本日は横山論文は一休みです。横山論文では柏崎の原発予定地についても調査しています。
今となれば貴重なデータです。
チェルノブイリ事故から25年、20年経過したIAEAの調査報告書を紹介します。
横山論文と合わせて考えても、その動きは同じ傾向で、私の理論的構築の基となっている報告書です。ただし、土壌や降水量、気候条件、作物とその管理など日本と異なることを常に考慮しなければなりません。講義でも使用しています。
本日の新聞記事で表層土壌5cmに高濃度のセシウム137を検出した記事が掲載されました。
そこで、この報告書のセシウムと137とストロンチウム90の挙動を説明します。
ページ33に図が出ています。
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1239_web.pdf
Environmental Consequences
of the Chernobyl Accident
and their Remediation:
Twenty Years of Experienc(IAEA)の調査報告書(2006,4)です。
この報告書には数多くの論文が紹介されていますので、私は最も参考にな
る報告書の一つと思います。
英語で180ページですが、ぜひご覧ください。この中で1987年と2000年のthe Gomel region of Belarusにおけるセシウム137とストロンチウム90の土壌の垂直分布が出ています。
1987年には0~5cmの表層土壌に両核種とも83%蓄積していましたが、2000年にはセシウム137が0~5cmに43%、6~10cmに40%、ストロンチウム90が0~5cmに30%、6~10cmに38%、11~15cmに20%移動しています。
福島でも今のうちに表層土壌からセシウム137やストロンチウム90を除去することが優先されなければなりません。
また、福島県を医療面から調査してきた方からの情報ですが、土壌粒子の飛散を通した放射能汚染の拡散が始まっているとのことです。
前回のブログで述べたように早く対策を行わなければなりません。