R&Rf Blog "The Ladder To The Stars"

ミニチュア製作を中心に日々感じたことをランダムに綴っていきます。

昭和残侠伝 1/12フィギュア その2(着流し)

2020-06-24 | 製作

 前回のフィギュアを作っている最中に、殴り込み前の道行きのフィギュアの希望があったので急きょ並行して着流し姿を作り始めた。健さんは体格も着こなしも理想的なのでうまくできるか自信はなかったが何とか形にはなったのではないかと思う。

 「昭和残侠伝」シリーズでは準レギュラーの池部良が殴り込みに同行する毎回のシーン。テーマ曲が流れ否が応でも盛り上がるところ。前作の唐獅子牡丹バージョンほど見た目に派手さはないが、それだけに誤魔化しのきかない造形となった。わずかなドレープと着崩した感じ。かなり面倒だったが着物の縞小紋も入れてみた。そして帯のラインで全体を引き締めた。思えばこの角帯は博多織なんだろうなぁ。

 今回の造形で新たに挑戦したことといえば着物の襟の部分。通常だと体はそのまま一体型抜きするところだが、襟の部分だけ別パーツにして襟の中が覗けるような立体的な構造にしてある。これは塗装しながら組み立てないといけないのでかなり変則的な構造になっている。覗いてみるとさらしを巻いているのがわかる。少し新しいことにも挑戦してみたかった。

 鞘付きのドスを左手に持たせたが、右手に刀袋を持たせたバージョンも作ってみた。
 今回は着物の色に悩んで取り敢えず青系(ミデイアムブルー)とグレー系の2種を試した。

 これだけでも十分と思ったがせっかく唐獅子牡丹の絵を描いたので、台座にさりげなく唐獅子牡丹の筋彫りを配してみた。 これらの連作はまさにコロナ自粛のステイホームの期間に製作したものだった。

  思えば無口でクールなそれでいてアクションに長けているヒーローのイメージは昭和に育った我々が憧れたものだった。それはマックイーンやイーストウッド、健さんに共通のもので映画のクライマックスでは観る者それぞれの鬱屈した日常を発散するものだったのかもしれない。人々がまだ素直でひねくれていなかった良き時代。自分は今でもそこに価値基準を置いている。

      

 

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昭和残侠伝 1/12フィギュア その1(唐獅子牡丹)

2020-06-21 | 製作

 かねてから作ってみたいと思っていた健さんの唐獅子牡丹のフィギュア。

バブル崩壊後ミレニアムの一時期あたりから去りゆく昭和を懐かしむようにフィギュアの世界でも昭和ブームが相次いだが自身はそういった一連の作品に素晴らしいとは思いながらもノスタルジアとしての昭和そのものには製作の食指は動かなかった。

昭和33年生の自分は任侠映画時代の健さんをリアルタイムでは知らない。封切りで観た作品は「八甲田山」や「幸せの黄色いハンカチ」からである。高倉健の代名詞である寡黙さや義理人情のイメージを作ったのがこの「昭和残侠客伝」シリーズであろう。このシリーズはワンパターンでありながら中学高校時代に影響を受けたマカロニウエスタンやカンフー映画の根底に流れているものの源流がある。我慢に我慢を重ねて最後に爆発するカタルシスを体現できる。娯楽映画の醍醐味のひとつである。

 ということでこのフィギュアを作ってみようとかなり前から思っていたがそのころはまだ技術が伴わないことはわかっていたのでその時期を待っているうちに時代は令和になってしまっていた。このコロナの自粛の時期にやっと取り掛かった次第である。久々に気合が入っていたせいか1/12サイズにした。

製作にあたってだいたいのイメージはあったが、いざ作るとなると上半身をはだけた着物の造形に苦心した。それは着物が正絹だからか撮影上綺麗になるための演出なのかわからないが上半身をはだけながらも綺麗にまとまっている。多少の矛盾はあるかもしれないがこのようにまとめてみた。また着物の小紋の縞柄も邪魔にならない程度にデカールで表現してみた。唐獅子や牡丹の入れ墨もデカールで表現。これらの図柄は手書きで下絵を描いて原稿を作った。このデカール印刷直後、酷使のせいかプリンタが故障して多色刷り印刷が出来なくなってしまった。ドスはあまりに薄くしかもレジン製なので倒れたらすぐ破損してしまうので刀身に細い鋼線(スチール弦)を仕込んで。なおかつ台座を設けて倒れないようにした。(表題の写真のみ日本刀バージョン)

  このように苦心しながら完成にこじつけた。これはひとえに友人のI氏の応援あっての事。これほど短期間でスムーズに完成したのは彼のおかげである。これと並行して第二弾も製作したがそれは次回にて。

    

 

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