戦後69年の間、日本は一度も戦争をすることなく自衛隊も海外で血を流さなかったのは、平和憲法を遵守してきたことと何度も書き込んできました。安倍首相はいま「国民の暮らしを守るため」と憲法解釈を変え、戦争ができる国へと進んでいるこの現実にどう向き合っていくかが問われている終戦の日です。
毎年8月になるとマスコミは一斉に戦争特集を取り上げていますが、戦争を美化する内容には首を傾げてしまいます。戦争を知らない世代が大半で、戦争体験者の声を聞くことや近代史を学ぶ機会も少ない中で、その悲惨さをどのように伝えてゆくかも大きな課題です。そんなことで私もできるだけ戦争証言に耳を傾けるようにしていますが、昨夜のTBS系NEWS23では、元日本兵(94)の中国での残虐行為の証言を取り上げ、「戦争は人を狂わせる・・・」と言う悲痛な声が耳に残りました。また今朝の糸魚川タイムス2面の終戦特集「証言 69年目の祈り(下)」では、シベリア抑留死亡者名簿に生涯をかけた故村山常雄さんを大きく取り上げていました。
写真は日本母親大会で求めた岩波ブックレット「取り返しのつかないものを、取り返すために」と、「いま、憲法の魂を選びとる」で帰途の新幹線で一気に読みました。「いま、憲法の魂を・・・」の一編は、2年前に95歳で亡くなった三木睦子さんの7年前の「九条の会」の挨拶です。「新聞社は安倍首相の母方の岸家ばかり取り上げている」と、父方の祖父で帝国議会衆院議員の安倍寛(かん)氏と親しくしていたことで、「あの方は一生懸命こんな戦争をしてはいけないと、日本中で平和を説いていた」と語っていました。
東条英機らの軍閥政治を厳しく批判していた安倍寛氏は特高警察に跡をつけ回され、べったりと軍閥と手を結んだ岸信介氏とは対極の政治家だったそうです。そして本日の政府主催の全国戦没者追悼式の安倍首相は、歴代首相が言及してきたアジア諸国の戦争犠牲者への加害責任や「不戦の誓い」は昨年同様に触れませんでした。安倍首相はどうも岸家のDNAしか受け継がなかったようで、「憲法の魂」などは知る由もないようです。
夕方の日テレ系番組は、太平洋戦時中の元従軍看護婦の証言で、多くの日赤従軍看護婦の存在を知りました。また夜7時半からのNHKスペシャル「戦後69年 いま“ニッポンの平和”を考える」は、戦争の惨禍を経験した日本が守るべき平和主義とは何かを考える番組で、視聴しているうちに熱くなってしまいました。続く9時からの渡辺謙主演の金曜ロードショー「硫黄島からの手紙」は、今まで見たいとは思わない映画でしたがあえて今夜は最後まで・・・。いったい誰のための戦争だったのかと考えされられ空しさが残る映画で、来年には終戦70年目を迎えようとしている終戦の日です。