今年度は震災救援所(区立の小・中学校)のペット同行避難訓練が一挙に増えました。
10月~12月のほぼ毎週末、<災害対策班>を中心に、
各地域の相談員が15か所(2023.12月時点)の救援所訓練やセミナーに協力参加しました。
・保健所が主導し、相談員が協力した救援所訓練 8か所
・相談員だけで対応した救援所訓練(30分セミナー3カ所を含む)7カ所
・事前打ち合わせ 2か所
ペット同行避難訓練と言っても、実際にペットを連れて訓練するわけではなく、
飼育用テントを設営して資材を展示し、発災時に必要な対応などを
震災救援所運営連絡会、住民、飼い主や生徒の皆さんに説明しました。
(見やすいよう校庭に設置したテント。ペット飼育場所は
なるべく屋内か、風雨を凌げる場所に設けていただくよう
お願いしています)
今年度は新たに、同行避難をイラストにしたフリップボードを見せながら説明しており、
口頭だけで説明するよりわかり易いと好評ですが、
説明時間が短かったり(最低10分は必要)、質問の時間が取れないと、
聞いている人たちにどれだけ伝わっているのか不安が残りました。
(テント設置場所では、ぬいぐるみに埋め込んだマイクロチップを
リーダーで読み取る体験も行いました)
3か所の震災救援所で、ペット防災・同行避難のセミナーが開かれました。
30分のセミナーで概要は充分カバーできますので、
救援所には、先ずはこうしたセミナーを開いていただき、
全体の流れや段取りを把握してから訓練をされると効率が良く、
実際、その後の進展(飼育場所の選定など)も速やかなようです。
(相談員が講師を務めた同行避難のセミナー)
ペット同行避難訓練を行う救援所は区の東部や井の頭線沿線に
偏りがちでしたが、今年は区の西部にもひろがりました。
同行避難へのスタンスや取り組みは救援所の事情などによっても異なりますが、
区と相談員の地道な努力が少しずつ実を結んできているようにも感じます。
反面、課題も浮かんできています。
救援所の訓練やセミナーの場には動物を飼育している方が少ないため、
飼い主さんに向けた啓発や情報提供にも注力する必要があります。
発災時、震災救援所は飼い主とペットにとって最後の受け皿。
救援所に向けてもまだまだ周知不足ですので、
区が5ヵ年計画でペット用初動ボックスを配備している間に、
同行避難への備えや訓練を行う救援所が増えることを期待しつつ、
ペットを連れての訓練も視野に入れて引き続き協力してまいります。
また、飼い主さんに向けては、家族やペットのためにも在宅避難が望ましく、
家屋の安全対策を施していただくことや、
万一の時のためにペットの一時預け先の確保、
さらに、飼い主同士が地域で協力しあえるような下地作りも進めていきたいと思います。