日経中編小説賞受賞作
私は、一月ほど前タイのバンコクに旅行した。この本に出てくる
カオサン通り、ナナステーション、シリラート病院、「松亭」のモデルになった日本料理屋、バンコクの渋滞と喧噪、オカマ・レディボーイを体験してきたばかりなので特に面白く読めた。
主人公のトオルは、勤務先がつぶれてしまって、日本にいるのも面倒と流れ着いた先がタイのバンコク。 当座の暮らしを確保するために、パソコン組み立ての知識を生かし、近所のパーツ屋で買った安い部品を組み立てパソコンを自作し売っていたが、仲間ができて一緒にポルノ映像のインターネット配信サービスをやりはじめる。やがて仲間が持ち込んできた自主制作ポルノを流すと、これが世界中で受けして、安いタイの物価の中で贅沢な暮らしを送れるようになった。
そんなある日ヨーゼフというドイツ人が持ち込んできた映像がスナッフビデオ(殺人現場を撮影したもの)だったことから、捜査当局に追われることに。
アメリカのサーバーは当局に抑えられ調査に渡米した仲間も乗っていたフェラーリが半分黒こげになって発見されるが本人は行方知れずになってしまう。トオルはビデオを持ち込んできたヨーゼフを探して追跡を始める。
団塊オヤジ、旅館の美人妻、国際テロリスト、麻薬の売人などが絡んで・・・追跡と逃走と。バンコクという“何でもあり”の場所を舞台に、もはや何処にも見出せなくなったフロンティアが失われた。フロンティアが失われた後の現代の日常というフロンティアを疾走する。
「人類の叡智の向かうべき先にあるフロンティアを失ったとき、人々を怠惰な日常から救うのは、神経刺激としてのポルノか自己放棄の場としてのカルトだけなのか?」。後半は結末を急ぎすぎて物足りないがバンコクが楽しそうなところだと感じさせられる雰囲気がいい都市型冒険小説です。
2008年11月 日本経済新聞出版社 刊
私は、一月ほど前タイのバンコクに旅行した。この本に出てくる
カオサン通り、ナナステーション、シリラート病院、「松亭」のモデルになった日本料理屋、バンコクの渋滞と喧噪、オカマ・レディボーイを体験してきたばかりなので特に面白く読めた。
主人公のトオルは、勤務先がつぶれてしまって、日本にいるのも面倒と流れ着いた先がタイのバンコク。 当座の暮らしを確保するために、パソコン組み立ての知識を生かし、近所のパーツ屋で買った安い部品を組み立てパソコンを自作し売っていたが、仲間ができて一緒にポルノ映像のインターネット配信サービスをやりはじめる。やがて仲間が持ち込んできた自主制作ポルノを流すと、これが世界中で受けして、安いタイの物価の中で贅沢な暮らしを送れるようになった。
そんなある日ヨーゼフというドイツ人が持ち込んできた映像がスナッフビデオ(殺人現場を撮影したもの)だったことから、捜査当局に追われることに。
アメリカのサーバーは当局に抑えられ調査に渡米した仲間も乗っていたフェラーリが半分黒こげになって発見されるが本人は行方知れずになってしまう。トオルはビデオを持ち込んできたヨーゼフを探して追跡を始める。
団塊オヤジ、旅館の美人妻、国際テロリスト、麻薬の売人などが絡んで・・・追跡と逃走と。バンコクという“何でもあり”の場所を舞台に、もはや何処にも見出せなくなったフロンティアが失われた。フロンティアが失われた後の現代の日常というフロンティアを疾走する。
「人類の叡智の向かうべき先にあるフロンティアを失ったとき、人々を怠惰な日常から救うのは、神経刺激としてのポルノか自己放棄の場としてのカルトだけなのか?」。後半は結末を急ぎすぎて物足りないがバンコクが楽しそうなところだと感じさせられる雰囲気がいい都市型冒険小説です。
2008年11月 日本経済新聞出版社 刊
フロンティアナウって、バンコクを舞台にした小説なんですね
私もそういう小説読みたいなと思いました。
勤務先がつぶれたからって
バンコクに行くトオルって
行動力すごいです
言葉も通じないのに。
また来ます