夜のうちに雨が窓ガラスや屋根のスレートを
叩きはじめました。
ぴちぴち、さーっさーっ、ざーっざーっとリズムを刻んで
秋の雨らしく凛として降りました。
朝、夕べの雨風がまるでうそのように明るい光が
窓辺に注がれていました。
庭の隅にひっそりときゃしゃな枝を広げていた白萩の
はなびらが辺り一面にこぼれていました。
萩は万葉集には「芽子」という字が用いられ、
秋の七種に数えられていてたくさんの歌が
詠まれています。
わが待ちし秋は来たりぬ然れども芽子の花そもいまだ咲かずける
万葉人は萩が咲くのを心待ちにし咲いては散りこぼれる
花をこよなく愛でて秋の花見として楽しんだといわれています。
白露を取らば消ぬべしいざ子ども露に競いて芽子の遊びせむ
玉梓の君が使の手折りけるこの秋芽子は見れど飽かぬかも
恋しくは形見にせよとわが背子が植えし秋芽子花咲きにけり
ひと群れの秋の花に寄せる万葉人の様々な深い心模様から
萩は日本の代表的な花であるといえましょう。
歌に詠まれる日本の四季には色があり秋の色は白、秋に咲くのは
白萩です。純潔無垢、神聖な白色は襲(かさね)の表裏に使われて
初雪という美しい名前が与えられています。
今日の一枚 「秋苑」 鏑木清方 木版
我が家の紅白の萩は紅いのが移植に失敗をして消えてしまい、
白いのは年々ほっそりしてか弱い姿になりました。
万葉の人々に習って熱い思いを込めて大切に育てなおすことに
いたします。
s・y
叩きはじめました。
ぴちぴち、さーっさーっ、ざーっざーっとリズムを刻んで
秋の雨らしく凛として降りました。
朝、夕べの雨風がまるでうそのように明るい光が
窓辺に注がれていました。
庭の隅にひっそりときゃしゃな枝を広げていた白萩の
はなびらが辺り一面にこぼれていました。
萩は万葉集には「芽子」という字が用いられ、
秋の七種に数えられていてたくさんの歌が
詠まれています。
わが待ちし秋は来たりぬ然れども芽子の花そもいまだ咲かずける
万葉人は萩が咲くのを心待ちにし咲いては散りこぼれる
花をこよなく愛でて秋の花見として楽しんだといわれています。
白露を取らば消ぬべしいざ子ども露に競いて芽子の遊びせむ
玉梓の君が使の手折りけるこの秋芽子は見れど飽かぬかも
恋しくは形見にせよとわが背子が植えし秋芽子花咲きにけり
ひと群れの秋の花に寄せる万葉人の様々な深い心模様から
萩は日本の代表的な花であるといえましょう。
歌に詠まれる日本の四季には色があり秋の色は白、秋に咲くのは
白萩です。純潔無垢、神聖な白色は襲(かさね)の表裏に使われて
初雪という美しい名前が与えられています。
今日の一枚 「秋苑」 鏑木清方 木版
我が家の紅白の萩は紅いのが移植に失敗をして消えてしまい、
白いのは年々ほっそりしてか弱い姿になりました。
万葉の人々に習って熱い思いを込めて大切に育てなおすことに
いたします。
s・y