カメラを片手に

水取や氷の僧の沓の音

今朝の奈良は晴れて放射冷却のため0.9℃と冷え込むも、気温はぐんぐん上昇
気温は15.7℃まで上がりぽかぽか陽気です。
      12時

二月堂南石段横、滝の近くに松尾芭蕉の句碑があるのをご存じですか。
この句は芭蕉翁發句集よりで、
水取やの僧の沓乃音』芭蕉     大正2年(1913年)2月建立 
      2018.2.20

ところが我が家の玄関に掛けている色紙は、野ざらし紀行より
籠りの⇒⇒氷のとなり、どちらも良い響き!?
水取やの僧の沓の音』松尾芭蕉 
「氷の僧」とは東大寺二月堂修二会に参加されている練行衆のこと。
      東大寺別当佐保山堯海 

この練行衆、近年の地球温暖化で暖かくなり過ぎで困ったことがある。
というのも練行衆が身につけることのできるのは、動物性は禁忌で植物か鉱物
とされ、白衣の上に紙衣(かみこ)、重衣、袈裟、修多羅を着用されている。
白衣の上の紙子は漉き和紙に綿の裏地を付けて、袷の着物に仕立てたもので、
和紙の白さは清浄性を表すとともに保温性にも富んだ暖かい衣服にもなる。

ところが五体投地などの激しい行でも破れない程強いが、破れやすくなる
一番の大敵は「汗」、暖かい気温で、韃靼の行など走り回れば多量の汗で、
紙子は柔らかくなり、激しい五体投地の衝撃で当然破れやすくなります。
破れれば暖かくなったが一桁台の気温の堂内、防寒具としての用をなさない。
        奈良東大寺修二会に用いられる法衣(大妻女子大)より
  
この手漉き和紙は宮城県の白石和紙(国産カジノキ)と愛媛県の宇和島泉貨紙
(タイの楮)の二か所だけで、試別火で来年用が造られている。
まず手漉き和紙を揉んで揉み紙にして、絞ちりめんりじわ棒に何回も丁寧に
巻き、上から抑えて縮緬皺を付け、表面に毛羽たたないように寒天が塗られ、
これらを約40 枚張り合わせて反物にし、木綿の裏(晒し木綿)こうねんを付け
て袷に仕立てあげられると。  

奈良の最低気温は明日以降は平年よりも高い日が続きそうで、練行衆の皆様に
は大変でしょうが・・・私にとっては3月下旬の今日の暖かさは嬉しいもの。
近隣公園で「馬酔木」を見れば、東大寺二月堂への猫段の馬酔木を思い出す。  
      

開山堂の庭にある糊こぼし椿を見に行きたくなりました。
四月堂横に水盤の糊こぼし椿も飾られていることでしょう。 

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