まだ30ページほど読み残しているけど,この本について,何か書いておかなければ・・・という気持ちは文庫本でも620ページあるうち半分まで読んだ時から,自分のなかで線香の火のように消えそうでもしっかり燃え続いていた。
1992年に出版されたこの本をボクは多分5,6年前に中古本を手に入れていたが、そのタイトルとブ厚い3cmはありそうな
本棚にあるこの本を何回か睨みつけながらも読む決心がつかないまま今日まで来てしまった。それが今度の入院が決まった時についに決心したのだ。確かにこの本はこれくらいの覚悟がなければ途中で放棄してしまったのではないかと思えるほどいろいろな意味でボクにはすんなりとは読めない本であった。
その本というのは <ドイツ 傷ついた風景> 足立邦夫著
スイスに住んでいながら隣接しているドイツにはニコルと結婚してから一度も足を運んでいない・・・理由は前にチョット書いたニコルの母親がユダヤ系で,その血がドイツに行くことを阻んでいる、のだ。ボクはそんなことには何れにしても関係無いのだから一人でもいけばいいのだけれど,コレといって行く動機も意欲も無いままここまで来てしまった。
しかしこの本を読んでからは、ちょっとドイツとその人々に興味を持ちかけている自分を感じる。自由時間があったらこの本の内容を検証というか今現在,<ナチスドイツ>はどのようにドイツ人老若男女の人々に影を落としているのか。
興味本位といえば言えるかもしれないが、しかし、これを人ごととは思わないボクは、この辛く苦しい立場(ナチスドイツのことや、まったく立場の違った東西ドイツの統一のこと)からどんな文化が育ったのか,或いは育たなかったのか。
知りたい・・・と言っても、何年もかけて現地に足を運んで友人も出来るぐらいドイツに馴染まなければその答えは返ってこないだろうなぁ。
ドイツを観光するヨーロッパ人は無意識にボクが考えたような興味を持っているのではないだろうか、そしてドイツ人はそういった視線を自分たちを観る外国人のそぶりのどこかに感じているいるのだろうか。
それを考えるときボクは、(詳しくは知らないが、)イエスの<姦通の女>エピソードをおもいうかべる。
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