今回初めてブログを書かせていただきます。
SOUKIさんとの関わりは2006年・全労済ホールでの
「銀河鉄道の夜」だったと思います。
あの頃は仕事を始めて間もない頃で、
音響アシスタントとして参加したのですが、
自分自身が小劇場しか経験がなく素人同然と
言ってもいいような状態でしたので、
SOUKIの規模の大きさに驚いたものでした。
その後、田原町ライブや地方公演を経て、
2008年の「Let’s Go Hell」(今はなき青山円形劇場!)で
前任者から引き継いで音響をオペレーターを担当して今に至ります。
さて、前置きはこのくらいにして、
今回は先日開催されたSOUKI本公演「BreakThru」で使った
効果音について書こうと思います。
取り上げる効果音は「ドア・ノッカー」です!
ドア・ノッカーは金子さんの作品「指示の多い料理店」で使用しました。
なぜこの2つを選んだかというと、リアルさを補完するために
pitchという塩コショウを振りまいたからです。
pitchとは音の高さのことですね。
ドア・ノッカーは計5回使われていますが、
実は全部同じ音を使っており、
それを金子さんの動きに合わせて1回ずつ再生してました。
5回のうち最初の2回は同じ音でも問題なかったのですが、
後半の3回連続で叩かれるところではなんとなく違和感がありました。
現実では叩く加減がまったく同じにはなることは少ないですから、
微妙に違う音になるはずでそれをどう表現するかで
違和感がなくなっていくというお話です。
作品中の該当箇所ではやや派手目な音楽が背景使われており、
強弱による変化だと音楽に埋もれてしまう可能性があったので、
3回連続で叩く箇所のうち1回目と3回目のpitchを
気づかれない程度に下げて使用しました。
気づかれる程度だと「同じだけど微妙に違う音」にはならないんですね。
現実のドア・ノッカーの条件からすれば、
音の高さがころころ変わるのは明らかにおかしいですし。
(ファンタジー要素を求めるなら面白いですが)
ドア・ノッカーではこんな風にリアルさを追求しましたが、
どのような音がリアルなのかは条件によって変わってきます。
その条件に合わせるのは意外と手間が掛かるということですね。
長々と書いてきましたが、誰も気にしてないことを
こだわるのがスタッフという生き物であるということが伝わればと思います。
ではでは!
また劇場でお待ちしてます‼