絵画指導 菅野公夫のブログ

大好きな絵とともに生きてます

個性とは?

2009-08-01 | 絵のこと
個性とは、何だろう?

ちょっと考えてみたい。

  「他の人にはない、その人の特徴」ということかな?

どこから、語ったらいいかなと考えている。

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私は、今まで一度も見たことのない絵を見て、それはセザンヌの絵だと言ったら、当たってしまった。それを当てた時、周りにいた人が驚いた。どうしてわかるの?と。そして、すごいねと言われた。

しかし、凄いのは私ではない。セザンヌが凄いのだ。その絵がセザンヌの絵になっていることだ。しかし、どうしてそうなるのか、それは、セザンヌの個性が絵に入っているからだろう。

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ピカソがいくら上手な絵を描いても、ラファエロみたいだと言われて、それがピカソの絵だといわれないことに不満であった。それは、ピカソが描いたのに、ラファエロの絵であって、ピカソの絵ではないという意味である。自分で描いていながら自分の絵ではない。そんな馬鹿なと思う。個性が出ないと、その人の絵だとは言われない。

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画家にとって、個性とはそういう意味では重要である。

しかし、今の時代、絵画はほとんどのスタイルをやりつくされ、どのように描いても結局どこかの誰かがやったことの焼き直しみたいで、本当にその人独自の個性が出るような絵が描けるだろうかと、思ったりする。

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印象派の画家、モネ、ピサロ、シスレーの絵を見ると、それ以前のサロンの黒い絵と比べたら、明るさも色も全く違うので、個性が出ているといえるが、それは、印象派という特徴であって、この三人を比べてみると、違いがわからない。
私は、この三人の絵は絵の特徴で区別があまりつかない。
ピサロが少し細かいタッチが目立つとか、シスレーは構図に問題があるのに気にしないで描いているとかを感じるが、ほとんど変わらないので、見たことがない絵を問われたら、間違うだろうと思う。

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しかし、後期印象派の画家、ゴッホ、セザンヌ、ゴーギャンになると、その違いは歴然としている。それぞれ、個性がはっきりしている。

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印象派以前の絵画は、何々派という特徴はあるが、同じ派の中の区別は見わけがつかないのではないかと思ったりする。

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だから、はっきり個人としての、個性が出てきたのは、後期印象派あたりからだろうか。もしそうなら、画家にとっての個性の問題は比較的新しいのかもしれない。

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そうか、考えてみると、昔は徒弟制度だった。先生が描く絵をそっくりそのままの技法で描けるようになると、一人前だから、みんな先生と同じ絵を描いた。だから、先生の個性をコピーをしているので、それぞれの個性にならないのか。
そうだ、だから、派の特徴はあるが、同じものがたくさんできるために、個性ではないのだ。

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では、その徒弟制度でなくなり画家が個人として存在するようになったから、個性が問題になったのかもしれない。

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ピカソは自分独自のものを求めた。求めてもがき、見つけて周った。

しかし、人と違えばいいのかという問題はある。

人と同じでは個性とは言わない。それはわかる。では、とにかく違えばいいのか。

そのときに、違うことが上辺だけのものなのか、本質的なものなのかという問題を考える。

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見せかけでも、個性か?それは、先に述べたセザンヌという個性を考えた時、絵の中にきちんと出る個性にはならないだろうと、漠然と思う。

アイデンティティという言葉があるが、きちんとした本物でないと、その自己統一性は出てこないのではないかと思うのだ。

というのは、見せかけの場合、すぐに飽きる。そうすると、簡単に変えたくなってしまう。だから、個性がいろいろ違ったものになってしまう。それでは見たこともない絵が同じ人のものであることに気づけない。

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ピカソはあれだけ、スタイルを変えたのに、やはりどこかピカソなのである。
それは、私がピカソをいろいろ知ってしまったからだろうか?

それとも、ピカソという個性が一貫したものとしてあるのだろうか。

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ピカソを考えるとき、私は、その反対側にジャコメッティを考える。
ジャコメッティは、ピカソとは違って個性なんて考えなかったように思う。
それなのに、実に個性的である。
本人は、見たものをとにかく見えるように画面に実現しているだけだという。見えるとおりに描きたいということにおいては、印象派と考え方は同じだ。
そうすると、印象派と同じように見わけがつかなくなってもいいように思う。しかし、ジャコメッティの絵は、誰が見ても、わかる。

そのくらい、我々が普通に考える見える通りとは、全く違うものになっている。

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これは、書いていると、膨大なものになりそうなので、続きは、また、。そろそろお昼なので。





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