なにげな言葉

なにげない言葉を あなたに伝えたい
迷宮・緑柱玉の世界の独り言

緑柱玉の童話 NO1   眠り姫

2019-09-11 | 大人の童話
少女は、15になるその日まで大切に育てられるのですよ
毎夜語ってくれる、おばあ様の、寝物語。
今日の話は、眠り姫

眠り姫が生まれたとき、国中が喜んだのですよ。
貴女だって、皆が喜んで迎え、大切に育てられてきているのですよ。
貴女も、私にとって、大切なお姫様なのですよ。
さぁ、お話に戻りましょうね。

王様は、祝いの宴に魔女さえも招いたのだが、一人忘れていました。
招待されなかった魔女は、怒り、生まれたばかりの姫に呪いをかけた。
15の歳に命を落とすという、恐ろしい呪いを。

悲しみにくれる王様の前に、別の魔女が進み出た。
命を落とすその代わりに、眠りにつくようにしましょう。
眠り姫、15歳の、その時まで誰にも触れさせないように大切に育てられました。

おばあ様、糸巻きって何?
どんなものでしょうね。
想像してごらんなさい。
ママは教えてくれるかなぁ。
ダディは、知っているかなぁ。
ねぇ。糸巻きって何?
糸を巻くものじゃないのか?
私は、糸巻きを知らない。
だから、どんなものか想像するのは、自由です。
おとぎ話の世界に迷い込んでいくのです。
そんな疑問が、私の童話の世界の扉を開きます。

   *   *   *

ある国の王様には、世継ぎがいなかった。
王妃は、早く王子を生めとせかされる。
生みたい気持ちは山ほどあれど、どうしようもない。
朝夕、神に願いを叶えて欲しいと祈る。

巷で聞く、子作りの迷信にまで手を出してみるが、一向に気配が無い。
中には、子作りを知らないのではないかと言う噂まであることを王妃は聞いていた。
王妃は、あせるばかり。
王の母である、皇太后も、王妃が欠陥商品のように言う。

子供の出来ない理由に、王妃は心当たりがあった。
王との夜の営みが恐怖だった。
王妃は、いつも部屋中を逃げるようにしながら、そしてそれを追う王は、
王妃を捕らえて、押さえ込まれて行なわれた。
まるで犬に追われる野兎猟のような営み。
子供のことなど、考える余裕はなかった。
この一時を早く過ぎたい・・そればかりだった。

「私の恐怖を知らずに、子作りだなんてよく言えるわ!」
そんな言葉を吐き出してみたかった。

王宮での生活は、息が詰まる。
息抜きに訪れた森の中の湖で、裸になり、自己解放。
何もかも忘れて過ごせる一時。
私だけの場所・・・
湖で泳いで岸に上がると、一人の青年が見ていた。
お妃は驚いた。
しかし、青年はやさしかった。
「あまりの美しさに、妖精かと思いました・・・」
王妃は照れ隠しに、青年を呼び寄せた。
王妃といっても、年若い十代、少女だ。
王妃として接してくれるものは居ても、少女として扱ってくれるものはいない。
王妃は、青年に、男を意識した。
王妃は初めて女を意識した。

高価な衣装も、身分も何もない、ただ裸の私を見てくれる青年。
男がこんなにもやさしいとは知らなかった。
耳元でささやく声がこれほどやさしく聞こえるとは・・
髪に触れるその手が、王妃をゾクゾクさせた。
恐怖ではない、なんともいえない心地よい気分だった。

青年との一度きりの行為。
二度と逢わない、名前も知らない青年。
しかし王妃にとっては、青年の肉体こそが、開放の鍵であった。
それから王妃は変わった。

そしてめでたく御懐妊。
月満ちて、かわいい姫は生まれた。

王妃以上に、皆が喜んだ。
姫には、のろいの呪文がかけられた。
魔女の言葉が忘れられない。
この子を守らなければ。
王妃は罪を感じていたから、なおさらです。

この子の父は、もしかすると・・・・・
この時代の浮気は、死を意味する。
王の子供・・・そう信じたい。

浮気ではない・・・男のやさしさを知った瞬間の・・・
一回の気の緩みが、ばれはしないか・・・
そんな不安を、姫を守ること出忘れようとした。
姫の周りから、男が排除された。
汚れなき姫であってほしいと思う。
姫は、男の服装で生活をすることとなった。

王は王妃の心配性を、姫を思う親心とすべて受け入れた。
そして姫の知っている男は、王だけとなる。

姫はすらりとした手足に男装。
女官たちは、姫の男装に恋心を持つほど美しくなる。
活発で、無邪気で、美しい。
誰がこの姫が、100年の眠りにつくと信じよう。

姫が15になったその日。
王と王妃は出かけていた。
女官も寝ているそのすきに、姫は城の探検に出た。
好奇心いっぱいの姫。
行った事のなかった城の離れの塔に登った。

そこには、逢引しようとしていた男がいた。
城の中での恋愛の秘密の部屋だったのだ。
男は、誰もこないと思ってた。

そこに姫が現れた。
男はびっくりした。
どぎまぎしたのは最初だけ。
「何をしているの?貴方は誰?」
あまりに初心で、純真な姫を見て男は驚いた。
姫の周りに姿を見せることさえ出来ない男は、姫と話せるなど無いと思っていた。
美しいとは聞いていたから、見てみたいと思う心は、抑えられない。
姫は好奇心いっぱいで、男の言葉を聞く。
「貴方は、始めてみる姿の人ね。お父様とは違うわ!」
食い入るように男を眺め、見つめ、話を聞きたがる姫の好奇心。
姫は男の手を見つめ、触れた。
男は電流が走ったように、驚いた。
「貴方の手、大きいわ!」
「貴方の顔・・・」
男もまた、聞き返した。
「姫様なぜ、男の格好を?」
「男?」
「俺と同じ服を着ているだろ?それは男の姿。女は皆違うだろ?」
「私だけの姿かと思っていましたわ。」
姫は、素直すぎるぐらい素直に応えた。

男は、よからぬ事を思い始めた。
「同じ服でも、貴方と私は性が違う。貴方の胸はふくよかだが、俺の胸はたくましい。」
自分の服のボタンを外し、胸をあらわにした。
姫は、食い入るように見た。
男の胸には胸毛が生え、姫には無い逞しい肉体があった。

姫にとっては、父親以外の男と接したのは、初めての事。
父親の裸だって見たことは無い。
生まれて始めて目にする男の肉体。
みれば、触れてみたくなる。
手を伸ばし、男の体に触れた。
はじめて触れる男の体は、自分の肉体とは全く違った。
若い男のその体、なんともいえない美しさがあった。

しっかりとした胸。
たくましい腕
今までに感じた事の無い、男の香り。
男は姫の手の動きに合わせ、服を脱いでいった。

「貴方のそれは何?」
黒い茂みで大きくなるものに、興味を持った。
男は、興奮し始めた。
姫の視線の中、徐々に大きくなり始めた。
変わり行く姿に、姫の視線は釘付けとなった。

姫様興味で手を伸ばした。
男はかすかに身を引いたが、姫は一歩前に出た。
「温かい!」

男は、姫のやわらかい手を感じた。
男は、動かしてみると、姫様、好奇心で、もっと触ってみたいと思う。
不器用であっても、これ以上触られて、うれしい手などあるはずがない。

「姫にもあるんですよ!」
「え?私にはありませんよ。」
「では、お教えしましょう。」

「少し足を開いてください。」
そっと差し込んだ指に触れる突起。
「姫にもあるでしょ?」
姫は、答えなかった。
姫はかすかに腰を引いた。
初めての感覚に、体の中を通り抜けた、甘く切ない感じは、何だろう?
男の手は、シャツに伸び、ボタンを外した。
男は、逢引相手より、姫の穢れない体に興味を示す。
ピンクに盛り上がった乳房の先をつまんで転がす。
くすぐったいわといいながら、姫の瞳が潤んだ。
男として、そんな瞳を見たら、どうしようもない。
我慢できなくなった男は、姫を押し倒し、ピンクの割れ目を指でなぞる。

誰にも見せたことのない部分を見られ、姫は顔を覆い隠して恥ずかしがった。
そんな姿が、男にとってうれしくないはずがない。
かすかに濡れてくる気配。
突起を擦れば、姫の体がうねるように動く。
男は我慢できなくなった。
自分の思いをとげてしまう。

姫は、何があったか分からない。
激痛と共に悲鳴をあげ拒むがもう手遅れ
気を失ってしまった。

男は、これはしまったと慌てて服を着せるが、姫は、目を覚まさない。
そして姫は100年の眠りについてしまう。

やはり、魔女の言われた通りになってしまった。
せめて目が覚めたときは綺麗な姫であって欲しいと
素敵なドレスを着て眠りにつく

100年後、王子様が kiss をするまで、眠りつづけた。

100年の眠りの間に、やさしい魔女に姫は夢の中で教育される
女として・・・
男とは・・・・・・・

寝が覚めた時には、100年の眠りで、眠りにつく前の記憶を忘れていた
やさしい魔女の計らいで、姫の体は穢れない、無垢へと戻された。
姫は、王子と結婚する。

知識を夢で学んでも、姫は男を知らなかった。
100年の時は、姫の周りを変えてしまった。
友人もいない、知人もいない。
姫の知っている時代とは、あまりのも変わってしまった。
姫は徐々に口数が少なくなる。
王子も、姫が古い時代の産物と思うようになる。
退屈な女・・・・・

王子は、姫を抱かなくなり、他所で女を囲い始める。
姫はいつしか鏡を見てはつぶやくようになる。
私は・・・・だれ・・・・
眠ったままの100年の記憶。
思い出そうにも思い出せない幼少時代。
嫁入り道具の中にある男物の服の謎。

姫は、古臭くなった男者の服を着てみた。
驚くほど自分の体に合っている。
これは、私のものだったのでしょうか・・・・
鏡の前に立ったとき、彼女の記憶がよみがえった。

男装で、馬にまたがり野をかけている姿。
王と共に剣の稽古をする姿。

王子の剣を借り、鏡の前に立ってみる。
途切れた記憶が繋がった。

そこに王子が戻ってきた。
鏡の前で、剣を構える男性に声をかけようとした。
「だ・・れだ・・・・・」
振り向いたのは妻ではないか・・・・
王子は雷に打たれたような衝撃だった。

なんと美しい。
世の女どもは、きらびやかなドレスに、うるさいばかりの髪飾り
見せびらかすような装飾品を身に付ける。
シンプルな、時代遅れの男装姿だが、輝いて見えた。
王子は、自分用の服を次から次へと着せていく。

男装姿から現れるふくよかな胸、くびれた腰。
はちきれんばかりの太ももから、ヒップ。
男には無い、しなやかなラインが王子の心に衝撃を与えた。
ズボン姿で見る姫は、なんという隠微な姿なのだろう・・・。


王子は再び、姫の虜となってしまった。

15になるその日まで大切に育てられる。
15になったその日、運命が変わる
少女は大人の世界に足を踏み入れるのだろうか?
今日の寝物語は、眠り姫。

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