杉森神社の物語(令和編)東広島市河内町~癒しの風景

田舎で0から宮司をやってみたかったんです。好んで信じて楽しみながら奉仕をしています。

3月の日記13 日本の疫病の歴史と信仰その4

2020-03-13 17:51:00 | 神職・宮司なるためのコーナー

3月13日

ご朱印参拝、愛知県からでした

↓はマヒワ?

 

「日本の疫病の歴史と信仰」その4

今日は広島県内における疫病に対する信仰についてみていく。

以下が、『広島県神社誌』によって判明した疫病流行によって勧請または創祀された神社である。御祭神は、備後風土記の記述に由来するため、素戔嗚尊が多く、旧備後地域に多いものの、大己貴神、少名毘古那神、伊弉諾命、伊弉冉命、八十禍津日命、八幡神、菅原神、八衢比古神、八衢比女神、久名戸神と多数となっていた。疫病そのものを祀る神社もあった。

祭祀の特徴は、流行が起きたことから祭神を祀るということであり、その結果、疫病退散となっていく。

 

広島の疫病にかかわる神社

疫神社 福山市瀬戸町 大己貴神

須佐能表神社 福山市駅家町 須佐能表神 長享2年(1488)疫病流行し、勧請

木野山神社 福山市加茂町 素盞嗚尊 明治12年疫病流行、勧請

木野山神社 福山市木之庄町 素盞嗚尊、大己貴命、大山祇命 寛政2年疫病流行、勧請

素盞嗚神社 福山市新市町 素盞嗚尊、稲田姫命、八王子命、摂末社に蘇民神社(蘇民将来之神)、疱瘡神社(疱瘡之神) 

瘡神社 尾道市向東町 少名毘古那神

瘡神社 尾道市向島町 瘡大神

大疫神社 因島市重井町 須佐之男命、八十禍津日命、大山積命

沼田神社 三原市沼田東町 素戔嗚尊、櫛稲田比売命、八王子神 往古疫病流行し、武塔神が翁となりて沼田川の水を引き入れて稲つくらば豊穣なるべしと言いて去る、その後疫病止む

鷹山神社 三原市本郷町 大名牟遅神、少毘古那神 文明年間疫病流行、勧請

橘神社 三原市本郷町 息長帯比売命、品陀和気命、玉依比売命 元慶年間疫病流行、八幡神を勧請

吉国神社 三原市本郷町 豊宇気比売命 天文年中疫病流行、創祀

甘南備神社 府中市出口町 事代主神、大己貴神、少彦名神 和銅元年(708)疫病流行の際、美保神を勧請

八坂神社 神石郡神石高原町 素盞嗚神、稲田姫命 明暦年間に悪疫流行のため京都八坂より勧請

鷺神社 三次市十日市町 稲背脛命、日本武尊 天武天皇4年(675)疫病流行、稲背脛命翁として現れ、吾魂を祀れとの神託により創祀

塞之神神社 三次市三良坂町 八衢比古神、八衢比女神、久名戸神、日子穂穂出見命 寛文年間の疫病流行により勧請

尾崎神社 三次市三良坂町 須佐之男命 寛文年間の疫病流行により勧請

佐田神社 三次市三良坂町 伊弉諾命、伊弉冉命 天文3年(1534)疫病流行により佐田神社の御分霊を勧請

八雲神社 世羅郡世羅町 素盞嗚命、応神天皇 文明5年(1473)疫病流行、創祀

菅原神社 世羅郡世羅町 菅原大神 文久2年(1862)疫病流行、広島藩主が疫病退散の祈願を当神社になし、神主と氏子が七日七夜参籠して満願の朝悪疫消滅

御建神社 東広島市西条町 素盞嗚命 慶雲3年(706)諸国疾病流行により素盞嗚命を祀る

疱瘡神社 東広島市八本松町 稲背波岐神、八上姫命 

床浦神社 竹原市忠海町 少名彦命、住江三前神 伝承によると疱瘡に霊験著しく、三十二言の神語を託し給うと伝え、一社の秘となっている。

船津八幡神社 呉市広両谷 19柱の神 享保17年(1732)疫病流行、享保20年に船津山の嶺を拓き境内を拡張して社殿を改築、三柱の神を奉斎

磐居神社 呉市倉橋町 伊邪那岐命、伊邪那美命 保延年間疫病流行により勧請

大原神社 広島市南区向洋大原町 伊邪那岐命、伊邪那美命、火具土神、須佐之男命 永禄年中疫病流行、妙見山に創祀祈願により悪病退散

大歳神社 広島市西区井口 大歳神、須佐之男命、少名彦命、 活疱明神と称し、疱瘡の守護神として信仰

疫神社 廿日市市佐伯町津田 建速須佐之男命 元亨年中疫病流行により勧請

真幡神社 廿日市市佐伯町津田 建速須佐之男命 元亨年中疫病流行により勧請

八坂神社 廿日市市佐伯町津田 建速須佐之男命 元亨年中疫病流行により勧請

佐古田神社 大竹市栗木谷町 大山祇命、素戔嗚尊、宇迦之御魂神 寛政5年(1464)悪病消滅、諸作豊熟祈願のため勧請

   

まとめ

信仰の形で見えてきたものは、神話の時代より悪いものは流すということ。日本は罪穢れを除くための禊・祓の習慣、一般には手洗い、お風呂の習慣、そしてトイレも水洗(日本では江戸時代から本格的に下水処理が進めれてきた)になっている。信仰上にも雛流しや夏越の祓など形代に罪という災いをなすりつけ、息をふきかけ、川に流している。水は不正をも含む穢れを流し去り、「本来の姿」をあらわらす力をもっています。

水の力に感謝し、日々浄明正直に心清らかに感謝の日々を送るとともに、状況によっては御神霊の御神威にすがり祈りを捧げることも必要となるでしょう。

尚、疫病は飢饉にもつながっていきます。自給率の少ない日本に食糧不足になることはどこか想定した方がいいですね。今回の大嘗祭に全国から奉納された物の多くは干物です。過疎地域で採られた干物、まさに食糧難になったときを想定した先人たちの知恵が奉納されています。

さて、私たち神職はどう考えていくのか?自然の働きを神々の働きとしてその中で生かされているいことに感謝し、神事を怠らず奉仕していくことしかないんではないでしょうか・・・・・・・・(「民を導く本は教化に在り、今、既に神祇を禮ひて、灾害皆耗(つ)きぬ」『日本書紀』崇神紀10年)

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3月17日 午前10時 祈年祭 大祭

3月20日 境内神社祖霊社祖霊祭

4月 1日 午前10時 月次祭 小祭

 

 

 

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