気ままな遍路人

人生いろいろ…徒然な日記

幸せのかたち・・・。

2007-12-19 23:29:59 | 日記

3年前の四国遍路で出会った女性(当時52歳)の話です。1番札所・霊山寺(りょうぜんじ)に向かう電車の中に同乗していた彼女は、電車を降りるなり私に「今日はどこまで行かれますか?。」と話しかけてきました。

お互い遍路は初めてだったので、霊山寺までの道のりを話ながら歩いて行きました。

霊山寺に着き、お互い近隣の遍路用品店で身支度をし、2番札所・極楽寺に向かいました。極楽寺に着いてお参りを済ませた途端に信じられないほどの大雨となり、予定してなかったのですが雨が止みそうもないのと初めての遍路ということで、この日は極楽寺に宿泊することとなりました。

まだ、出会って間もない間柄ですが、部屋も隣同士ということもあって、私の部屋でお話することとなり、彼女は機関銃の如く私に遍路に来た経緯やら今までの人生を語り始めました。

初めて出会った人間にここまで話すかと思いましたが、彼女の会話が止まるまで黙って聞いてあげました。遍路に来た経緯とは、今のご主人と離婚するべきか否かを判断するべく遍路を経験することによって結論を出そうとしていたのです。

私は第6感がなんとなく働き、「〇〇さん、ご主人とは生き別れにはならないと思うよ。まずは、遍路道中を無心で歩くことが一番良いと思うよ。」と答えてあげました。

「そうね。迷いながらの遍路はだめよね。言われたとおり無心で歩いてみるわ。」と彼女の言葉。

次の朝からはお互い自分のペースで歩き、所々の寺でバッタリあったり、2~3日会わなかったりと連絡をとっていないのに、結局88番札所・大窪寺(おおくぼじ)で同時に結願し、高野山までご一緒しました。

そして、50日の旅を終え自宅に帰り半月ほど経ったある日の早朝、彼女から電話があり受話器の向こうで泣いていました。「どうしたの?。」と聞くと「今朝、起きたら主人が隣で亡くなっていたの。」・・・急性心不全とのこと。

それから、1ヶ月ほど経ったころ、また電話があり「あの時、結論を突き付けなくて良かった。あのまま離婚していたら、一生悔いが残った気がする。今は主人の冥福を祈ることが私に出来る唯一のこと。」と・・・。

後日、分かった話ですが、ご主人は亡くなる約半年前に急に真言密教に興味をもち、通信講座の資料を取り寄せ勉強をしていたそうです。

何か、神様は彼女に使命を与えたのでしょうか。真言密教と四国遍路・・・ご主人と奥さん。

偶然とは言い切れないものを感じます。

彼女とは、あれから3年の月日が経っても時々連絡があり、今では仏前に手を合わせるのが、一番の幸せだと言っています。


遍路旅25

2007-12-19 00:10:52 | 遍路旅

今回の遍路道中でムカデなるものを人生で初めて遭遇しました。

道中の工事現場で作業員が工具を両手に持って、何かを路面に押さえ付けているので、近づき覗いて見ると全長20cm位の大きな虫がニョロニョロ工具に巻きついていました。

「なんていう虫ですか?」と聞いたところ、「見たことないのかい?ムカデだよ。」と教えてくれました。北海道の釧路では見られないと思うのですが、見たことある人いますか?

現地の人に話を聞くとムカデに噛まれると、その人の体質によってはスズメバチに刺されるよりも重症になる人がいるそうです。

ムカデを見た後の道中は足元と頭上を気にしながらの歩きとなりました。