逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

地震大国日本の無謀原子力発電

2011年10月26日 | 放射能と情報操作

2004年(平成16年)版『防災白書』(内閣府災情報のページ)掲載、『世界大都市の自然災害リスク指数』

2003年(昭和15)にミュンヘン再保険会社が作成。
米西海岸のロサンゼルスを基準としてリスク指数100としているが、対して日本の東京・横浜のリスク指数は710であり、世界主要50都市の中でも突出して第一位である。
自然災害では、何時起きるかの『時期の予測』は難しい。確実な科学的予想は不可能に近い。
ところが今の科学技術でも、起きる『確率の予測』は簡単であり、正確に行うことが出来るのです。
マグニチュード6以上の地震の発生回数は、世界全体の中で日本国だけで20・8%。
日本の国土面積では世界全体の0・25%だから、日本は世界平均の100倍近い地震大国である。
世界の他の国と比べて、日本の地震や津波のリスクは比較出来ないほど極端に高い。
ちなみに外国語でも『津波』は日本語の『TUNAMI』と表記される。
政府の中央防災会議は、近い将来の大規模地震として、東海地震、東南海・南海地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震、首都直下地震の想定される被害を数値算定しているが、いずれの被害予測も極めて深刻なものである。
世界的にみて極度に危険が予想される日本列島に満遍なく54基もの原発をばら撒いた歴代自民党政府の無知無責任無分別は許される範囲を遥かに超えていて万死に値する。
野田首相は現在の原子力発電所の、『世界一の安全性の確保』を言うが、上の防災白書の『図』が示すように到底『世界一』程度の安全性では、福島第一原発の過酷事故は避けれない。
世界と比べた『リスク指数』から判ることは、日本の原発の安全を確保する為には世界基準の数十倍以上でないと、安全率が『世界の同じ数値にならない』との危機管理の根本認識が欠けているのです。

『ロスアンゼルスを100として主要都市のリスク指数』
1 東京・横浜      710.0
2 サンフランシスコ   167.0
3 ロサンゼルス     100.0
4 大阪・神戸・京都    92.0
5 ニュ-ヨーク(米東海岸)42.0
6 香港            41.0
7 ロンドン          30.0
8 パリ            25.0
9 シカゴ           20.0
10メキシコシティ       19.0
11北京           15.0
12ソウル          15.0

『驚愕の、福島第一原発被災民の証言ビデオ映像』

まだ御覧になっていないなら是非とも皆さんに見て欲しい映像を見つけました。
 『池田香代子ブログ』の2011年10月22日記事「原発てんでんこ」? 補遺
で紹介されている双葉町の福島第一原発20キロ圏内の住民のインタビュー動画
東日本大震災 福島第一原発元モニターからの証言 Reported by MIKE-T
http://www.youtube.com/watch?v=EcF_75slgwk
長い1時間近いビデオ映像ですが、テレビでは絶対に流れない種類の話ばかりで、我々が知らない3・11当時の原発事故時の驚きの生の体験が聞けます。
『百聞は一見に如かず』とは言うが、ひたすら真面目に行動する一般市民と、対照的に呆れ果てて言葉も無い百鬼夜行の浅ましすぎる東京電力や自衛隊。
東電社員家族は一般市民に避難指示が出る1日前(3月11日夜)に事前に全員が避難していたとか。
同じ福島県内でも、会津若松に避難したら『放射能に汚染していない』との検査証明がないと受け入れないと拒否されたとか。
1号基が爆発した後の12日には避難民の車で大混乱する道路をサイレンを鳴らして、一般車両を強制的にどかして救助に来た筈の自衛隊の車列が、市民の避難を妨害して優先して逃げたとか。

『半年も前に見た、同じインタビュー証言』

このビデオ画像は3・11原発事故の直後の4月初めに録画されている。
『いらっしゃい!ようこそニケのブログへ^^』 2011-04-05『東電社員は知っていた! 20キロ圏避難者の証言動画』 http://nikemild.exblog.jp/13315239/
実は半年も前の4月の時点で、この証言を自分もビデオ画像で見ていたのです。
ただし、その時は親しい東電社員家族の奥さんが『栃木県まで逃げた話』は事実でも、組織的に東電が行ったとの確証が無く、あくまで狭い範囲の体験からの推測であり、一次資料としては信用性に問題があり、資料価値が落ちると間違って判断してしまった。
ところが時間が経過して、他の色々な資料からこの被災者発言の信用度は十分に確認出来る。
『福島第一原発の事故は100%予見できた』と10月12日の当ブログ記事にも書いたが、なんと旧式の1号基は全電源喪失8時間後に、2~3号基はその4倍から8倍の時間でメルトダウンして水素爆発するとの解析が、事前に知られていたのです。
それなら1号基爆発前の、東電社員の家族の『事前避難』は当然であり、逆に事前避難していない方が辻褄が合わず可笑しいのです。
爆発した12日の自衛隊の逃亡の目撃情報も、3号基が大爆発した14日の夜に、南相馬町の自衛隊は『原発が爆発する。100キロまで逃げてください』と言い放って、敗戦時の関東軍と同じで一般市民を見捨てて真っ先に自分たちだけ逃げているが、こちらの方は避難所の多数の市民とか南相馬町役場職員などの確実な目撃証言がある。
『検証・何故半年後に朝日新聞は意識的?誤報を流したのか』
2011年09月15日 (放射能と情報操作)
今までに判明している『情報』と符合するので、このビデオ証言は確実な『目撃した事実』で、間違い無いでしょう。
それにしても東電の犯罪性は我々の様な一般の常人の良識では計り知れないレベルで、想像以上であり言葉も無い。

『真相の究明には強制捜査しかない』

組織ぐるみの『やらせ』が発覚した九電幹部が、辞めないと開き直る厚かましさ。
枝野経産相に『報告書』再提出を求められても、『どこを直す必要があるのか。』と、言い放つ九電の会長。
これは本来犯罪行為であり、辞めて済む話ではない。
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の業務を妨害した偽計業務妨害罪か、権力を利用して正常な業務を妨害した威力業務妨害罪(3年以下の懲役)で佐賀県知事や九電関係者全員を逮捕して事実の有無を調べるのが筋。
強制捜査が出来ないのは、もっと悪い、広島原爆の数十個分の放射能の日本中に撒き散らした東電が強制捜査もされず誰一人も逮捕されていないからですね。
もしも東電ではなく、他の単なる化学工場の事故なら悪臭が出て住民が避難した程度でも警察の強制捜査は免れないのですよ。
福島第一原発原発事故の真相究明には、即刻逮捕するしか方法は無いでしょう。

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4 コメント

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Unknown (山椒魚)
2011-10-26 10:58:15
「1号基が爆発した後の12日には避難民の車で大混乱する道路をサイレンを鳴らして、一般車両を強制的にどかして救助に来た筈の自衛隊の車列が、市民の避難を妨害して優先して逃げたとか。」
これって、太平洋戦争でソ連軍が参戦してきたとき、中国在留邦人を置き去りにして逃げた、関東軍の姿と同じですね。


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島の法則 の悪しき実例 (宗純)
2011-10-26 15:55:16
山椒魚さん、コメント有難うございます。

自衛隊とか東京電力とか、世間に仇名す悪しき存在は即刻解体する以外に解決方法は無いでしょう。
今の腐敗したフルタイム(正規雇用)自衛隊に代えて、住民保護の目的でパートタイムの地元民による本物の自衛隊(アメリカの州兵の様な)を創るのが一番良いと思います。
アメリカですが、国土防衛に当たるのは実は連邦軍(いわゆる米軍)ではなくて、各州ごとに編成され州知事に指揮権がある州兵なのです。
州兵は一般市民で編成されている民兵組織で、日本なら消防団員みたいなものでしょうか。
今度の大震災でも地元民の消防団員は防潮堤の水門を閉めにいって犠牲になったり、あるいは最後まで防災放送を行って市民を救おうと、現場に最後まで踏み止まって犠牲になっています。
腰抜けの自衛隊員など足元にも及ばないほどの勇気ある行動を地元民からなら消防団全員が行ってるのですよ。
頭が下がります。
自分の親しい仲間を自分が率先して救うのだとの地元消防団員のモチベーションが、傭兵の自衛隊とは根本的に差があるのですよ。
生物学で、島に隔離されるとサイズの大きい動物は小さくなり、サイズの小さい動物は大きくなるという『島の法則』があるのですが、大陸とは200キロも離れている独自の文化を誇る我々日本人ですが困ったことに当て嵌まる様ですよ。
生存競争の激しい大陸(グローバルスタンダード)とは大違いで、
一般の普通の市民レベルの日本人は、世界的に見て最高のレベルの倫理水準であり、何処に出しても恥ずかしくない素晴らしさなのですよ。
ところが上に立つべき立場の責任ある東電や自衛隊、政府、経団連などの人々が、世界最低ランクの恥知らずばかりで、信じられない無知無教養無責任の権化の様な、人間のクズなのです。
『最高責任者には責任が無い』不思議の社会が、我が日本国ですね。
『島の法則』が成り立つには重要な条件があり、一つは捕食者(天敵)がいないこと。
二つめは同じ生態的地位に競争者がいないこと。隔離された一定の大きさがある生存域で『島の法則』が働くと、本来大きい動物は小さくなり、逆に本来小さい動物は大きくなるのです。
世界一大きい両生類のオオサンショウウオとか世界一大きい大スズメバチなどが生まれる。絶滅した日本オオカミは大陸の森林オオカミの半分以下の小さなサイズですね。

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Unknown (山椒魚)
2011-10-27 01:29:11
九電幹部も辞めてもらって当然ですが、朝日新聞のトップも意図的に誤報を流したのならやめるべきだと思います。またNHKも当初は「安全だ」という嘘も何度も流していたのだから、わざとでは無いにしても、誤報だったのだから謝罪してもらいたいと私は思います。
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日刊ゲンダイに強制捜査が入る (宗純)
2011-10-27 15:05:46
山椒魚さん、コメント有難う御座います。

東電には強制捜査が無いのに、大震災以後一番東電や政府を厳しく批判していた日刊ゲンダイに強制捜査が入ったようですよ。
これ、小泉フィーバー時代に『総理!総理!』と追及した小生意気な辻元清美を、別件の公設秘書給与詐欺容疑で逮捕して口封じして、政界から追放した事件の類似行為の可能性が高い。
3月14日夜に南相馬町に駐留していた自衛隊が『原発が爆発する。100キロ逃げてください』といって、敵前逃亡した事実を3月時点で報道した唯一のマスコミが日刊ゲンダイなのです。
日本でも世界でも、マスコミと名のつくもので報道したのは唯一日刊ゲンダイで、これなら報復を受けて当然でしょう。
ちなみにこの自衛隊の恥ずべき不祥事は共産党機関紙の赤旗にも載っていません。
何とも情け無い話だと思いませんか。この事実を報道しないようでは、そもそも本来の役目も無いし赤旗の値打ちが無いのですよ。
真実が『不味い』ので商業マスコミが報道しなくても、今までは赤旗が報道していた。
みんなが怖がって書けないことを書いていたのです。
だから20年程昔の赤旗は保守系の政治家でも購読する人が大勢いたのですね。
この事実は大勢の人たちが知っていて今でも護憲左派では赤旗の信用度は抜群で、赤旗に書いてあれば信用するのです。
ところが、何事にも弊害はある。
何と驚くことに。!!
『赤旗に書いてあるから信実』から進化して、そのとんでもない発展形として、
『赤旗に何も書いて無い』との理由で『事実で無い』『間違いである』と思う人までが出てくる始末。
赤旗が以前と同じで信用している人が大勢いるのですから、言葉もありません。
これでは聖教新聞に書いてあるとして信じる創価学会信者の水準と五十歩百歩のお粗末さ。
あるいは、もっと悪い水準です。
真実がまったく見えないのです。
つい最近では、NATO軍のカダフィ暗殺の赤旗記事で、リビアの600万人の人口の3分の1は1日2ドル以下の極貧、80万人は住み家が無いホームレス、失業率40%と、・・・との情報も有りますとか、・・・とも言われています、とかの伝聞形式の記事まで書いている凄まじい堕落振り。
落ちるところまで落ちているのでしょうか。
新聞報道で・・・とも言われています。などが許されるなら報道などとは到底いえないレベルで無茶苦茶。『何でも有り』ですよ。
しかも、幾ら伝聞情報とは言え、客観的な事実と違いすぎて言葉もありません。
それは隣国のエジプトやテュニジアの話で、NATOが流したデマ宣伝にしても質が低すぎる。
この不思議なNATO軍の行動ですが、親米右翼独裁政権の相次いでの崩壊で、地域が左傾化(反イスラエル化)するのを防ぐ目的で、反米左翼独裁政権のリビアのカダフィを崩壊させてバランスを取ったのでしょう。
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