午前9時前には昨夜来から降り続いた小雨は上がり、6.0℃と暖かな朝の奈良、
春のジャケットを着て出かけても、最高気温は12.5℃なのに汗もでるくらい。
12時頃の近鉄奈良線の電車内からの眼下に見える大阪の風景
あべのハルカス300m 六甲山系
駅へ向かう遊歩道沿いを歩けば、満開の「ボケ・木瓜」の花が迎えてくれた。
雨上がりの水滴が残る。
そして通りに面する庭先にサクラの花が咲き出す頃に咲くはずが、咲き出した
『ユスラウメ(梅桃、梅桜、桜桃、山桜桃梅)』です。
ウメに似た5弁の白~淡紅色の花が枝いっぱいに咲き、梅雨の初めごろ、直径
1cmほどの真っ赤な小さい実をつけ、食せば薄甘くて酸味が少ないサクランボ
に似ており、おやつ代わりに採って食べた故郷を想いだされる。
『子供来てまた取つてゆくゆすらうめ』 山口青邨
「ユスラウメ」は中国から朝鮮半島原産で、江戸時代初期にはすでに栽培され
ていたようで、「桜桃」と呼ばれていたそうだが・・・、
明治時代になり栽培が始まった「サクランボ・桜桃」 との混同を防ぐため「朱桜」(ユスラウメ)と呼ばれるようになるのだそうだ
この「ユスラ」の語源は諸説あり明確ではない。
①花や枝葉が風で揺れる(ユスルル)ことから
②花や実がたくさんついて揺れることから
③朝鮮語のyisulatを起源とする
今は「桜」と書けばサクラですが、古い漢字「櫻」はユスラウメを指し、
ユスラウメが実っている様子を首飾りを付けた女性に見立てている。
明日香村の旧実家も祖母が亡くなり、行くこともない。
だが庭でまだユスラウメの花が咲いているのかな。
『飛鳥風ゆすらの花の岡べかな』 松瀬青々