去年の暮れに高校時代の友人と30年ぶりの再会を果たし旧交を温めた。親友というものはいいもので瞬時に昔に戻れる。特に彼の場合は自分と感覚が似ているのかすべてを語らずとも気持ちをわかってくれるのでなおさら居心地がいい。当ブログを初めて見てくれてその中で数点気に入ったものを選んでくれたが、多くを語らずともこちらの意図したところを的確に言い当ててくれた。
当ブログは製作したものすべてを載せているわけではない。その時の気分次第なので、アップしていない作品も多くある。今回紹介するのは2年前に製作したネロオリジナルの「独房王」(THE COOLER KING) これは私の尊敬する岩坂さんの造形である。言わずと知れたあの映画がモチーフになっている。その造形の素晴らしさからジオラマというよりヴィネットで仕上げようと思った。地面の台座と足元の鉄線を加えることでそのフィギュアの視線から高い鉄条網を容易に想像することができる。鉄条網はこのヴィネットを見る人それぞれが自由に想像するのである。
素晴らしいフィギュアなればこそ、造形を活かしその空間を活かすことも製作の醍醐味だともいえる。
かの友人はこの写真を見せただけですぐにその意図を理解してくれた。
親友っていいもんだね。
遅ればせながら今年もよろしくお願いします。