バリウム日記 がんの早期発見をめざして

医療に関する話題提供をはじめ、日々学んだことを配信できればと思います。

胃角の正面と身体の正面

2008年11月24日 | 胃X線を受診される方へ
前にも書いたhttp://blog.goo.ne.jp/sukikupi/d/20081113
内容の続きです・・・。
学会から出した答えをみたところ、身体の正面を必ずしも意識しなくても良いそうです。あくまで身体の正面で撮影するのは、最低限の精度を維持するためのものであり、きちんとした理由をもったより高い精度の撮影体位を施行できるならそれに準じて良いそうです。
胃角の正面を基準とし、第1斜位と2斜位の角度にメリハリをつける。
その理由は胃角に病変が多いこと。そしてメリハリをつけるのは辺縁所見を拾いやすくするためです。
これからもこの撮影体位でいきたいと思います。

胃透視の現状(2) 

2008年11月24日 | 胃X線を受診される方へ
胃透視は、胃内に存在するバリウムを、寝台の角度や体位変換を使って操るものです。
一言で申し上げると、胃透視は技術が多分に左右される検査です。

さて前回の続きですが、胃検診のバリウムにおいて、がんと診断されるケースはいくつかあると考えられます。

① 検診の撮影中に、撮影者(技師とします)が病変の存在に気づき、その病変をねらって追加撮影を行っている。そのため、読影者(医師です)に診断上、有効な写真を提供できた。

② 技師は病変に気付かず、決められた写真しか撮影していなかった。しかし医師は、そこに病変があることに気づき、診断上、異常と診断した。

この①、②。診断から考えれば、結果的には同じ、異常所見を拾ったことになります。
しかしここで一点。気になります。技師はその病変に気付いてはいなかったわけです。気付かなくても良いのか??ということになるわけです。確かに技師の診断は法律上、認められてはいません。だからといって病変の存在に気づかないのは、いささか疑問を覚えます。なぜなら・・・。

記事。渾身の一発!!早期胃がんとの戦い

http://blog.goo.ne.jp/sukikupi/e/565489e0eccae34616472b5a165c0748
をみてもらったらわかると思いますが、技師が病変に気づき、撮影中に病変をねらって撮影したから、早期胃がんが発見されたわけです。
ただ基準撮影をしているだけなら、この早期胃がんは発見されていないでしょう。

ここが前述した・・・。胸部や乳部と違い、完璧な基準撮影があれば、がんはみつかるわけではない!!ということなのです。

技師は写真家であってはならないのです。基準撮影で写っていないから、がんはなかった。これは必ずしも正しいとは言えないということに私は気付きました。

透視観察を極めることが大切であると!!全国的にがん発見、特に早期胃がんを発見する教育が不十分であると!!言いたいです。
新撮影法がどうとか、高濃度バリウムがどうとかローリングがどうとか言ってはいますが、それをしなくても早期胃がんを発見できるといいたい。
逆にいえば、新撮影法を行っても高濃度バリウムを用いても、頻繁な体位変換を行っても、発見しない人は発見しない。この違いはどこにあるのか!!ということです。

これを解決しない以上、このままでは胃透視は衰退するでしょう。