読書備忘録

私が読んだ本等の日々の
忘れない為の備忘録です

垣根涼介著『張り込み姫―君たちに明日はない3』

2010-05-29 | か行
シリーズ第三作。企業のリストラを代行する会社日本ヒューマンリアクト㈱に勤める村上真介の仕事は、リストラ請負人クビ切り面接官。
今回も脇役に徹して各編の主人公を浮かび上がらせる展開。
英会話学校のチェーン店の講師のリストラ・・・「ビュ-ティフル・ドリーマー」、
大手旅行代理店のリストラ・・・「やどがりの人生」
自動車ディーラー店の店舗閉鎖に伴うリストラ・・・「みんなの力」、
主人公の28歳の女性編集部員は、スクープ写真を撮るために張り込み、チャンスを辛抱強く待ち構える女・・・写真週刊誌休刊に伴う編集部員のリストラ・・「張り込み姫.」の4編
たとえどんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、真介はこの仕事にやりがいを感じている。
「家族を大事にし愛するだけでは生きられない。息を出来ない。その他に、
自分の情熱を傾けられるようなモノが必要なんです・・・それが自分の仕事なら一番幸せでしょう」。(211P)
「その時々の気持ちに応じて、とりあえずの決断を選んでいく。その次善の選択の集積が、
結果として自分のそれからの人生を形作っていく」
「後悔のない人生なんて、ありません。でも、その時々の信念や気持ちを信じて
行動していけば、後悔はあっても、それでも後を振り返ったとき、納得はできる」(289P)
「明日への鐘は、その階段を登るものが、鳴らすことが出来る。」(4P)
リストラの嵐が絶えない今の社会そんな風潮の中で会社にとっていらない人とは
どんなタイプかを理解し、会社に生き残るヒントが書かれていますが昨今は優秀な人さえリストラに遇う時代です。
「人間にとって、仕事とは何か」を考えるヒントがあると思いました。
2010年1月 新潮社刊

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