すみれの花が咲いている。息の長い花である。
すみれ スミレ 菫(すみれ) 園芸種
春の野に すみれ採(つ)みにと 来(こ)しわれそ
野をなつかしみ 一夜(ひとよ)寝にける 山部赤人
万葉集巻八-1424
万葉時代には、蔬菜類は多くは山野に出て必要な野草、山菜を採取したとされる。この歌は菜取り(なとり)に関する歌であり春菜摘みの歌であるが、このすみれ採(つ)みは薬草狩りの要素が強そうだ。一夜(ひとよ)寝にけると詠っているところから見ても、すみれは早朝に採取したほうが薬効があると信じられていたのではないか。赤人はあだ名という説がある。赤ら顔だったのであろうか。とすればスミレは高血圧などに効くのであろうか。