「マラリアに倒れ、撤退からはぐれて草むらに潜む大岡の視野に、若い米兵が入ってきた。至近距離、頰の赤さまでわかる。撃てば必ず当たる。無意識に銃の安全装置を外したが、ついに撃たなかった。米兵は視界から去り、大岡はつぶやく。「さて俺はこれでどっかのアメリカの母親に感謝されてもいいわけだ」
英国のジョージ・オーウェルも撃たなかった体験を書いている。
1930年代のスペイン内戦に参加したオーウェルはある日、ズボンを両手でたくし上げながら慌てて走る一人の敵を射程にとらえる。だが引き金を引かなかった。ズボンをたくし上げている人間は私と同じような一個の人間であって、どうしても撃つ気になれなかったと回想している(「スペイン戦争回顧」から)。
これが殺人ロボットだったら――米兵の母は戦死報に泣き、ズボンの男は地に転がっただろうか――と想像してみる。
兵器・武器の人類史をひもとくと、古来よくもこれほどの情熱を、殺戮(さつりく)と破壊に捧げてきたものだと驚かされる。
そうした歴史の中で、AI兵器は、火薬、核兵器に続く「第3の革命」となるおそれが指摘されている。従来の兵器はいかに高性能で強力でも「道具」にすぎなかった。しかしAIは、道具でありながら戦闘行為の「主体」として人間に取って代わる可能性をはらんでいる。
独自の「意思」で敵を認定、攻撃して殺すところまでやってしまう。AI兵器の極めつきの殺人ロボットはまだ開発途上だとされる。しかし米英やロシア、イスラエルなどがしのぎを削っていて、実用化はいずれやってくるだろう。」10/14付け朝日新聞電子版「「自律型致死兵器システム」 思い浮かんだ古い戦場体験」より抜粋
かつてイラク戦争やアフガニスタン戦争の報道ではアメリカ本土に居ながら無人機からイラクの道路を走る自動車を正確に爆撃する場面を何回も見ていますが、これはまだ人間の意思で発射の指示を出していました。しかしこの記事では戦場のロボットが持つAI技術で自律的に判断して発射する殺人ロボットです。人間には残る”躊躇”すらなくしてしまう兵器になるようです。相手もロボットならまだ気が軽いでしょうが、それは単なる戦争ロボットゲーム。
今や狭く感じる地球の表面を円満に譲り合いながら生きて行く智慧を持つのか、原始時代から続く分捕り合戦の知恵のままで殺し合うのか? 行きつく先は分かっている筈なのになぜ「平和憲法」を壊そうとするのでしょうか?
HIT210(4.2kW)の発電データ
10月13日(土)曇り
太陽光発電量 3.4kWh
エネファーム発電量(自動発電) 6.9kWh
W発電量 10.3kWh
売電量 2.7kWh
買電量 3.0kWh
W発電自給率 98.1%
発電設備利用率 8.5%
日照時間 0.0h
連系以来 3348日(9年61日)