さぁ最後は14-15シーズンのFW陣。ミハイロビッチ監督は序盤、エデル、オカカ、ガッビアディーニの3トップでスタートする。そこそこ機能していたが、冬のメルカートでガッビアディーニがナポリに移籍。代わりに入ってきたのがエトオ、ムリエルという異なるタイプの2人だった為に、フォーメーション変更を余儀なくされる。さらにこの2人は共に1月の加入時点では怪我なども有り、トップコンディションとは程遠かった。その場合は、ソリアーノがトップ下で使われ2トップ。
2人が共に使えるようになった3月には、再び彼らを組み入れた4-3-3を試して4連勝。やはりシニサの今季のサンプでの理想のサッカーは、4-3-3だったのかもしれない。何気に去年の夏の投資額では1番だったベルヘッシオは、いずれにせよ年間通して終始サブに終わった。また、同じくほとんど出番が無かったサンソーネとフェダートは、冬のメルカートでレンタルに出された。
前半戦の4-3-3(3トップ)
エデル オカカ ガッビアディーニ
(ベルヘッシオ) (サンソーネ)
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後半戦の4-3-1-2(2トップ)
エデル オカカ
(エトオ) (ベルヘッシオ)(ムリエル)
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後半戦の4-3-3(3トップ)
ムリエル(オカカ)(ベルヘッシオ)
エトオ エデル
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2度目の3トップでは、エトオはかなり低い位置からパッサーに徹するような3トップだった。
↓↓それでは各選手のレビューを見てみよう↓↓
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FW 23 エデル・マルティンス 7.5 やはり、なんだかんだ言って今年もサンプFW陣の中心はエデルだった。相変わらずどのフォーメーションにも適応し、誰とコンビを組んでも合わせられる。ガッビアディーニが去ってからはFKも度々蹴るようになり、インテル戦では見事なゴールも。一番印象に残ったゴールはフィオレンティ-ナ戦。カウンターから高速ドリブルで50mぐらい独走して奪ったゴールは見事だった。ブラジル人だが、イタリア代表の道を選択して、デビューいきなりゴール!飛躍の年となった。32節のナポリ戦で怪我して、早々とシーズン終了してしまう。これはサンプにとってかなり痛かった。きちんと怪我を治して、開幕から間に合えば今季もFW陣の中心となるだろう。放出は絶対避けたい。守備もして、ドリブル得意で、決定力もある彼のようなFWはなかなかいないのだから・・・(30試合/9ゴール(1PK)/5アシスト)
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FW 9 ステファノ・オカカ 6 前半戦と後半戦で大きく評価が分かれる。前半戦は、強靭な身体を生かしたポストプレーでチームへの貢献は特大。自身はあまり点を取れなかったが、エデルとガッビアを生かしつつ、3トップは抜群の機能性を見せた。守備にも労力を惜しまず、走りまくるシニサのサッカーでかなり重宝された。しかし後半戦は疲れと、評価が急激に上がった事により、ビッグクラブへの移籍をほのめかしたりした事で急にプレーの質が落ちる。結局冬のメルカートでは残留したが、システムも2トップを多用するようになった事で、レギュラーの座も度々追われるようになってしまう。守備をやってくれるのはいいが、本末転倒でそれが結局得点が奪えないマイナス要因になっていると思う。ロマーリオみたいな、ずっと前線に待ってて、俺の仕事は点を取る事だけだみたいなスタイルが、もう少し彼には有ってよいと思う。そうすれば20ゴールは軽くいくと思うのだが・・・来季は放出濃厚だったが、ゼンガは彼を買っており一転して残留の可能性も出てきた。(32試合/4ゴール/2アシスト) FW 18ゴンサロ・ベルヘッシオ 5 昨年の夏に一番お金をつぎ込んだ選手(サンプにしては)。ただ、序盤好調なオカカに勝てずずっとサブ。後半もムリエルとエトオの加入のあおりを食って、ほとんどまともな出番は無かった。スーパーサブにはあまり向いてなかったらしく、試合勘の無さで彼本来の嗅覚はなかなか生かされなかった。期待されていただけに残念な結果に終わった。契約を解消して、来季は他チームで戦う。(23試合/1ゴール/1アシスト) FW 99 サムエル・エトオ 5.5 フェレーロが執着した、冬の移籍の目玉。加入してすぐは自身のコンディション不足、また厳格なミハイロビッチのシステムに合わず、すぐには活躍できず。シニサと和解して徐々に本領を発揮し始めるが、往年の動きとは全然違った。スピードを生かしたストライカーのイメージだった彼が、サンプでやっていたのは試合を作るオーガナイザー。左サイドでかなり下がってボールを貰い、パッサーとして新境地を開いた。守備もかなりやっており、「こんなプレーも出来たんだ」と言う印象。サンプ内にも、偉大なスーパースターだる彼と共にプレーできる喜びを感じていた選手もおり、後輩の指導やスポークスマンとしての効果は若干あったが・・・ただ彼の年棒と、前半活躍していたガッビアディーニの代わりとして戦力的にも期待されていた事を考えると、やはり少し物足りないか。サンプに来た超大物の中で失敗した例は結構多い。シニョーリ、クリンスマン、ヴィエリ(出場すらしていない)。この3人よりはマシだったと思うが、オルテガぐらいの評価か。来季は金に釣られて、トルコの2部リーグ「アンタリアスポル」でのプレーが決まった。(18試合/2ゴール/2アシスト) FW 24 ルイス・ムリエル 6 エトオと同じく冬に大金をはたいて加入。ただ怪我の具合が有ったので、移籍にもすったもんだがあったが。元々3月までプレーできない事は分かっていたので、来季以降活躍してくれれば彼を獲った意味は出てくる。と言うわけで、まだ評価はしずらい。ただ、弱冠の出場で、ポテンシャルの凄さは感じた。左右両足で強烈なシュートが打てるし、絶好調時のあのスピードのドリブルは誰にも止められないだろう。あとは、戦術理解度と、自己中なプレーの改善が必要。確かに怪我は多そうなプレースタイルだが、成長すればとんでもない選手になれる可能性はある。カッサーノのようなパッサーと彼を組ませれば、相当面白いと思うのだが・・・コロンビア代表としてコパ・アメリカにも出場したが、レギュラーでは無くほとんど出番は無し。アルゼンチンとのトーナメントのPK戦で、同僚のロメロ相手に彼がPKを外して敗退した。来季のゼンガ構想でが、3トップのウィンガーでは無く、センターフォワードとして期待されているようだ。私もそう期待している。(16試合/4ゴール/4アシスト) FW 27 ルカ・ジョルジェビッチ ND ミハイロビッチの人脈で意外なサプライズで最終日に加入した、20歳の若きストライカー。ゼニト(昨シーズンはレンタルでオランダのトウェンテ)からレンタルで獲得。モンテネグロA代表。プリマヴェーラのエースストライカーとしては活躍したが、まださすがにAは厳しすぎたが。エデルが怪我した終盤戦にチャンスを与えられ、ウディネーゼ戦では、スピードを生かして1対1のチャンスを何本か作ったり、アシストを決めたり存在感を見せてた。それがシニサのお眼鏡にかなったか、EL争いで一番重要と言われた37節のエンポリ戦にビックリの先発起用。しかし結局何もできずに終わってしまった。今後は楽しみな選手だが、残念ながら買い取りオプションは行使されずに終わってしまったので、来季はサンプにはいない。せっかく獲ったならもう1シーズンぐらい様子を見ても良いと思うのだが。(3試合/0ゴール) FW 11 マノーロ・ガッビアディーニ 7 前半戦の得点源。3トップの右ウィングとしてのスタイルを確立し、強烈な左足からゴールを奪った。DERBYの決勝点や、ユーヴェ戦でブッフォンから奪ったゴールは印象深い。若いし、今後アズーリに定着していくだろう。ただ、ユーヴェとの共同保有でユーヴェ主導で彼の運命が決まるため、冬のナポリへの移籍は止められず。インシーニェが怪我しなければ、1シーズン見れたのに・・・彼の放出後はしばらく、サンプは彼の不在で苦しむ事になる。サンプからいなくなっても応援したいと思える選手の内の一人で、今後はアズーリでの彼を応援しよう。しかしイタリア女子代表のエースでもある、ねーちゃんはそっくりだ。(13試合/7ゴール/1アシスト) FW 12 ジャンルカ・サンソーネ 5 選手層が厚みを増したので、ほとんど出番はなかった。ガッビアディーニの控えと言う位置づけ。プレースタイルもガッビアと被る。セリエBでは活躍できるが、Aではサブの域を出ない選手か。A昇格をもくろむボローニャに冬移籍して、レギュラーとして昇格には貢献した。来季に向けてボローニャは買い取りオプションを行使しなかったが、サンプに残る可能性は無いだろう。(4試合/0ゴール) FW 7 フランチェスコ・フェダート ND 夏のキャンプで評価を上げた期待の若手だが、さすがに今季のサンプで出番はほとんど無かった。スピードのあるドリブルが武器の、ウィンガータイプ。冬のメルカートで、セリエBのモデナに武者修行に出される。そこではレギュラーを取り、19試合3ゴール。ちなみにモデナには、同じくサンプからレンタルされているベルトラーメがいる。カターニャとの共同保有だったが、サンプは保有権を買い取った。来季はまたどこかにレンタルに出される可能性が高いが、サンプもまだ彼には期待していると言う事だろう。(1試合/0ゴール)
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来季に向けて、今のところ残留しているのがエデル、ムリエル、オカカ(怪しいが)。そして加入が決まっているボナッツォーリ。
あと2人は欲しいな~ 今名前が挙がっているのが
・デフレル(チェゼーナ)
・カッサーノ(元パルマ)
・サパタ(ナポリ=コロンビア代表)
・パッツィーニ(ミラン)など。
あと、3トップになる場合はコレアは左ウィングとして使われる可能性も有るが。
それらを踏まえて、未加入選手も含めて来季の予想↓↓
4-3-1-2(2トップ+トップ下の場合)
エデル ムリエル
(カッサーノ) (オカカ)(ボナッツォーリ)
コレア
(ソリアーノ)
4-3-3(3トップの場合)
エデル ムリエル デフレル
(コレア) (オカカ) (ボナッツォーリ)
※個人的にはデフレルとカッサーノが来て、オカカの代わりにサパタなんて事になったら大大満足
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サンプトピックス
1.
まず、面白いニュース。サンプファンの富豪が、27,000ユーロ(今だと360万円ぐらいか?)はたいて、ジェット機を貸切。そして空の上で上の写真のような横断幕をはためかせながら、ジェノヴァ中心にリグリア州の上空を飛び回ったという
「SENZA LICENZA PORTA PAZIENZA ~Grazie Enrico」
センツァ リチェンツァ、ポルタ パツィエンツァ
意味は、
ライセンス(EL出場資格)取れず、辛抱を(ジェノアーニに)もたらした ~ありがとう エンリコ(プレツィオージ=ジェノアの会長)
こんな奇想天外な事を、大金を出してやっちゃうのもイタリアならでは。ちなみにこの文句がドリアーニに受けて、現在このTシャツも売れてるらしい
2.昨季の話題をさらったエトオが結局退団
クラブの公式HPを通じて、サンプファンへの感謝の意と、このユニを着れた事は名誉だったなどを綴った手紙を送った。
しかしエヴァートンを退団した時とほぼ同じ文面だったのと、年棒が約2倍になってのトルコ2部リーグへの移籍。結局カッコつけるけど、金の亡者じゃないか!と言うティフォージの声もチラホラ。私としてはどうせそんなに動けないエトオを獲るなら、カッサーノを獲るか、死ぬ気でガッビアディーニを死守して欲しかった。まぁエトオも元々好きな選手だったし、試合中は本気ではやってくれていたから、全く悪い思い出だけでは無いが・・・作ってしまった”エトオ”ユニは、自分のフットサルで使おう。
3.
セリエA全チームの先陣を切って、ブレッシャ郊外のPonte di Legnoにて、7/1からキャンプイン。写真を見てお分かりの通り、今シーズンからテクニカルスポンサーがKAPPAからJOMAに代わった。まだこのトレーニングシャツだけだが、KAPPAで10年以上、特にホームユニはほぼ変わらなかったので、新ユニフォームも楽しみだ。JOMAはスペインのメーカーで、最近フィオレンティーナを手掛けたり、イタリアに進出してきている。新ユニはホーム青、アウェイ白、そして今のところの噂では3rd黄色。どうなるか!?
4.移籍市場もかなり活発に動き始めている。今のところ決まっている新加入が、前号でもちらっとお伝えしたGK含めてこんな感じ
GKブリニョーリ(←ユーヴェ←テルナーナ)
GKプッジョーニ(←前キエーヴォ)
DFカッサーニ(←パルマ)
DFモイサンデル(←アヤックス =フィンランド代表)
MFバレット(←パレルモ =前パラグアイ代表)
FWボナッツォーリ(←インテル)
移籍メルカート情報は、次号から詳しく追っていきます!
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Fooooooooorza Saaaaaaaaaaamp!!