謀反人を慕う歌ということも
忘れて幽玄の世界に誘われてしまったということです。
ひとり舞う静、そして静と静の魂がふたりとなって舞う
美しさをこのつつましい野の花がその姿となり名付けられて
今も、このものがたりがいろいろな形で語り継がれているのは
人は貪欲でありながらも時には夢と幻を追い求め心を浄化させて
さらに生きていく生き物だからでしょうか。
愛知県の和菓子に「二人静」と名づけられたお菓子があります。
薄紙にふたつの半円がそれぞれ紅白の可愛いらしい和三盆が
包まれていて口に含むとすうっと溶けてしまう小さなお菓子です。
s・y