こじらせ女子ですが、何か?

心臓外科医との婚約を解消して以後、恋愛に臆病になっていた理穂。そんな彼女の前に今度は耳鼻科医の先生が現れて!?

惑星シェイクスピア-【あとがき】-

2024年12月28日 | 惑星シェイクスピア。

 さて、あとがき☆らしいです

 

 とはいえ、第二部の【29】のところに執筆動機と言いますか、そんなご大層なものでないとはいえ、ハムレット王子=レオンの生まれ変わりとして幸せに……的なことを書いたとおり、それがこの長い小説を書くことになった理由だったりします

 

 なので、この小説の大きな欠陥のひとつとして、次のようなことが挙げられるかもしれません。つまり、(わたしの書いた小説の中の)ハムレット王子って、王子さまから一国の王さまになるまでに――こうした種類の冒険戦争小説においては必須と思われる、「あわや命を失うほどの危険」や「大切な仲間を失うといった不幸」など、その他ドキドキハラハラするような、少年から大人の青年に成長するための痛みや代償のようなものをほとんど払うでもなく、ただエスカレーターに乗ったみたいに最終的に王さまになってる……んじゃないかなと、なんとなくそのように思われるわけです

 

 まあ、数え上げると他にも欠点は色々あるものの、ギベルネスの他にもうひとりの主人公として位置すると思われるハムレット王子が、王となるのにそれほど苦労してない――と言いますか、これだけ長く旅するだけでもわたしには大変であるように思われるものの、他のファンタジー小説などでは一般的に将来王さまになったりする主人公はもっといっぱい苦労したり苦悩したりするものなんじゃないかなって思うんですよね(^^;)

 

 これはわたしの中でレオンの生まれ変わり=前回が不幸な終わり方だったので、今度は幸福にしたい……との思いがあり、必要最低限以上の苦労は回避されることになった――という、おそらくはそのあたりに理由があるものと思われます。とはいえ、今度はお母さんとの幸福な繋がりを出来れば持たせてあげたいと思ってたのに、その点についてはストーリーの展開上無理だったり、書きはじめた当初はわたしの中でハムレットとギネビアをくっつける考えはなかったものの、最終的にちょっと男っぽいと言いますか、そうした女性と結ばれたという意味で、そうしたキャラクターの持つ運命のようなものが引き継がれてしまったのかも……と思わなくもありません。

 

 また、この小説タイトル「惑星シェイクスピア」ですが、わたし自身その後あまりシェイクスピアやシェイクスピア作品について学びが進んでなかったり(殴☆)……でも、自分的には「このくらいの浅い理解でちょうど良かったような」と思わなくもありません。何故かというと、もし仮にわたしがシェイクスピア作品についてすべて読破したり舞台見たりして、少しくらい詳しくなったとした場合、なんというか「あれもこれもそれも設定として盛りこもう」みたいになってしまい、今度はむしろどこを削るかとか、登場人物はとにかくシェイクスピア劇の誰かしらと関連づけたほうがいいのではないか――などなど、結局のところ収拾がつかなかったんじゃないかなって思うんですよね(^^;)

 

 なので、このくらい「浅い」程度の理解で(アホな☆)わたしが書く分にはちょうど良かったのですが(笑)、それでも「シェイクスピア作品の面白さ」についてはわかったので、また機会があればシェイクスピアの他の作品なども読んだり見たりしたいとは思っていたり

 

 それはさておき、他に何を書けばいいやら(@_@;)……本当は主要登場人物について、順に短く数行書いたりできるといいかもなのですが、ちょっと長くなる&誰かひとりかふたり忘れそうな気がするため、他のどーでもいいことでもと思いますm(_ _)m

 

 ギベルネスとクローディアが最後再び結ばれる――というのは、ある程度最初から決まっていたんですけど、クローディアをジャーナリストとか作家にする……という考えは実はわたしの中にはなかったんですよねなのに、何故ああした設定になったのかというと、わたしの中で他に手がなかったからなのです

 

 クローディア・リメスは惑星ロッシーニに再び戻ってレジスタンスの兵士として戦った――というのも何やら説明が長くなって面倒でしょうし、となると、「ペンは剣よりも強し」として戦った、としたほうが、説明が短くて楽だな~と思ったというのがあり(殴☆)。

 他に、連想的なイメージとしては、アンナ・ポリトコフスカヤさんのことがあったかもしれません。アンナさんはチェチェン戦争について現地の人々の言葉を新聞の記事や著書などで訴え続け、他にもたくさんいる「チェチェンで何が起きているか」という真実を伝えようとしたジャーナリストの人々と同じく、暗殺されたのだろうと言われています。アンナさんの亡くなったのは2006年のことですが、確かこのくらいの時ってまだ今と違ってロシアでもプーチン人気が凄かった頃のことでした(支持率が80%とかニュースでやっていて、笑ってしまいました。間違いなくある程度の「情報操作」がないと叩き出されない数字と思うので、そのことを鋭く指摘する人もいないらしいというのが何より驚きでした)。でもすでにアンナさんは「わたしはプーチンが嫌いだ」と自著に書いておられましたし、現在のプーチン大統領の本性のようなものというのは、当時すでに彼女が見抜いていた通りのものだったということが、今となってはよくわかります。

 

 チェチェン戦争というのは国際社会に無視された戦争であり(つまり、広い宇宙の中でふたつの惑星が戦争している程度のことでは、他の惑星に住む人々の注目まで集めるのは難しい。そこでクローディアは自分の書いた記事を通して彼女なりに懸命に真実を伝え続けようとしたのだと思います)、わたし自身はプーチン大統領はおそらく「ウクライナを第二のチェチェンにしても国際社会は同じように沈黙を守り、本当の意味では動かないだろう」と勘違いしてしまったのではないかと想像しています。チェチェン戦争については、今のウクライナ戦争の時のようには、まったく同じように苦しんでいる人々がいても「どこか遠くの国でそんな戦争になってるらしい」くらいな感覚で、自分たちに火の粉が降りかからなければそれでいい……といったような、対岸の火事にも近い形でしか受け取られなかったのではないかと思います。

 

 とはいえ、わたしもこのあたりのことについて知ったのは、チェチェン紛争が一応は終結したように言われてかなり経った頃のことでしたし、そうしたことを知るきっかけを与えてくれたのが、他でもないアンナ・ポリトコフスカヤさんの「チェチェン~やめられない戦争~」という本によってでした(そしてこれが今は形を変えて「ウクライナ~やめられない戦争~」になってしまったのではないでしょうか)。

 

 まさしく「ペンは剣よりも強し」で、クローディアがジャーナリストとして全宇宙に平和を訴えるのに使ったのが、アンナ・ポリトコフスカヤさんと同じ手段だった……といったような意味で、一部分アンナさんの生き方がモデルになっているような気がします(まあ、なんとも恐れ多いことなので、わざわざ書かないほうがいいような気はするものの^^;)。

 それで、ギベルネスが何故美容整形外科医かというと……「誓い~チェチェンの戦火を生きたひとりの医師の物語~」という本がありまして、本を書かれたお医者さんが美容整形外科医だったのです。著者のハッサン・バイエフさんはイスラム教徒なので、現地で戦争を経験した側、イスラム教徒の方側の意見について、深く知ることの出来る一冊だったと思います

 

 最初、ギベルネスをなんのお医者さんにしたらいいかと思ったのですが、脳外科医、心臓外科医、整形外科医、内科医、その他……ちょっとピンと来なかったというのと、設定的に内科医や整形外科医にしてしまうと、行く先々でほとんど簡易の診療所みたいになってるというのがあるんじゃないかという気がして、それで美容整形外科医になったわけです。その~、正直美容外科医って、なんとなくイメージ悪いじゃないですか頬骨削ったり、鼻を高くしたり、脂肪吸引したり、豊胸手術をしたりして大金を稼いでる的な……でも、ハッサン・バイエフさんが美容整形外科医をしている記述を読んで、「いい加減な手術をして金を稼ぐ悪徳美容外科医」的なイメージが払拭されまして、プロとして真心を込めて美容外科医の仕事をされている方もたくさんいらっしゃるんだろうなと思ったわけです。

 

 まあ、この点はよく考えたら「そりゃそうやがな」って話なのですが、一応美容整形外科医ということにしてしまったので、アメリカの美容整形の病院が舞台のドキュメンタリーを少し見てみたりもしました。日本や韓国などでも、こういう人生ドラマがあって美容整形を決意した、そして手術してこんなふうに変わった――というテレビ番組があると思うのですが、こちらもドキュメンタリーとしてとても面白かったです。何より、お医者さんが美容整形外科医として研鑽を積み、自身の技術にプロとして誇りを持っていたり、カウンセリングの時の誠実な態度などが割と参考(?)になったような気がします。

 

 なんにしても、あとがき☆とも呼べないような話が長くなってしまいましたが(汗)、出てくるキャラクターについてはそれぞれ愛着があり、書いていて本当に楽しかったです

 

 次は、22世紀くらいの社会を舞台に、「ヒューマノイド当てクイズ」に参加することになった主人公のお話でも書こうかなと思っていたりつまり、アンドロイドが当たり前のようにいる社会になったものの、それでも彼/彼女たちはまだ近くでよく見たり、あるいは少し話をすれば「アンドロイドであることがわかる」くらいな感じなんですよね。でも、それを限りなく人間に近く、わかりづらくした完成品について、先に本物の人間が「見抜けるかどうか」をテストする――みたいな場所に招待された主人公が出かけていったところ、殺人事件が起きる……といったようなお話になる予定です

 

 まあ、書いてみないと話がどう転がるかわからないものの、こうなると今まで読んでいた中世とか騎士道についての本とか、一旦ストップして、他の本を色々読まなければならないものの――今読んでる本も面白いし、また再びファンタジー系のお話を書く時には、もう一度こちらの世界へ戻ってきたいとは思っています

 

 それではまた~!!

 

 

 

 


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