わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

LAの濁り

2012-11-20 | 日記
 ちょっと用事があって、ダウンタウンへ行きました。学校お休みで暇してる息子たちも強制的に連れて行く。だって、放置してると、一日中PCに向かって遊んでるんだもん。LAのダウンタウンは、きっちりとスーツを着込んだ人々の行き交う近代的なビルの真横がホームレスのたむろする公園だったり、市庁舎のある通りや、バンカーズヒルのビル街のような整備された場所の一本次の道は混沌として、大声で喚いている人が道で転がっていたりする。ピンポイントで都会だけど、それ以外はカバンをしっかり抱えて、周囲に気をつけながら歩かなきゃいけない。

 ジュリアーニが市長に就任する前の、1980年代のマンハッタンでも、ここまで酷くなかったと思うのですが。こんなだから、ダウンタウンへ行くと、無駄に疲れてしまいます。目的の場所は警備員がエレベーター毎に立ってるビルでも、路駐のために一本横の裏道に停めたら、通行人が全くいなくて不穏な感じだったり。

 近年は、高層アパートが建ち始め、子供の居ない若いプロフェッショナルを中心に、ダウンタウンに住む人達も増えてきました。ダウンタウン付近の高速は常時渋滞、ラッシュ時にダウンタウンへ向かう道は毎日ノロノロ運転、しかも高速を降りてからも道はごちゃごちゃですから、職場がダウンタウンにあるのなら、そこに住むのは納得の選択でしょう。住民が増えて少しづつ浄化されていけば良いのでしょうが、ダウンタウン内、リトルトーキョーの真横には、先進国内最大のドヤ街スキッド・ロウもあり、実際にLAダウンタウンの完全浄化は難しいかと思います。

 西成のドヤ街に行ったことはないので比較はできませんが、イメージとしては西成のドヤ街はおっさん中心なのに比べ、スキッド・ロウには女性や子供連れも珍しくはありません。ここ数年の不景気で、家族連れでここに流れ着く人たちも増えたそうです。麻薬中毒やアル中のみならず、精神病患者も多い。LA市は昼間に彼らが路上にテントを張るのを規制したり、郡衛生局が一斉清掃を実施したりしていますが、ここに住む7~8,000人のホームレスの人達の行き場を作らなければ、何の解決にもなりません。不景気の続く今の状況では、90年代ジュリアーニ下のNYCのような浄化は望めそうにありません。

 LAのいやんなところは、この地域だけを避ければ安全というわけでもないところで、先月に私がダウンタウンに来た時の記事の通り、街の真ん中の公園がトイレ臭かったりし、商業街の路上でいかにも盗品な商品を売ってたりします。ダウンタウンのみならず、ハリウッドやメルローズのような観光地も同じで、古臭さと薄汚れた感じが抜けない。南カリフォルニアには陽光が溢れ、高いクルマが普通に道を走り、豪邸もたくさん建っている。華やかなイメージなのに、街にはどこか薄汚さが感じられる。例えロデオ・ドライブを歩いていても、サンタモニカの盛り場にいようとも、ベバリーヒルズの豪邸街をドライブしていようが、清々しさを感じたことはないように思います。なぜなんだろう?空気が公害で濁っているからなのかしら?

でも、この地の便利さと気候は最高だと思う