矯正治療と聞いて何を思うだろうか?
歯並びを治す、歯並びをきれいにする、治療費が高い、きれいな歯を抜く、いつから治療したらいいの、という具合だろうか。
矯正治療には、歯を抜く治療と歯を抜かない治療があります。矯正治療において12~15才からの治療開始が最もいいといわれています。それは、抜く歯(第1小臼歯)が生えてくるからです。最近の一般治療では、極力歯を抜かない治療を行っているのに矯正治療になると小さなアゴ(顎)に歯が並ばないからという理由で健全歯を抜歯することは、少々疑問があります。
人間の顔の発育は、2回あります。1回目は、生まれてから6才頃までと2回目は、10才からスタートし、女の子では、14才頃、男の子では17才頃まで成長します。
歯並びが悪くなる原因の多くは、6才までのアゴ(顎)の成長不足なのです。永久歯が生えてくる場所が足りなくなってしまったのです。永久歯の本数が増えるにしたがって歯並びが乱れてしまいます。
成長が足りないまま歯が生えてしまうと歯並びは、ガタガタになってしまいます。正しい成長に追いつくように治療してあげる必要があります。
顔が成長するためには、発育刺激が必要です。
正しい食生活について
1. 正しい姿勢で食事しましょう。
2. 食材を選びましょう。
3. 食卓から水やお茶をなくしてください。
4. 食事は、15分以上かけてリズミカルに噛みましょう。
5. 前歯でかぶりつきましょう。
悪い習慣を治しましょう。
1.口をしっかり閉じましょう。
2.頬づえやアゴ(顎)を押すような癖はやめましょう。
3.指しゃぶり、唇をかむ癖などもやめましょう。
4.舌の位置が低くて下アゴを押している。
5.前歯から舌が出ている、舌をはさんでいる。
治療には、2つの方法があります。
1. 生物学的機能療法(本来の治療)
食事環境を見直す、悪い習慣をやめる。
2. 補助的方法
床装置(取り外し式)
マルチブラケット(固定式の装置)
治療終了の目標
1.10才未満の人は、10才以上までに終わりましょう。
2.10才以上の人は、出来るだけ早く終わりましょう。
3.14~17才以上で成長が終わっている人は、自分で目標を決めてがんばりましょう。
2~3年が目安です。
成長期の人は、「きれいな顔、かっこいい顔になろう!」というのが一番の目標です。
参考資料
床矯正・矯正のしおり:花田 正也 編集 はなだセミナー
床矯正・矯正治療の手引き:鈴木設矢 床矯正研究会編集
歯科診療所として取り組みの第1段として、受け口のための早期初期治療(自費治療)を筋機能訓練装置「ムーシールド」を用いて実施しています。
これは、全国の3才児歯科健康診査で年間約4~5万人(4~5%)が何らかの形で受け口(反対咬合)に該当しています。大抵の場合、「このまま様子を見ましょう。」あるいは、「永久歯が生えるまで様子を見ましょう。」と言われてますが、自然治癒するのは、10%に満たないです。これでは、上のアゴ(顎)の成長不足など顔の成長に課題を残します。また、将来矯正治療を行うにしても困難な治療であったり、苦痛を伴う場合があります。
早めの対応が望ましいと考えています。