あれから一か月ということで、その後の報道が各社より。
一か月前の報道では分からなかったのが、次々にグループが分かれて行ったので、
どのグループの人が助かり、どのグループの人が凍死したのかということ
以下の報道を読むと
16日午前5時半地点1出発(客15名、ガイド3名)
16日午前10時半ころ地点2(本隊 客14名、ガイド2名)
(ビバーグ1 61歳ガイド1名、女性客1名 => 明記はされていないが、2名とも死亡か?)
16日正午ころ地点3(本隊 客10名、38歳ガイド1名)
(ビバーグ2 32歳ガイド1名、男性客1名、女性客3名 => 客2名死亡)
このあと客10名+ガイド1名の本体がバラバラになりながら下山することになり、
ガイドのペースについていけず、=> 客4名死亡
ガイドたちは4人用の簡易テントを二張り持っていたようだが、それがどこに行ったのか?
少なくとも一つは最後のガイドが持っていたようだが、ビバーグ1の二人に簡易テントを置いていかなかったのか?二つとも最後のガイドが持っていたのか?
ビバーグ2の5名は、登山道整備の業者が置いていたテントを偶然に見つけて、その中で暖をとっていたというが、この5名に簡易テントは無かったのか?
ビバーグ1とビバーグ2の地点は数百メートルの距離のようだし、ビバーグ2を決めるためには3名のガイドが相談しているようだ。では、
ビバーグ1の2名が同じテントに合流することはできなかったのか?
たぶん、客の1名は動けなかったのだろうが
簡易テント二張りの動きも報道してもらいたい。
昔は、ツェルト(簡易テント)をいつもリュックに入れてましたよね。
小屋どまりの時でも。
天気図、NHKのラジオ放送を聞きながらよく描いたもんだ。
だいたい山に入る1週間前から書いていたが、今はレーダーも発達して
いるので、そんな前から書く必要はないようですね。でも、
山中ではガイドだったら夕方、ないしは夜の放送を聞きながら描くのが当然でしょう。
「携帯電話で見えるはず」なんていうレベルの問題じゃないでしょう!
トムラウシ山遭難:引率ガイドの判断が焦点 北海道警捜査
(1)16日午前5時半出発(2)午前10時半ごろ、女性客1人が動けなくなり、61歳ガイドと一緒に残る(3)正午ごろ、32歳ガイドと男性客1人、女性客3人でビバーク開始(4)午後3時54分、女性客と38歳ガイドが救助要請
北海道新得町の大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で登山ツアー客ら8人が遭難死した事故から16日で1カ月。北海道警は業務上過失致死容疑で捜査を進めており、引率したガイド3人の判断や行動が適切だったかが焦点となっている。ツアーを企画した旅行会社「アミューズトラベル」(東京都千代田区)の見解とツアー客の証言の食い違いも浮上しており、道警は17日に同山で実況見分を行う。【木村光則、吉井理記、田中裕之】
◇天気図見ず?
アミューズトラベルは7日、ツアー客と遺族に「トムラウシ山の遭難事故の経過について」と題する文書(A4判・2ページ)を送付した。生還したガイド2人とツアー客の一部の証言を基に当時の状況をまとめたものだ。
その文書によると、ガイドは遭難した7月16日の天気図を見ていなかった可能性がある。一行は7月14日に旭岳から入山。15日から雨が降り、遭難した16日朝も雨だった。だが、32歳ガイドは14日の天気予報から「午後から晴れる」と判断し、ヒサゴ沼避難小屋を予定より30分遅れの午前5時半に出発した。
同山で20回以上のガイド歴がある北海道小樽市の山岳ガイドの立本明広さん(39)は「なぜ最新の天気図を見なかったのか。尾根の上なら携帯電話で天気図が見られるはず」と指摘する。
◇引率は適切か
北沼周辺に残った人を除き、38歳ガイドはツアー客10人を引率して進んだが、客たちは次々と脱落し、男女4人が凍死した。
アミューズ社は当時の状況を文書で記す。
「ゆっくりしたペースでトムラウシ分岐に15~20分程度で到着したが、点呼したら8人しかいなかった。ガイドは極限状態にあり、2人を捜しに行く精神力も体力も残されていなかった」
これに対し、男性客は反論する。
「女性客はペースについていけなかった。(ガイドは)列の先頭ばかりにいて後ろに下がってくることはなかった。(分岐での)点呼も後方に向かって『おーい』と呼び掛けただけだ」
だが、同社の文書にはこの証言はない。
毎日新聞 2009年8月16日 11時20分(最終更新 8月16日 11時46分)
出典:http://mainichi.jp/photo/news/20090816k0000e040019000c.html
北海道・大雪山系遭難:トムラウシ山遭難1カ月 ガイドの判断捜査、道警あす実況見分
◇証言に食い違い
十勝管内新得町の大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で登山ツアー客ら8人が遭難死した事故から16日で1カ月。道警は業務上過失致死容疑で捜査を進めており、引率したガイド3人の判断や行動が適切だったかが焦点となっている。ツアーを企画した旅行会社「アミューズトラベル」(東京都千代田区)の見解とツアー客の証言の食い違いも浮上しており、道警は17日に同山で実況見分を行う。【木村光則、吉井理記、田中裕之】
■天気図見ず?
アミューズトラベルは7日、ツアー客と遺族に「トムラウシ山の遭難事故の経過について」と題する文書(A4判・2ページ)を送付した。生還したガイド2人とツアー客の一部の証言を基に当時の状況をまとめたものだ。その文書によると、ガイドは遭難した7月16日の天気図を見ていなかった可能性がある。
一行は7月14日に旭岳から入山。15日から雨が降り、遭難した16日朝も雨だった。だが、32歳ガイドは14日の天気予報から「午後から晴れる」と判断し、ヒサゴ沼避難小屋を予定より30分遅れの午前5時半に出発した。
同山で20回以上のガイド歴がある小樽市の山岳ガイドの立本明広さん(39)は「なぜ最新の天気図を見なかったのか。尾根の上なら携帯電話で天気図が見られるはず」と指摘する。
■不十分な装備
北沼周辺に着いた16日午前10時半ごろ、1人の女性が動けなくなり、61歳ガイドとともに残った。ほかの16人は先に進んだが、まもなく女性客2人が動けなくなり、正午ごろ、32歳ガイドと客4人がビバークを始めた。
男性客は「(3人の)ガイドたちは無線機でやりとりせず、何度も行き来しながら話し合っていた。1時間半くらい、吹きさらしの場所に待機させられて体力と体温を奪われた」と証言する。
また、ガイドは4人用簡易テント二つしか持っていなかったとみられる。当初は10人用のテントも持っていたが、別のパーティーのためにヒサゴ沼避難小屋に置いた。ビバークした際に使ったテントは、登山道整備業者が南沼近くに保管していたもので、ガイドが16日夕方、偶然発見したという。
道山岳協会理事の一人は「携帯電話が使えない山なら無線機は持っていくべきだ。大型のテントがあれば北沼付近での待機中に風雨で体力が奪われるのを避けられたのではないか」と指摘する。
■引率は適切か
北沼周辺に残った人を除き、38歳ガイドはツアー客10人を引率して進んだが、客たちは次々と脱落し、男女4人が凍死した。
アミューズ社は当時の状況を文書で記す。
「ゆっくりしたペースでトムラウシ分岐に15~20分程度で到着したが、点呼したら8人しかいなかった。ガイドは極限状態にあり、2人を捜しに行く精神力も体力も残されていなかった。ガイドは8人の客に『道しるべに向かって下山してください』と伝え、救助の電話をする一心だけで歩み始めた」
これに対し、男性客は反論する。
「女性客はペースについていけなかった。(ガイドは)列の先頭ばかりにいて後ろに下がってくることはなかった。(分岐での)点呼も後方に向かって『おーい』と呼び掛けただけで、そのまま行ってしまった」
だが、同社の文書にはこの証言はない。
◇99年の事故ガイド有罪
登山ツアーを巡る遭難事故では、過去にガイドの法的責任が問われたケースがある。
後志管内倶知安町の羊蹄山で99年9月に起きた遭難事故は、今回のトムラウシ山での遭難と同様に、悪天候の中、ツアーを強行。ツアー客がちりぢりとなり、女性客2人が遭難死し、ツアーを引率した男性添乗員(ガイド)が業務上過失致死罪に問われた。
札幌地裁は判決で、「遭難当日、強風低温の天候が予測された」とした上で、「(添乗員は)ツアー客が分離して進めば、状況判断を誤り、山頂付近を迷走するなどして凍死することを予見できた」と指摘した。「遅れたツアー客が合流するのを待って安全を図るべき注意義務に違反した」として有罪判決を下した。
ただ、道警はツアーを企画した旅行会社の企画責任者も業務上過失致死容疑で立件したが、札幌地検が容疑不十分として起訴を断念した。
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■ことば
◇トムラウシ山遭難事故
7月16日、登山中だったツアー客15人とガイド3人のパーティーが遭難。女性客6人と男性客1人、ガイドの男性1人の計8人が山中で凍死した。一行は14日から2泊3日で大雪山系を縦走する予定で、客は愛知や広島県など本州から参加した50~60代の中高年者だった。
毎日新聞 2009年8月16日 北海道朝刊
出典:http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20090816ddr041040004000c.html
大雪山系遭難1か月、ガイドらテント持たず野営
北海道・大雪山系のトムラウシ山(2141メートル)で先月16日、東京の旅行会社が企画した縦走ツアーの参加者ら18人が遭難、計8人が凍死した事故で、同行ガイドらは当初、風雨をしのぐためのテントもなく、低体温症で動けなくなったツアー客と山頂付近でビバークしていたことがわかった。
ツアー客らがビバークしたテント=本社チャーターヘリから田村充撮影
捜査幹部が明らかにした。道警は、パーティーの人数に対し携行する装備品が不十分で、ガイドが最後に天気予報を確認したのは遭難の2日前だった点を重視。ツアーを企画した「アミューズトラベル」(東京)側の刑事責任追及も視野に、事故から約1か月の17日、ガイド立ち会いの下で、遭難現場での実況見分を行う。
一行のうち低体温症で動けなくなったツアー客らの一部が山頂付近でビバーク。しかし、簡易テントを持参していたガイドが下山したため、0度近い風雨の中で救助を待っていたという。その後、登山道整備業者が非常時用に残していた大型テントと毛布、ガスコンロなどの装備品を、付き添っていたガイドが偶然発見。テントに入った5人中3人は湯を沸かして体を温め、無事救助されたが、2人が死亡。テントから数百メートル離れた場所にいたガイドとツアー客の2人も凍死しているのが見つかった。
また、ガイドは16日に天候が回復すると判断していたが、2日前の14日に携帯電話の天気予報サイトの情報を確認しただけ。捜査幹部によると、出発後に強風がやむと判断していたことも正確な情報に基づいていない可能性が高いという。
道警では、ガイドの判断が適切であれば被害を防ぐことができたと判断。ツアー日程を優先して出発を強行した可能性もあるとみて、今後はアミューズ社の安全管理体制について調べを進める方針。
(2009年8月16日03時01分 読売新聞)
出典:http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090816-OYT1T00077.htm