ハエトリソウの生存戦略
NHKEテレから放送されていた『植物に学ぶ生存戦略』が、新作として登場した。
MCは前作と同じく俳優の山田孝之さんだが、相手役が林田理沙アナウサーから、お笑いタレントの林田京平さんに交代している。
この番組、ふざけているようだが、日本植物学会特別賞を受賞したなかなかのものである。そのせいか、交代した京平さんは、同じ林田姓ということだけでなく、筑波大学生命環境学群生物資源学類卒業のキャリアーを持っていることから選ばれたのではないかと推測する。
昨日取り上げられたハエトリソウもなかなか面白かった。
ハエトリソウは食虫植物で、葉っぱに虫が止まると素早く葉を閉じて捕まえてしまう。閉じる速さは0.3秒だそうである。
葉の表面には感覚毛という突起があって、これに虫がさわると葉が閉じるようになっている。ただし、30秒以内に2回さわることが必要である。
これは重要な生存戦略で、雨滴やごみがさわるたびに葉を閉じると無駄なエネルギーを消費することになる。葉の上を活発に動く虫は30秒以内に2回さわるということである。
山田さんは、感覚毛に何かが触れると葉のカルシウム濃度が高まり、30秒以内に2回目のタッチがあるとその濃度が閾値を超えて閉じる機構が働きだすことを、日本の研究者が発見したと教えてくれた。1回さわって30秒経つとカルシウム濃度が低下してしまうのだ。
ここからがこの番組の特別講義である。
掘りごたつに男女が向かい合って座っている。女性は男性に思いを寄せているが、男性の気持ちを推し量りかねて、愛のモーションをかけるのを躊躇している。
男性の足が女性の足に触れる。1回だけでは偶然そうなったかもしれないが、30秒以内に2回目のタッチがあれば、これは男性にその気があると判断しても間違いない。
山田さんはこのことを「掘りごたつ30秒以内2回タッチの法則」と呼んだ。
ここまで読んだあなたは、向学心が非常に高い方だとわたしは思う。
STOP WAR!