これまで乗っていたVOXYハイブリッドから、11月16日をもってフリードハイブリッドに乗り換えた。
理由は歳とともに目が暗くなってきて、VOXYハイブリッドの暗いライトでは、運転がしずらくなったからだ。
フリードハイブリッドといえば、前のモデルまでは期待破りの低燃費で「なんちゃってハイブリッド」「大げさなアイドリングストップ」と悪口をたたかれていたが、今回のモデルチェンジで本格的な(常識的な?)ハイブリッドが採用され、世間の注目が集まっていた。
もちろんフリードに採用された1モーター2クラッチでは、2モータで遊星歯車変速機を搭載するトヨタハイブリッドに勝てないのは百も承知であるが、VOXYよりも一回り小さく、重量も軽いので、いくらなんでもVOXYよりも燃費は悪くないだろうとかなりの期待を寄せていた。
納車になってから、あまり山に行かず街中を走ることが多かったことと、スライドドアから異音が盛大に発生したためディーラで確認走行・修理を2回もしていたので、今回の燃費はあまり芳しくないだろうとは思っていた。
前置きが長くなるが、燃費には2種類ある。
車のメータの燃費計に表示された「メータ燃費」と、ガソリンを満タンに入れるたびに計算する「満タン燃費(走行距離÷ガソリン給油量)」いわゆる実燃費だ。
今日、セルフのスタンドに行き、ガソリンを満タンにした。
(入れる人によりばらつきが出るので、必ずセルフのスタンドに行き自分で給油する)
給油直前のメータの燃費計。
「メータ燃費」=17.8Km/リットル
「走行距離」=489.8Km
この時はまだ「前車VOXYに比べて、それほど良くないなぁ。むしろ悪いくらいだ・・」程度に思っていた。
スタンドで満タンにした。
給油量=30.50リットル
ちなみにVOXYのガソリンタンクは55リットル、フリードはたったの36リットルです。
20リットルなんて軽四もあるんですよ。
なぜタンクを小さくするのか?、
ガソリンタンクを小さくして総重量を減らせば、カタログに書ける燃費が良くなるからです。
家に帰って、満タン燃費を計算して、仰天しました。
489.8Km ÷ 30.50リットル = 16.05Km/リットル
驚いたのは、2つの意味からです。
(1)満タン燃費が、たったの16.05Km/リットル。
これでは比較されるVOXYがかわいそうだ。
(2)メータの燃費計の誤差が10%もある。
メータ燃費が17.8だと喜んでいたら、満タン燃費が16.05だった。
実際の燃費よりも10%も良い燃費を表示するなんて、適当な日本語を探すと「粉飾」しか思い浮かばない。
ちなみにVOXYでの3年間の記録では、毎回ほぼ7%でした。
もうひとつ。
プリウスに5年間、VOXYハイブリッドに3年間乗った経験から、フリードハイブリッドがなせ燃費が伸びないのか推測できる。
平地や下り坂の場合、トヨタのハイブリッドであれば、アクセルを踏んだ瞬間にエンジン走行に切り替わり、アクセルを戻した瞬間にモータ走行(EV走行)に切り替わる。
フリードの場合には、エンジン走行からモータ走行への切り替わりが緩慢で、モータ走行できる場面でも数秒間はエンジン走行を続ける。
たかが数秒間であっても、短時間に加速と減速を繰り返す市街地を走ると、フリードハイブリッドはアイドリングストップ車ではないか?と思うくらいに
モータ走行が激減する。
かわりに山登りに行くために、信号のない道を走ると、VOXY並みに燃費が伸びてくれる。(それでもVOXY並みなのだが)
おそらく、クラッチと有段変速機の切り替えに手間がかかり瞬間的な切り替えが苦手なので、ある程度の定速走行が続いたときにモータ走行に切り替わるようにプログラムしてあるのじゃないかと想像する。
「フリードハイブリッドはアイドリングストップ車ではないか?と思うくらいに」と書いたが、作っているホンダでさえもアイドリングストップ気分が抜けていないようだ。
フリードのカタログで、ハイブリッドの「主要燃費向上対策」に「アイドリングストップ装置」と、堂々と書いてあるのだ。
普通の人は見過ごすだろうが、ハイブリッドに詳しい人が集まるプリウスの掲示板にこれを書き込めば、「ハイブリッドにアイドリングストップだって?」と物笑いのタネにされることだろう。
ハイブリッドは、必要な時だけエンジンを回す。
アイドリングストップはエンジンを回しておくのが基本で、止めても良いときは止める。
それで、ハイブリッド車にアイドリングストップ機能、と言われると「なんちゃってハイブリッドだろう」と感じる。
なおこの件をディーラーに聞いてみたが、明快な答えは返ってこなかった。
さて、あれこれと厳しいことを書いてきたが、フリードハイブリッドには良いこともある。
それは、ホンダらしい軽快な走りであることだ。
長年のホンダファンにとっては、軽快な走りは何物にも代えがたいだろう。
燃費を取るか、軽快な走りを取るか、それによって評価が分かれると思う。
なお雑誌の情報では、次のステップワゴンハイブリッドには、幸いにも2モータが採用されるらしい。
そうなると、ステップワゴンの燃費はフリードと同じくらいになるかもしれない。
どうなるのか楽しみだ。
それから盛んに、新しい電気自動車と宣伝しているノートだが、あれはレンジエクステンダーとも呼ばれるシリーズハイブリッドで、以前からある方式なので「発明」と言えるかどうかは疑問である。
また誌上の燃費試験ではアクアよりも燃費が悪いそうなので、過度の期待はしないほうが良いらしい。
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