スーパーパントマイムシアターSOUKI ブログ

「銀河鉄道の夜 Gray ticket, Green ticket」ご来場ありがとうございました。

灰色の街

2019-03-26 23:36:33 | 写真館

最後の作品です。

出演

江ノ上陽一

タバコを吸いながら、空き缶を探しリアカーを引く一人の男。

集めた大量の空き缶を知り合いの業者に渡し、現金をもらう。

どうやら思ったより少ない金額だったようだ。

もう少し何とか、、、ならないか。

タバコを恵んでもらい、吸いながらリアカーを引き帰っていく男。

 

病院の椅子に一人座る男、呼ばれ薬をもらう男。

なんとかお金を払い、大事そうにポケットに仕舞う。

 

夜のコンビニ。

今日は弁当も捨てられていないようだ。

帰ってきた住処から聞こえる咳き込む声。

急いで中に入り、抱き起こし、背中を擦る。

 

この相手が男にとってどんな関係がある人なのか、、、

とても深く、大事に想う相手であることはわかる。

水を汲みに外へ走り、もらってきた薬を飲ませる。

相手を寝かせた後、一人外へ出て、星空の広がる下、拾ったたばこを吸う男。

 

 

今日も空き缶を拾いリアカーを引く男。

今回はコンビニで弁当をいくつか見つけたようだ。

家に持ち帰り、弁当を見つけたことを伝えようとするが寝ていて起きないようだ。

起こさないように自分だけ弁当を食べているが、、、、何かがおかしい。

寝ている相手にてをかけると、、すごい熱。

起きてくれない相手をリアカーに乗せ、病院を探す男。

どの病院も相手をしてくれない。

 

男は行く場所もなくなり、リアカーを引き続ける。

 

夜も開ける頃、たどり着いた海岸。

リアカーに乗せた相手の命は、、消えていた。

相手を抱きかかえ、砂浜で海を眺める男。

やがて男は命の消えた相手を抱きかかえたまま海へ入っていく。

そしてその姿を海に流す男。

浜に戻った男は涙を拭い、タバコを吸おうとするが、水で濡れて火がつかない。

タバコを投げ捨てる。

 

ひとり、男は星空を見上げ、何を想うのか。