冷たい時雨が行き交う度に大地は美しい秋色を深めて行きます。
その名も知らない秋草たちに露が宿っています。
庭の草むらの中に夏菊が思い出したように小さくて真っ白なつぼみを
つけていました。
一輪挿しの壺にと摘んで手元によせると何とも言えない佳い香りが
私を包んでくれました。
今年の重陽の節句は十月二十一日、菊の盛りの時季には少し早いでしょうか。
野に咲く小菊たちは夏の終わりから早々と濃いも薄いも紫に染まって
可憐な姿で道行く私たちに秋の訪れを告げていました。
古代中国から伝わってきた「菊」の文化はその霊力を信じ頼みとするもの
で、平安時代には宮中で長寿を祈り魔を祓う「菊の節句」として祝う宴が
催されて、「枕草子」や「紫式部日記」にもその様子が記されています。
菊の露わかゆばかりに袖ぬれて花のあるじに千代はゆづらむ
道長の正室から菊の着せ綿を贈られての式部の返歌
菊を愛でる平安の貴族たちはその心を襲の色目に表しました。
「白菊」 表は白、裏は萌黄 「莟菊」~つぼみぎく 表は紅、
裏は黄 「紅菊」 表は紅、裏は青 「蘇芳菊」 表は白、
裏は濃き蘇芳 「残菊」~のこりぎく 表は黄、裏は白
盛りの頃から霜にあたって変色していく花の姿に世の無常を感じ、その
儚さを和歌や衣の色目に託した貴族たちの感性は古代中国のあの陶淵明の詩~
菊を東りの下に採り悠然として南山を見る~に謳い上げられた力強さとは
違う心模様であることに気が付きます。
菊の異名 弟草(一番遅く咲く花)~おととぐさ
齢草(不老不死の菊慈童の伝説)~よわいぐさ
今日の一枚の絵 「菊見の美人」 歌川豊国 筆 江戸版
江戸時代には菊栽培が大流行したそう。
秋のお菓子おはぎを作りました。黄な粉、ごま、ピーナッツ s・y
その名も知らない秋草たちに露が宿っています。
庭の草むらの中に夏菊が思い出したように小さくて真っ白なつぼみを
つけていました。
一輪挿しの壺にと摘んで手元によせると何とも言えない佳い香りが
私を包んでくれました。
今年の重陽の節句は十月二十一日、菊の盛りの時季には少し早いでしょうか。
野に咲く小菊たちは夏の終わりから早々と濃いも薄いも紫に染まって
可憐な姿で道行く私たちに秋の訪れを告げていました。
古代中国から伝わってきた「菊」の文化はその霊力を信じ頼みとするもの
で、平安時代には宮中で長寿を祈り魔を祓う「菊の節句」として祝う宴が
催されて、「枕草子」や「紫式部日記」にもその様子が記されています。
菊の露わかゆばかりに袖ぬれて花のあるじに千代はゆづらむ
道長の正室から菊の着せ綿を贈られての式部の返歌
菊を愛でる平安の貴族たちはその心を襲の色目に表しました。
「白菊」 表は白、裏は萌黄 「莟菊」~つぼみぎく 表は紅、
裏は黄 「紅菊」 表は紅、裏は青 「蘇芳菊」 表は白、
裏は濃き蘇芳 「残菊」~のこりぎく 表は黄、裏は白
盛りの頃から霜にあたって変色していく花の姿に世の無常を感じ、その
儚さを和歌や衣の色目に託した貴族たちの感性は古代中国のあの陶淵明の詩~
菊を東りの下に採り悠然として南山を見る~に謳い上げられた力強さとは
違う心模様であることに気が付きます。
菊の異名 弟草(一番遅く咲く花)~おととぐさ
齢草(不老不死の菊慈童の伝説)~よわいぐさ
今日の一枚の絵 「菊見の美人」 歌川豊国 筆 江戸版
江戸時代には菊栽培が大流行したそう。
秋のお菓子おはぎを作りました。黄な粉、ごま、ピーナッツ s・y