スタジオSZ8のブログ

スタジオSZ8(鈴八)のぬるめの日常

クリスマスエクスプレス3号車(91年版、溝渕美保主演)を考える

2023-03-12 | 映画、ドラマ、テレビ
今作については、正直に言って、書くことがあまりない。
とにかく、映像に全振りした作品である。

前作の不評(これは僕だけの感想だが)と迷走を反省(これも言い過ぎ)して、今回の舞台はやはり駅だ。

ストーリーは、ない。はっきり言って。
割り切ったとも言っていい。

駅のコンコースで彼氏を待つ彼女。
人々が行きかう姿の中、彼氏はなかなか現れない。
しかし、最後に遅れた彼氏が現れる。

これで全部だ。

だが、これで評価が低いかというと、そんな事は全くない。
とにかく映像に特化しただけあって(これは勝手に僕が思っているだけなのだが)、とにかく美しい。
うっとりするほどだ。

多分、なのであるが、古きアメリカの駅をイメージしている節がある。
モブの登場人物含めて、みんな日本人の顔立ちなのだが、その当時のアメリカ映画の雰囲気があるのだ。
駅改札の「出口」の文字に違和感を覚えるほど。
白熱灯のオレンジの光、人々の衣装、立ち振る舞い。などが、ちょっと日本っぽくないと感じた。
衣装に関しては、彼女の服も含めて「バブル」の余韻を感じるのだが、それ以上にアメリカっぽく感じる。
子供を抱きかかえる動きなどは、アメリカの人の動きに見えてしかたがない。
なんとなく絵画の連続映像というイメージだ。

それに彼女だ。
役者本人はさしおいて、この彼女のキャラクターというのは、「自分が美しいことを知っている」キャラだ。
誤解の無きようお断りするが、「自分が美しい」と正しく自己を認識することは悪い事ではない。
かの名探偵、シャーロックホームズも言っている「自分を過小評価することは、過大評価することと同じように愚かなことだ」と。
最初にイアリングが、チャリンと音を立てるのも、彼女が自分を精一杯美しく見せようとしているのを強調している。(ちなみに、効果音がはじめて、このシリーズで採用されている)
ただ、たたずむ彼女だが、それだけでゾクッとするほど美しい。
この美しさは、シリーズ随一だ。

とにかくCMはこれでいいのである。
細かいことは、置いといて、なんとなくキレイだった。と印象に残れば、それだけで成功なのだ。

ただ、今回もご多分に漏れず、彼氏が遅れ気味に来るのだが、これも理由はわからない。
細かい事は気にしないと言っておいで、なんなのだが。
姿そのものも、ガラスに映ったものでぼんやりしていて、想像のしようがない。
が、これは人それぞれの想像にゆだねる。で、いいのではないかと。

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