こじらせ女子ですが、何か?

心臓外科医との婚約を解消して以後、恋愛に臆病になっていた理穂。そんな彼女の前に今度は耳鼻科医の先生が現れて!?

少女漫画という、幸福な時間。

2021年07月09日 | 日記

 

「一度きりの大泉の話」をきっかけに、萩尾望都先生の漫画を順番に読んでみる……ということにしました♪

 

 とはいえ、密林さんに1冊注文して読み終わってからまた他のを注文し……といった感じなので、暫くこの旅は続くのか、それとも途中で挫折するかはわかりません(^^;)

 

 というのも、萩尾先生に関しては「少女漫画の神さま」とか、「天才漫画家」といった言葉によって語られているのは知っていたけれど、読むきっかけみたいなものは、わたしにとってずっと訪れませんでした

 

 そう考えると、なんだか少し不思議だなあ……といった感じもします。小さな時から漫画が好きで、上に兄がいるので、兄が持ってる少年漫画については無差別に読み、少女漫画についてもお年玉のすべてをそれに費やしてしまい、母に怒られたことがあるくらい持ってるほうだったと思うのに――唯一、萩尾先生の漫画にだけはなかなか出会うことがなかったのです。

 

 また、わたし自身それなりに割と漫画を持ってるほうだったと思うのですが、仲のいい友人ふたりがわたしを越えるほどの無類の漫画好きで、恐ろしいほどの数、少女漫画を持っていました。友人Aからは、細川智栄子先生の『王家の紋章』を夏休みに借りてすっかり嵌まった記憶がありますし、家が割と近かったので、10巻分くらい借りたにも関わらず、翌日の午前中には麻薬の切れたジャンキーのように訪ねていって、次の10冊を「早く、早く……!!」とばかり借りていた記憶があります。

 

 このAちゃんには、本当にたくさんの漫画を借りましたし、彼女から『ガラスの仮面』を読ませてもらってなかったとしたら――『スケバン刑事』の中で神恭一郎と速水さんが電話しているという神回について、知ることはなかったかもしれません(だから、『一度きりの大泉の話』の中で、>>「この頃、美内すずえ先生、和田慎二先生などとも知り合っていました」と書いてあるだけで、「おお……っ!!」と、まったくもって魂が震えたものです)。

 

 そして、この頃(わたしが中学生だった頃)からすでに、「王家の紋章」と「ガラスの仮面」は、わたしたちが生きてるうちに終わるんだろうか……みたいなことを話していた記憶があったり(^^;)

 

 また、この中学生だった頃、わたしに少女漫画おけるエロスを教えた漫画家先生がいらっしゃいました。それが篠原千絵先生で、『闇のパープルアイ』は、本当に夢中になって読んでいたと思います。でもこの漫画を貸してくれたのはAちゃんでもMちゃんでもなく……中学二年くらいの頃、それまでそうでもなかったのに、急に親しくなることになったKさんにAちゃんが借りて、「これ、すっごく面白いよ!」と、Aちゃん経由でわたしも読むようになったのでした(ちなみに、篠原千絵先生は竹宮先生の大ファンだそうです)。

 

 ところが、ですね。『闇のパープルアイ』は全12巻でその時すでに完結していたのですが、Kさんは家に遊びにいった時、何故か1冊ずつしか貸してくれないのでした。もちろん普通、こう思うと思います。「だったら、一言「全巻貸して!」と言えばいいだけのことやないけ☆」と……。でも、Aちゃんもわたしも何故かそう言えなくて、遊びにいくたびに1冊しか貸してもらえない――というのが5巻くらいまで来た時だったと思います。「あ~、もう続きが気になるっ!あのさあ、わたし今から本屋いって残りの12巻まで全部買うわ。それで読み終わったら最後まで一気にあんたに貸してあげる」、「えっ、ほんとに!?」……この瞬間、Aちゃんが神さまみたいに見えたのは言うまでもありません。というのも、わたしとAちゃんとの漫画の貸し借りというのは、「持ってけドロボー!」とばかり、一度に何冊でも貸し借りしあうという感じだったので――お互い、そうした種類の欲求不満はほとんど感じたことがなかったのでした。

 

 いえ、『闇のパープルアイ』に関しては、本当にAちゃんに感謝です。しかも彼女は続けて『海の闇、月の影』も購入して、わたしに貸してくださいました。んで、わたしのほうではパープルアイをきっかけに篠原千絵先生が大好きになったので、篠原千絵先生の短編集や『陵子の心霊事件簿』などをその後購入し、彼女に貸したりした記憶があります。。。

 

 そして、もうひとりの漫画持ちMちゃん。彼女からも漫画をいっぱい貸し借りしあいました。その中に、清水玲子先生の『竜の眠る星』という漫画があって――これが、わたしが中学生の時、生まれて初めて漫画を読んで泣いた経験をした本でした

 

 で、ですね。清水玲子先生って、わたしにとってはとーっても不思議な感じのする漫画家先生でした。「こういう発想って、一体どこから思い浮かぶんだろう?」といったような。それで、清水玲子先生の代表作のひとつである『秘密』のガイド本の中で……巻末のほうで萩尾先生と対談されてるんですよね。それでようやく「あーっ!なるほど」とわかることがあったわけですけど、かといってこのことをきっかけに「よし、そいじゃ次、萩尾先生の作品を読でみよう!」とはならなかったんですよね、何故か不思議と(^^;)

 

 ちなみにこの時点で、「残酷な神が支配する」の今の文庫版だったらたぶん、5巻くらいの内容までは職場の方から借りて読んでいました。そしてさらにその後時が経過して、清水玲子先生と萩尾望都先生の対談を読みつつ「素敵、すてき」と喜んでいたにも関わらず――萩尾望都作品とは縁がありませんでした。

 

 いえ、自分でもこのあたり、結構不思議だなーと思ったりしてます。確かにわたし、世代的には萩尾先生や竹宮先生から影響を受けた漫画家さんの作品を読んでるといった世代ではあるのですが(CLAMPさんとか高河ゆんさんとか)、AちゃんもMちゃんも、結構昔の少年・少女漫画を持ってたりしましたし、でもその中に萩尾先生の作品はなく、Mちゃんあたりはもしかしたら持ってたかもしれないのですが、とりあえず本棚で見かけた記憶がありません(ただ、借りなかったにも関わらず、竹宮先生の『スパニッシュ・ハーレム』や『通りすがりに殺したい』といった作品が彼女の本棚にあったのは覚えています。なんで覚えてるのかというと、『通りすがりに殺したい』なんて、素敵なタイトルだなあと思って覚えていたのです。まあ、じゃあなんで借りなかったんだろうと、自分でも不思議なんですけど^^;)

 

 最終的に何を言いたいかというと……「一度きりの大泉の話」を読んでいて、わたしは少女漫画というものに、これまでどれほど幸せにしてもらったろうなあ、本当にその作品のひとつひとつと、その漫画を描いてくださった漫画家先生に「ありがとう」とお礼を言いたい気持ちでいっぱいになったというか。

 

 他の誰でもそうかもしれないんですけど、わたしも少女漫画と聞いて呼び起こされるのは、友達と何十冊もの本を貸し借りしあって色々その感想を夢中で話したという、幸せな記憶のことだけです。

 

 だから、萩尾先生と竹宮先生が「ポーの一族」や「風と木の詩」を描かれていた頃、少女で世代的にドンピシャ☆だった方にとっては――確かに、両先生の間に盗作疑惑や嫉妬といった複雑な問題があったというのは、ショックを受けることだったのかもしれない……といったように思ったんですよね

 

 もちろん、萩尾先生がお書きになっておられたとおり、>>「読者の方も歳を取り、人生体験を乗り越えて成長し、おそらく大人として落ち着いて聞いてくださるのではないかと思ったからです」……といった、そうした部分のほうが大きいとは思うのですが、よく考えたら、わたしが中学時代に大好きだった漫画家先生ふたりが、実は仲よくなかったというか、そうした問題を抱える関係性だった――と、かなりあとになって知るような感じのことなんだろうなと思ったので(^^;)

 

 なんにしても、『11月のギムナジウム』を読んで、今は『10月の少女たち』を読んでいます♪『一度きりの大泉の話』の中に言及のある作品も多いですし、萩尾先生が大泉で暮らしておられた頃の作品なんだなあ……などと感慨深く思いつつ、一作一作、とても大切に読んでおります

 

 それで今――月間フラワーズで、『ポーの一族』の続きをやってますよね。わたし、『ポーの一族』を読んだのもほんのつい最近なわけですが、そのことについても自分を幸福だなと思ったりしてます(笑)。まだ、『春の夢』も『ユニコーン』も『秘密の花園』も読んでないのですが、今は萩尾先生の他の作品を読んでから、最後のほうの楽しみに取っておこうと思っていたり

 

 でも、あれから約40年ですか。もうファンの方も続編やアラン復活については諦めてたんじゃないかな……と思ってたところにもってきて――ですもんね。今から40年も待つことなく続きを読めるわたしはなんという幸せ者なのでしょうか。

 

 たぶん、これからエヴァンゲリオンを初めて見るという方に対して、TVシリーズの頃から見てるファンの方がその人の首を絞めたくなるほどの気持ちを持つのに、それは似た気持ちなんじゃないかと想像したりします(「オレなんかなあっ、エヴァをテレビシリーズの最終回で「何がおめでとうだ、この野郎っ!」とか言ってた世代なんだぞーおっおっ。この幸せ者めえええっ!!」(号泣☆)というやつです^^;)。

 

 なんにしても、また萩尾先生関連について、感想を書きたくなったとしたら、記事にしてみようかなと思ってます♪

 

 それではまた~!!

 

 

 

 

 


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