わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

Four More Years

2012-11-07 | アメリカのニュース
今朝のロサンゼルズ・タイムズで今一度、オバマ勝利を確認し、心落ち着いて、背景も柔らかいデザインに変えてみました。

 ロムニー自身は、モルモン教徒だけに清潔な人柄でしょうし、確かに成功したビジネスマンであるという経歴は、アメリカの政治に新風を吹きこませたかも知れません。でも、中低所得層を踏み台に富裕層を優遇する彼の政策は、私のような外国人かつ低所得者である個人にとっては首を絞められるに近いものがありました。再選を気にせずともよい二期目、オバマが更に大胆に改革を推進してくれることが期待されます。既に、オバマケアによって、既存症を理由に保険カバーを拒否できないという法が成立しています。これは地味なようでいて、実に重要な第一歩です。例えば、血糖値が気になる私には、他人ごとと思えない糖尿病。かつては贅沢病と言われましたが、今や、ジャンクフードや糖質でお腹を膨らませねばならない貧困層に蔓延している病気です。合併症が怖い病気でもありますが、糖尿病を理由に保険加入できない人も多かった。

 他にも、高所得者向けのキャデラック保険や、雇用者の従業員に対する保険提供義務化等が将来的に実施されることが可決されており、悲願の国民全員保険加入も、現実に近づきつつあります。視力検査や虫歯の治療の出来ない低所得層が無料クリニックに列をなしている先進国なんて、他にはありません。出産や乳児ケアが高額すぎて、自分で保険料を支払っている中間層が子供を産むことを躊躇しているような状況で、なぜか、その多くが低所得層に属する移民グループの人口が着々と増加しているのは、結局は、保険を支払えない低所得グループの出産費用を公的資金がサポートしているからでしょう。このような歪みも、国民が全員、保険に加入すれば緩和されるはずです。政府に、保険に入れなんて強制されるのはイヤなんだよ、って連中は、保険ないけど妊娠しちゃったし、出産するけど、その費用は税金から払っといてね、な人々のことをどう考えているのでしょうか?彼らの負担を受け入れてるのはハッピーなの?

 軍事費を削減し、富裕層への税負担を増加しての、財政赤字の緩和も期待されます。実際に、イラクからは完全撤退しましたし、アフガニスタンからも、どんどん兵が帰還しています。世界のケーサツだからって、シリアの内戦にいきなり軍事介入しないのは… いや、ちったぁ介入して事を収めろよ、って気がしないでも無いですが… 慎重な態度を保っていることは評価できると思います。別に今に始まったことじゃないけど、この件だけを見ても、国連は完全に無能だねぇ… そういや、国連の安全保障理事会って一体何のために存在してたんだっけ?

 ともあれ、話を財政に戻すと、共和党にことごとく邪魔をされながらも、失業率低下、国民総生産上昇、住宅価格向上等、経済が上向きに向かっている兆しは明らかです。実際、モールには紙バッグを下げた人が増え、週末のレストランは賑わい、路上に新車が見られるようになった。また、クレジットカード申込みを勧めるジャンクメールが毎週ポストに入りだしたし、景気の回復は毎日に暮らしの中でも感ずることが出来ます。今期は、ガイトナー財務長官もいなくなるし(こいつ大キライ)、今度こそは、ウォール街とズブズブの税金誤魔化し野郎ではない、真当な財務長官を選んでほしいものだ。

 しかし、税法等の決議権を持つ下院は未だ、共和党に過半数を握られたまま。オバマ大統領は昨夜の勝利演説でも、党を超えた協力と理解を訴えましたが、また下院に居座るお茶会の奴らにジャマされるんではないかと。今年末こそ、小籔のやった減税の高所得者向け減税更新を阻止しなければ、来年の1月からは連邦歳出の強制削減も始まるのに、にっちもさっちもいかなくなってしまう。共和党副大統領候補だったライアン議員を筆頭とする共和党の財政緊縮マニア達は、兎に角福祉や教育、インフラ整備、代替エネルギー開発といった、削減されれば直接に中低所得層を打撃し、また、この国の将来を握り潰すような政策を、今後もゴリ押ししてくるでしょう。全く誰だよ、ライアンとかに投票した奴は?!



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