読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

垣根涼介著「迷子の王様 君たちに明日はない5」

2016-01-15 | か行
シリーズ第5作の完結編。一時代を築いた優良企業にも、容赦なく不況が襲いかかる。
剛腕リストラ請負人・村上真介の今回のターゲットは、大手家電メーカー、老舗化粧品ブランド、
地域密着型の書店チェーン。
そして、ついには真介の働く会社の社長が会社解散の決断をし真介自身がリストラの対象に・・・。
終始雇用制度が崩れリストラが当たり前になりつつある昨今ついにこのシリーズも最終卷。
真介の今後を含め明るいラストで締めくくられ納得の物語でした。
「世間の常識に沿った意見しか持っていない者、自分の存在や考え方を疑ったことがない者には進歩がない。
変化もない。・・・世の常識と今の自分に暫時寄り添いながらも・・・自分の正しさを、そして自分の常識を常に疑い続ける者だけが、大人になってからも人間的に成長し続けることができる」(P87)
「世の中は変わっていくものでしょう・・・いくら、自分が現状のまま居たいと思っても、その世間との兼ね合いを含めてどうしても状況は変わっていく・・・だからむしろ、その事実を受け止めて今を生きるしかないんだな」(P203)
「未来は常に不確定です。そしてその分だけ、気楽です。つまりぼくたちの今は、死ぬまでずっと連続した、
一つの通過点でしかない。最終結論の場はなく、それは死ぬまで持ち越していくことですね。生き方も含めて」(P204)
2014年5月 新潮社刊

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