荒野の七人("Magnificent Seven" 1960)でのマックイーンが山賊を追撃するシーンがモチーフ。「大脱走」にしても「荒野の七人」にしても限られた出番の中で印象的なシーンを演じられるのはまさにスーパースターの資質を証明するものだろう。かつて村上春樹はマックイーンをオーバーアクトのない俳優と評したが、オーバーアクトがそういうふうに見えないというのが正しい解釈ではなかろうか。
馬を作るのは初めてだったので骨格からいろいろリサーチした。1/24といっても馬の元の正確な大きさがわからないから、いちばん悩んだのは大きさを決めることだった。造形としては躍動感を出すのを最優先とした。宙に浮いている感じにしたくて当初は透明のアクリル棒を支柱として腹にさして浮かせてみたが、まるでメリーゴーラウンドみたいで即刻ボツ!試行錯誤のすえ今の形になった。支点が細い後脚ひとつなので強度を出すため太腿から台座までステンレスの丸棒が仕込んである。手綱のストラップは先ず革紐の細いのにしてみたがあまりに調和がとれなくてレジン製にした。
何でもそうだが、やってみて初めて分かることがある。しかしモノ創りにおいてはそういう過程がいちばん楽しい。(SSS PROJECT #5)