白きたおやかな峰新潮社このアイテムの詳細を見る |
著者名 北杜夫 初めて讀んだ年(西暦) 1974
出版社 新潮社 値段 ハードカバーだつたので結構高かつた
お薦め度 : ☆☆☆☆☆
北杜夫がドクターとして參加した、カラコルムのディラン峰遠征登山隊を題材にした小説。
酷しい山に立ち向かふ人間のドラマが、輕妙なタッチながらも抒情的に描かれてゐる。
三島由紀夫がこの本の題名について北杜夫に云つたこと。
「北君、白きといふ文語表現に、たをやかな、は調和していないよ。
たをやかなる、にしたはうが良い」
北杜夫は、もつともだとは思ひながらも、
「たをやかなる」とすると堅い感じがするので、
あえてそのまま「たおやかな」にしたそうな。
私のHP(本館)の名前「白きたおやかな部屋」が
この本の題名のパクリであることは云ふまでもない。
ちなみに、登場人物のひとりに田代といふ關西弁の男がゐる。
これは實はヤマケイで連載されていたエッセイ『何で山登るねん』の作者、
高田直樹さんがモデルなのださうである。
『何で山登るねん』はとても面白い本で、
山男の生態を理解するにはとてもよい入門書(?)である。
こちらもお薦めである。
3分も話せばすぐに納得できます。
もちろん北杜夫氏とディラン登頂隊に参加しており
高田氏の後輩に当たります。
私はてつきり高田直樹さんが「田代」のモデルだと思つてゐました。
ご教示くださり、ありがたうございます!
仙丈
カラコルムを登つた人が山岳部の顧問だとはうらやましいですね。
また、コメント下さつた戸谷さんがもしかするとかとうさんの地學の先生かもしれない?
もしさうだとすると、ネットの世界も狹いといふか、奇遇ですね!
戸谷さんがまたこの記事を讀んでくれるとよいのですが・・・
戸谷さんは素晴らしい先生なんですね。
府立大山岳部の顧問が上田さんということなんでしょうか。
ガソリンでテントを燃やしたという話は時々聞きますが、部室を燃やしたと云うのは・・・
ちなみに私の所属していた高校山岳部でも、ストーブは灯油のスヴェアでした。
プレヒートに時間がかかって面倒だったのを思い出しました(笑)