R&Rf Blog "The Ladder To The Stars"

ミニチュア製作を中心に日々感じたことをランダムに綴っていきます。

吉田拓郎 「Ah-面白かった」 (Takuro Yoshida Last Album “Ah I enjoyed it”)

2022-08-11 | 音楽

 吉田拓郎が第一線から退いた。

 彼と一回り違う我々の世代は大なり小なり彼の音楽に影響を受けてきた。自分はその中でも最後まで一度も欠かさず新譜を買い続けてきたファンのひとりだ。

 彼を語る場合フォークで語られることが多いが、新譜を買い続けてきた私から見るとそうではない。デビューのマークⅡからリアルタイムで聴き続けてきたが、特に多感期の十代に出会った事もありその楽曲の解放感によることが大きい。「結婚しようよ」を最初に聞いた時の感激は今でも忘れられない。それまでの日本歌謡界にはない軽快さや解放感を感じたものだ。それにボーカルも特別うまいわけでもなく、ただメロディラインは当時としては斬新だった。技巧に凝るわけでもなくやはりベースにR&Bがあるせいか構成が無骨ながらしっかりしていた印象がある。多感な十代から60代の現在まで聴き続けてきた。そしてラストアルバムである。感慨深いが。こういう終わり方に納得している。

楽曲を聞いた途端にレコードを買いたくなるミュージシャンやアーチストはこれまで何度もいるが、彼もその一人である。

 彼が日本音楽史に残した影響は計り知れないものがある。色んな誤解も生んだであろうが、自分の意志で決めて実行していく。それはこの団塊の世代にありがちな考えだがそれを実行し続けてきたことに意味がある。ツアーや単独野外コンサートなど時代の必然もあるかもしれない。しかしパイオニアであることに敬意を表する。編曲の重要性をレコード会社に提言したのも彼だったと記憶している。

 今や高齢化社会であり天皇ですら攘夷する時代である。本人が引き際を決め実行する。それはまさにコンテンポラリーとも言える。

 お疲れ様でした。そしてありがとうございました。

 

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光の帝国 ~ レイト・フォー・ザ・スカイ

2010-07-25 | 音楽

夏到来!!! というか梅雨明け早々から猛暑日続きというのも勘弁してほしい。

久々に早朝の散歩をしてみても、明け方の涼しさの向こうに見える青空は、今日も暑くなりまっせ、と語りかけてくるようだ。

大好きなベルギーの画家ルネ・マグリットの代表作「光の帝国」風の青空だったのでシャッターを押してみた。

― 相反するものがぶつかることから詩が生まれる ―

「光の帝国」は自分にとっては希望の絵、今立っている位置が夜だとしても青空を信じている。そういうポジティブな気持ちになれる。

 


マグリットのこの「光の帝国」をモチーフにしたレコードジャケットがある。ウエストコーストのシンガーソングライター、ジャクソン・ブラウンの名盤「レイト・フォー・ザ・スカイ」(
’74)である。ここに収められた楽曲はまさに失意や空虚感を歌いながらも絶望的にはならず未来への希望や決意を秘めている。このアルバムは若い頃にはすりきれるほど聴き倒した。ジャケットデザインはそのままマグリットのパクリともいえるが、手前のシボレーのシルエットがなんとも言えずいい感じ。自分はこのアルバムをきっかけにアメ車が好きになった。







レイト・フォー・ザ・スカイ

ジャクソン・ブラウン
ワーナーミュージックジャパン
 
 
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マイケル・ジャクソンの憂鬱 (Michael Jackson's Blues)

2010-06-25 | 音楽

マイケル・ジャクソンの1周忌に思うこと。ジャクソン5の頃から彼の音楽はリアルタイムで聞いてきた。決して熱烈なファンではなかったが、確かに彼は天才だったと思う。しかし「This Is It」という映画には失望した。メイキングは本編あってのこと。この映画は本編のないメイキング。見終わった後にはカタルシスどころかフラストレーションしか残らなかった。「ヒール・ザ・ワールド」のビデオ・クリップだけで充分だった。彼にはやはりどうしても完成されたものを求めてしまう。彼の音楽の魅力はそこにあると思うから。

ファン心理はわからないでもないが、完成作品以外の部分でも商品になる強烈なキャラクターが彼の栄光をサポートし悲劇も生み出してきた。まさにキング・オブ・“ポップ”

 

最後にボブ・ディランのシニカルな言葉 「ファンというのは消費者なんだよ」

 

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