弁慶かっと怒りたち、薙刀えながに追取り伸べ、走りかかって薙ぎ払えば、
牛若もさる者、左に外し右に避け、宙を拂えば頭を地につけ、裾を拂えば
踊り越え、前にあらはれ後ろにせまり、さながら花に戯るる胡蝶の如く、
空に飛び交う燕に似たり。
今日の一枚の絵 「五條の橋」 松岡映丘 筆
キング國の華絵巻 その八
日本画家 松岡映丘(1881年~1938年) 大正、昭和にかけて活躍した。
王朝貴族、鎧武者を優美に叙情豊かに描き、やまと絵の
復興に努めた。
五條橋に月影が淡く注がれています。銀色の光に静かに見守られていることに
二人は気づいてはいないようです。
ほんとうに美しい月下のシーンです。
あと一本で人から奪った太刀が千本になるという弁慶は必死です。
笛を吹きながらそこへ通りかかる牛若少年、月の光は少しづつ上って
いっそうその輝きを増していきます。
この光は優しい母性を放っているように思われます。
心の月を二人に注いだのでしょう。
「心の月」は清く明らかなことを月に例えて表す言葉です。
お月さまに心を映す美しい言葉を私たち日本人はたくさん知っています。
夕月夜、眉月、星月夜、月代、月天心、月花、月の船、田毎の月、月雪花……
新しい年にはこの「心の月」をふところにしっかりと抱きしめて
日々を大切に送りたいと思います。
今年も拙いこの小部屋におでかけ下さいましてありがとうございました。
どうぞ希望あふれる佳い新年をお迎えくださいませ。
s・y
牛若もさる者、左に外し右に避け、宙を拂えば頭を地につけ、裾を拂えば
踊り越え、前にあらはれ後ろにせまり、さながら花に戯るる胡蝶の如く、
空に飛び交う燕に似たり。
今日の一枚の絵 「五條の橋」 松岡映丘 筆
キング國の華絵巻 その八
日本画家 松岡映丘(1881年~1938年) 大正、昭和にかけて活躍した。
王朝貴族、鎧武者を優美に叙情豊かに描き、やまと絵の
復興に努めた。
五條橋に月影が淡く注がれています。銀色の光に静かに見守られていることに
二人は気づいてはいないようです。
ほんとうに美しい月下のシーンです。
あと一本で人から奪った太刀が千本になるという弁慶は必死です。
笛を吹きながらそこへ通りかかる牛若少年、月の光は少しづつ上って
いっそうその輝きを増していきます。
この光は優しい母性を放っているように思われます。
心の月を二人に注いだのでしょう。
「心の月」は清く明らかなことを月に例えて表す言葉です。
お月さまに心を映す美しい言葉を私たち日本人はたくさん知っています。
夕月夜、眉月、星月夜、月代、月天心、月花、月の船、田毎の月、月雪花……
新しい年にはこの「心の月」をふところにしっかりと抱きしめて
日々を大切に送りたいと思います。
今年も拙いこの小部屋におでかけ下さいましてありがとうございました。
どうぞ希望あふれる佳い新年をお迎えくださいませ。
s・y