白珠だより

札幌にて美人画と武者絵を扱っております白珠画廊のブログです。

星祭り

2011-08-07 | 画廊の様子
さらさらと風に揺れる木の葉の囁きに耳を傾けながら
一番やさしい七夕のお飾りを折ってみました。
五色の折り紙の短冊にたくさんの願いを
かけました。
中国の遥か昔の二つの星のロマンスと、「乞巧でん」・・・
習い事が上達するようにと願う行事が日本の「水の清め」の
信仰・・・清らかな乙女が水のほとりで神さまに機を
織って奉げるという宮中の儀礼に結びついて七夕「たなばた」
と呼ばれる日本の五節句の一つになったとか。
ミルク色の星屑が散りばめられた天の川の真ん中で二つの
星の逢瀬がかなえられますようにとの思いと日本のこの国が
雨の滴で清められますようにとの願いが心の中で重なります。

足玉も手珠も揺らに織る機を君が御衣に縫ひ堪へむかも
                   古歌

夜空を見上げながら大津皇子を待つ石川郎女の
一途な恋をこの歌は思い出させてくれました。

今宵は煌く夜空でしょうか。それとも、
天からの滴で清めの夜空になりますか。  s・y

   「山の滴~石川郎女」  博多人形
               白珠画廊 所蔵