約20数年前大学勤務中(当時20代)、恩師より「読んでみなさい」と渡された紙一枚に以下のように書かれていました。当時頭ではわかっていましたが、養生について書かれていますと、西洋医学による教育を受けた小生には、なかなか受け入れることはできませんでした。平成18年3月18日学会場にて恩師にお会いした時、「この紙」の話が話題になりました。今の医学は、まさにこれだということです。
療病の根本
倉敷中央病院名誉院長
遠藤仁郎
昔から一に養生、二に薬といわれる。すべて病気には外からの原因だけでなく、かならず内にある原因、すなわち病気になりやすい素質がある。この素質は、生まれついた性質にもよるが、多くは不自然不合理な日常生活から招かれた体質の変化にもとづくものである。そこで、単に症状や外の原因に対するだけの治療法、ことに薬治だけに頼っていたのでは、とうてい根治するものではない。誤った習慣を打破改善し、合理的な正しい日常生活をうちたてること、すなわち正しい養生法によって、はじめて真の健康はかちえられる。合理的な正しい日常生活とは人穎の本性、環境、境遇、体質(体格、年令、性別、体力)、病状の自然に則した生活ということである(正常自然生活)
太陽・大気・大地に親しむ
衣 服・・・・薄く
住 居・・・・明るく涼しく清潔に
食べ方・・・・粗食、少食、味うすく、よくかむ
下肥や農薬に汚染されたり危険な添加物のない安全良質の純正食品
主食・・・・米よりむしろ雑穀、豆類、芋類が適当
肉(獣鳥魚介)、卵類も主食とみなし、これを食べるときは飯をへら す。
副食・・・・野莱類ことに青野菜類を主とし、ほぽ主食と同じ分量を食べる。す なわち、「めし」を減らし、「おさい」をふやすので、主食と副食 の関係が逆になるくらいが良い。
調理・・・・なるべく簡単に。野菜の煮汁はすてぬ。
生食・・・・なるべく多くの青野菜(ホウレンソウ、フダンソウを除く)を生で食 べ、青汁にして飲む、少なくとも一日二~三合。多いほど良い。
油・・・・・質のよいものを少しづつ、そのまま「めし」や「おさい」に入れ、 青汁にも加える
嗜好品・・・果物類もっとも健康的
茶類・番茶・縁茶。生野茶(熱湯に生の青葉を入れたもの)もよい が、紅茶・コーヒーはあまりよくない。
菓子・酒類は量による、なるべくさける
煙草なるぺくやめる
便通・・・・毎日快く通ずる習慣をつける
姿勢・・・・よく(骨部を後方へつき出し腰を伸ばす)
運動・・・・過不足なく
勤労休養・・体力・病状に応ずる
鍛錬・・・・皮膚、胃腸、呼吸器をきたえる
睡眠・・・・安らかに熟睡、疲労回復するを度とする
心の持ち方・常に明るく元気よく。懺悔、感謝、奉仕、折りの日常
いかによいことでも実行せねば何の役にもたたぬ。
こうさえすればかならず治ると固く信じて疑わず迷わず飽くまで熱心に実行すること。
これが病気を直す根本である。
以上が、「紙一枚」に書かれていた内容です。