大阪・京橋 カンタービレ声楽教室のブログ

レッスンの話題を中心に書いています。

月の森に、カミよ眠れ

2015年05月17日 | 日記
マニフィカ カンタービレ声楽教室



ちょっと前にブログで取り上げた上橋菜穂子さんの作品、「鹿の王」が2014年の本屋大賞に輝いたようで、関係ない私が「そうであろう、そうであろう!」となぜか気分が良くなるという(笑)



と、そんな彼女の初期のお話をご紹介します。

「月の森に、カミよ眠れ」

守り人シリーズに始まり、獣の奏者ときて洗いざらい読んでやる~っと買ったはいいけど、今日まで読まなかったこの作品(爆)

娘を連れて主人が出かけてくれたので今日読みました。



も~、読んだ後、落ち込むやらざわめくやら、号泣なんてしませんが、じわ~っと涙が湧いてきます。

で、結局私はこういう話に自然と惹かれるんだなと思ったんですが、これも宮崎駿作品と通じるところがあって、おそらく一緒に読むとそれぞれのお話の理解が深まると思います。

人が生きていく上で文化というか、文明や進歩が共にあるのは必然だし必要なんだろうけど、人が生きている土台というか、生きている「場所」って物を忘れたら…、そこから離れたら…、とかそういうことを考えてしまいます。

私は町で生まれた子供だし、大の虫嫌いという人間で、大いに今の生活から恩恵を受けているし、たられば話なので現実的に比べられる物ではありませんが、もし仮に縄文時代や弥生時代のように小さなコミュニティーで自然の中で生きていたら…

良い悪いの問題ではなく、この今の生活の為に人が失った物ってあるんだろう、あるんだなということやその大きさを考えさせられる一冊でした。

それと、こういう言い方がいいのか悪いのか分からないけど、「人」が「母を失う」という感じもして、切なさや悲しさもすごく味わいました。

話は反れるようで反れているつもりはないんですが、娘がお花や虫、土とか、「温かい」物が好きというか、近いんですよね。

娘はまだまだ「動物」でちゃんと何かと繋がっているんだなと感じる訳でして。

その辺のちっちゃなお花でいいので、見つめてみるのもいいかもしれないなぁ。。。



それと思ったんですが、これが2作品目って、やっぱりすごい作品を書く人は最初からすごいんだな~と関心しました。

縦と横の絡まり合いは最近の作品の方が登場する舞台が大きいだけにすごい奥行きは拡がっていますが、元々持っていらっしゃる世界観は最初から素晴らしい。

表に出る分ってよくてせいぜい30%かなと思う私ですので、この人の頭の中の世界はいったいどんなんなんだろうと感心するばかりです!

は~、心を揺さぶる作品に出会えて幸せだ~!!


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