宝島のチュー太郎

酒屋なのだが、迷バーテンダーでもある、
燗酒大好きオヤジの妄想的随想録

黄金夜界ー橋本 治ー

2019-08-12 16:47:20 | 本のこと
内容紹介

橋本治が命を賭して紡いだ長篇遺作。
愛と金、人はどちらに飢えるのか?
愛する人に裏切られた美青年・貫一の空洞が今、輝き出す――

尾崎紅葉『金色夜叉』の主人公・貫一は、愛に裏切られ、エリートの道を捨てた冷徹なる金の亡者。
貫一との生活よりも資産家の息子・富山との結婚を選んだ美也は、橋本治『黄金夜界』では、モデルの「MIA」となり、IT社長のもとに走る。
貫一は、ネットカフェ、老夫婦が営む町工場、居酒屋チェーンの仕事を転々としながら、ついには起業し「わらじメンチカツ」を出す飲食店のイケメン社長に。
美也に捨てられ、世間知らずだった男がいまや、SNSでの話題作りをしかけ、ふてぶてしく金を稼ぐ経営者に様変わりしていく姿は、紅葉が描かなかった貫一の苦しみを克明にあぶり出す。
そこへ富山との結婚生活に幻滅した美也が現れて……

著者について
橋本治
一九四八年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。七七年『桃尻娘』で講談社小説現代新人賞佳作。以後、小説・評論・古典の現代語訳・戯曲・エッセイ等、あらゆるジャンルに精力的な執筆活動を行う。九六年『宗教なんかこわくない! 』で新潮学芸賞、二〇〇二年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、〇五年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、〇八年『双調 平家物語』で毎日出版文化賞を受賞。他に『窯変 源氏物語』『小林秀雄の恵み』『巡礼』『橋』『リア家の人々』『幸いは降る星のごとく』『結婚』等、著書多数。



以上amazonサイトより引用



 単純に面白かった。

「熱海の海岸散歩するかんいちおみやの二人連れ」という、ずっと昔耳にした歌にもある「金色夜叉」を読んだことはない。
そいつをベースに、背景を現代に置き換えたものらしいが、なんだろ、「昭和」のイメージが抜けきらない。
出てくる事例や道具は令和の「今」なんだけど、その底流には昭和の気質が流れているように思える。

 でも、愛に絶望した男がホームレスから這い上がる様子は小気味よく、楽しかった。
しかし、あんな結末が待ってるとは。


 私はあんなに純ではないな、今も昔も。
どっちがいいんだろ?


 いいじゃないの今が良けりゃ by 相良直美・・・






黄金夜界 (単行本)
橋本 治
中央公論新社
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