鶏足城は愛知県豊田市山谷(やまがい)町にあります。 鶏足は「けっそく」と読みます。古くは、重要な道を含め幾本もの山越えの道が城址付近を通っていたとされ、鶏足城はその抑えの城としての役割が考えられ、また北方約800mにある足助城と鶏足城の南側に所在する支城の連絡拠点ともなっていたと言う説もあるようです。
鶏足城の旧見学路は以前は、Welcome状態の案内板が設置されていましたが、今回訪れてみると状況に変化が見られ、案内板等が撤去されていました。以前訪れた際に、東から登る旧道との出会いが有ったので、東側へ回ってみると「鶏足城址」の表示板が有りました。
今回の参考資料は(1)「足助の中世城館」足助町教育委員会2001 と (2)「愛知県中世城館跡調査報告2」愛知県教育委員会1994です。 ※その1 と その2 の二回に分けて記事にしました。
鶏足城 浅谷城→割石城→鶏足城→足助城 の情報伝達ルートが有ったとされる
今は樹木が生い茂っていますので、見通しはききませんが、カシミール3Dの「見通し」機能で確認すると南方の先端を睨む浅谷(あざかい)城からは割石城しか見えず、割石城からは鶏足城が見えます。鶏足城からは本城の足助城が見えるのが確認できました。南方の支城からの情報伝達拠点説もうなずけますね。
※ 割石城は→こちら
鶏足城 道路からの見学路分岐点の様子が変わった 「お断り」の雰囲気がある
事情はわかりませんが、旧見学路の状況が変わり、以前は無かった害獣ゲートも厳重に設置されていましたので別の見学路を捜すことにしました。 ※以前も個人地主さんの道を利用していました。
鶏足城 城域の東側へ迂回 「鶏足城址」の表示版がある
城域には旧道、山道、林道が何本も通っていますので、東側からの道があるのではないかと思い迂回してみました。
鶏足城 見学路入口 「鶏足城址」の表示版がある
見学路は林道と旧道が重なった場所が入口でした。図2のように途中で旧道と林道が分岐していました。どちらも通ってみましたが、林道がおすすめでした。城址までの間に2箇所の害獣ゲートの開け閉めをして進みました。 ※駐車は路肩スペースですが、あくまで自己責任です。
●旧道を進んだ時に害獣フェンスを飛び越えそこねた子鹿がもがいていました。後ろ足が害獣フェンスの金網に引っかかって抜けなくなっていたのであれこれ20分ほど手助けしてやっと抜け出せ、駆け去ってゆきました。良かったよかった! 野生動物は思わぬ病原菌を持っていると聞きますので、コロナ対策の消毒液でたっぷり消毒しました。
鶏足城 東端部のピーク⑥ 東から 石塔がある
資料(1)ではこの部分が描かれていましたが資料(2)では城域外として描かれていませんでした。石塔は明治の年号が刻まれていました。
鶏足城 掘切A Ⅲ郭から 左奥に⑥
掘切Aは浅くて広いものでした。広い堀底に小屋掛できそうなスペースが有りました。資料(2)では掘切Aまでが城域として描かれていました。
鶏足城 Ⅲ郭(腰曲輪) 東から 奥上にⅠ郭 腰曲輪の標識が立つ
Ⅰ郭東下は丁寧に削平された曲輪面でした。Ⅰ郭には土塁は無かったようですので正面に見える切岸が守りの要だったと思われます。
鶏足城 Ⅱ郭-Ⅲ郭間の掘切① Ⅱ郭から 奥にⅢ郭
掘切①はⅡ郭とⅢ郭の行き来を阻害するための物だったのではないでしょうか。今は風化でかなり埋まっていますが往時はもっと深かったと想像しました。
鶏足城 Ⅱ郭 東から 手前に掘切① 左にⅠ郭の北辺切岸
Ⅰ郭の削平は、あまり丁寧では有りませんでした。切岸を造り出すためにⅡ郭を削り出したように見えますね。
鶏足城 その2 に続きます。