新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

新型コロナと人口減問題に苦悩するイタリアは他山の石か

2020-12-28 00:00:03 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

イタリアがコロナ禍のなか、人口減少問題に苦悩しているという報道。

  • イタリアの2019年、出生数420000に対し死亡647000(この出生数は1861年の統一以来最少)。対して2020年は出生数408000に落ち込み、死亡700000 と国家統計局の推測。
  • コロナ禍のなかで、恐怖と不確実性が、イタリアのカップルのあいだで子供をつくることに対する躊躇をうんでいる。
  • 2020年の死亡数は70000万に達する見込みで、これは第二次大戦下以来の憂慮すべき事態。(コロナ関連死は67000)
  • 失業率も、現在の9.4%から2021年には11%に達する見込み。
  • イタリアの性的不平等、妊娠出産で仕事の継続が難しいこと、失業率の増加によって、子供をつくることに躊躇がうまれている。
  • 最近の会議では、イタリアの女性たちが、おかれている社会経済的コンディションに対する静かな抗議(“silent protest”)として子供をつくらないという選択に走っているとの意見がでた。
  • 首相は、この状況は、国の存亡にかかわる事態だとしている。生産のこと、年金の支払いのこと、それ以上に、国に活力がなくなってしまうと。

もともと少子化、人口減少のあったところに、コロナ禍の雰囲気下、子供をつくらないという選択するカップルが増えて、国家存亡の事態に至ってしまう。これは日本もまったく他人事ではないところです。コロナ禍の影響は二次的三次的に拡大してゆきます。

 

OGPイメージ

Covid and climate of fear puts Italian birth rate at lowest since unification

With an estimated 400,000 new Italians this year to replace the 700,00...

the Guardian

 

 

http://www.theguardian.com/world/2020/dec/26/covid-and-climate-of-fear-puts-italian-birth-rate-at-lowest-since-unification

 


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新型コロナで最多は家庭内感染でしたとUKの報告

2020-12-04 00:28:36 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

UKのデータ

  • 無症候例からの感染は、症候例からの感染の4分の1.
  • もっとも感染するのは家庭内感染、病院や旅行など他のどれより多い
  • 期間が長いほどチャンス増える。5日以上で有意に高くなる
  • 家庭内感染させる可能性は21%
  • 家庭内でひとりから感染させるのは0.96人

やっぱり家庭内感染がいちばんというデータ

 

 

OGPイメージ

COVID-19 spread in different social settings - new Imperial report | Imperial News | Imperial College London

In a global analysis of where SARS-CoV-2 transmission takes place, hou...

Imperial News

 

 


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新型コロナの後遺症(long covid)の実像が明らかに

2020-11-19 09:01:23 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

これまで、いわゆる「コロナ後遺症」に悩む人々がメディアに取り上げられつつ、「私はこんなにツライです」とうったえる一例報告ネタにとどまるところで、あれは視聴率稼ぎだなんだと陰謀論みたいな事を言う人も一定数耳にしました。

今回、そんな状況に一石の数字。UKで、高リスク者ではない人々でこんな感じと。

  • UK,ロンドンとオックスフォード、N=201 例。PCRか抗原検査で確定例。
  • 最初の初発から140日経過後に有症状者。
  • もともと基礎疾患のある例は少なく(肥満20%,高血圧 6%, 糖尿病: 2%, 心疾患: 4%))、平均年齢も44歳と若い。
  • 疲労98%、筋肉痛88%、息切れ87%、頭痛83%
  • 臓器損傷 心臓32%、肺33%、腎臓12%、肝臓10%、すい臓17%、脾臓6%
  • 66%に何らかの臓器障害、25%は複数の障害

というわけで、高リスク群ではなく、重症化しなかった軽症例も多いこと、そして、中身は、これまで報じられてきたものと同じく、倦怠感や息切れ、筋肉痛が主体です。一方で、報道では本人自覚の症状が主でしたが、それ以外の、多臓器不全の問題はもっと知られるべきでしょう。

 

 

Long covid: Damage to multiple organs presents in young, low risk patients

 

The BMJ

 

 

https://www.bmj.com/content/371/bmj.m4470

 


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ミンクに新型コロナ変異株が見つかったから1700万匹殺処分

2020-11-05 23:55:39 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

国内ではあまり報じられていませんが、ミンクの新型コロナ感染が結構な騒動になっています。デンマーク。

ミンクがCOVID感染することは、以前に一度紹介したことがありますが、ミンクからヒトへの感染が、また、その中で変異株が見つかったため、(このまま放置してどんどん変異株ができてゆくと、将来、ワクチンが出来ても効かないという事態も考えられるため)1700万匹も殺処分されてしまったという話。軍や警察も出てきておおがかりな殺処分です。

もともと、皮をコートにされる運命だったとはいえ、なんとも気の毒です。

 

Denmark plans to cull its mink population after coronavirus mutation spreads to humans

Denmark will cull its mink population of up to 17 million after a muta...

U.S.

 

 

https://www.reuters.com/article/us-health-coronavirus-denmark-mink-idUSKBN27K1X6

 


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新型コロナが冷凍の食品類から感染するかもと示唆する北京の報告

2020-10-29 10:25:20 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

いったん収束したCOVID-19感染が市場を中心に再燃してしまった北京の報告。

  • 問題となった市場。地下で働いているスタッフから検出率は20%近くと、他の(地上)で働くスタッフより明らかに高かった。
  • 感染拡大している国から輸入された冷凍のサーモンから感染疑われる。
  • 4℃、ー20℃の条件下で、21日間の感染性が減らないことが確認された。
  • ただし、この冷凍サーモンの付着ウイルスで、実際に感染を起こすほどであるかどうかは未確認。

というわけで、市場で大量に冷凍ものを扱う労働者の話なので、日本のスーパーやコンビニで売ってるきれいなパック詰め製品に風評被害がおこらないことを希望します。

元論文はこちらからpdfファイルダウンロード

 

OGPイメージ

Cold-chain food contamination as the possible origin of Covid-19 resurgence in Beijing

Xinghuo Pang, Lili Ren, Shuangsheng Wu, Wentai Ma, Jian Yang, Lin Di, ...

OUP Academic

 

 

https://academic.oup.com/nsr/advance-article/doi/10.1093/nsr/nwaa264/5936602

 

 


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注目の少数意見「コウモリを悪者にしないで」

2020-10-25 11:17:41 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

ここのところの新興感染症騒動において、コウモリが重ねて主役をつとめてきました。SARS/MERS/COVIDのコロナ3兄弟はいうにおよばず、2014年のエボラ騒動も記憶に新しいところです。そんな、感染症脅威をしっかり結びついたコウモリを悪者にしないで!とコウモリ研究グループ。

アフリカ ジンバブエの、村人から神聖視される洞窟3か所に定期的に訪問してコウモリの調査、ウイルス分析し、すでにCOVIDと同グループのコロナウイルスも発見。と、非常に高リスクな研究をおこなっているグループですが、コウモリを敵視しないでと。

コウモリほど、悪魔だ吸血鬼だと(エボラやコロナ以前から伝統的に)誤解されてきた動物も珍しいけれど、彼らには必須の役割があること、

  • コウモリは空を飛べる唯一のほ乳類である
  • コウモリが昆虫を食べることから全米で37億ドルの損害を防いでいる
  • 数百種の植物が、受粉をコウモリに頼っている
  • コウモリは、自然破壊や気候変動のかつてな脅威を受けている
 

事実をあげています。

感染症の視点からみれば、コウモリほど厄介なものはないわけですが、こんな視点もハロウィーンの日に見直したいところです。

https://www.bbc.com/news/science-environment-54246473?fbclid=IwAR0lqpXbanPmX-Ygc_eFRfVWFV7LV1k0ozbK3LhS3CXIGfCKRu3qk3-GfE8

 

 
OGPイメージ

BBC News"/>

Bats have been scapegoated by humans for centuries, with Covid only th...

BBC News

 

 


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新型コロナの免疫、混沌。再感染、ワクチン中止、モノクロナール抗体も

2020-10-14 08:56:44 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19感染の再感染、かなり初期から”PCRがいつまでも陽性例”としてメディア好みの数字がとれるネタ扱いされてきたところですが、このところ地味に注目されてきています。

  • ネバダ州の25歳男性。基礎疾患なし。4月18日に感染、いったんPCR陰性化。6月25日に再感染。このときには重症化し酸素投与要することに。
  • 他国の報告でも、再感染し2回目にはより重症化する例が目立っている。
  • ワクチン接種によっても100%防げるとはいえないことになる。各報告は症状のある例で、無症状例がさらにあるかも
  • ジョンソンエンドジョンソンのワクチン第三相は、”予期せぬ疾患”発生により一旦中止、
  • リリーのモノクロナール抗体も、安全性理由により一旦中止。

人類の限られた知恵では、特に免疫学分野において、予期できない(あるいは理論上の解説はできても実際には初めて目にする)ことが次々姿をあらわしてきています。免疫学の先生方のリスクコミュニケーションがますます期待されます。

https://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2020/10/reports-shed-more-light-covid-reinfection-2-trials-paused?fbclid=IwAR1-zIRP99LTytk8m_4zJOdLN4gcd8j3TBx7KwCfdzEP_aL46a8DQBAAmQY

 

OGPイメージ

Reports shed more light on COVID reinfection as 2 trials paused

Both a vaccine trial and monoclonal antibody trial have been paused.

CIDRAP

 

 

OGPイメージ

 

https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736%2820%2932134-6/fulltext?fbclid=IwAR1B7_ZRQP3D4DNYuxTLspilDKIfRc6HRFjXujGb217TbY3_z6H1am-cTrA

 


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PCRを誰でもいつでも無料で出来るようにしたらどうなった(USA)

2020-10-07 09:01:42 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

 

Texas colleges offer free coronavirus tests. Why aren't more students getting tested?

Halfway through the semester, schools are reporting participation rate...

The Texas Tribune

 

 

PCRめぐる侃々諤々の最中に、「日本国民全員にPCRを!」と海の向こうから主張した御仁(管理人も某番組でモニター越しに相手させられた)や、誰でもいつでも(無料で)と主張された区長さんとか、極端なメディア受け発言をされる方々がおられました。おそらくは比喩的表現で、本当に「文字どおり」そうできるとは思っておられないと思いますが、では本当に「文字どおり」そうしたら・・・

  • 米テキサス大は毎週、無症状の5000人に検査可能、テキサスA&M大学も毎週5000人(全体の7%にあたる)に検査受けさせるゴールを設定。テキサス大エルパソ校では毎週2500人検査キャパ
  • しかし実績は目標をはるかに下回り達成には程遠い結果に(

    “Why aren’t we testing 5,000 people per week? The answer, in part, is that we have fewer than 5,000 people a week who have been willing to take the tests,” reads a Sept. 28 memo from the UT-Austin Faculty Council.Texas A&M conducted 6,195 tests in its first two rounds of random testing through Sept. 12. Meanwhile UT-El Paso, which tested 6,691 campus members from Aug. 17 to Sept. 18, has yet to break 2,000 weekly tests)

  • 検査数をあげるため、受験した学生に対して50ドル相当の地域商品券を提供(!)するインセンティブプログラムを開始(To boost participation, the school is launching an incentive program, with raffle prizes for students including $50 gift cards to local and national vendors, Godwin said
  • アラバマ大学では、週2回検査受けることを「強制」とした。テキサス大では強制にしていない。強制に対する法的議論も。

全学生ではなく、フットボールの試合に行く場合に義務とするところもあるようです。
検査を受けることを「義務」とすることに関しては、法的はディスカッションが色々元ソースには書いてあり、一筋縄ではゆきません。

結局、PCR受けたら(地域商品券の形で)5000円あげます。という施策が、地域経済にも、公衆衛生にも、そして何より学生ハッピーで一番幸せかもしれません。国民全部にPCRを!と主張する面々も、こういうこともセットで主張したら、もっと支持する人いたかもしれないのになあ。

 


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新型コロナ感染でパーキンソン、次は神経内科の大波が来るか

2020-10-04 13:44:49 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19感染でパーキンソニズムになった報告いくつか。総合して

  • 米国からイスラエルに帰国した45歳男性。後ろの席の人が咳をしていたので多分機内で感染だとうと述懐。帰国後、嗅覚脱失あり、陽性確認して隔離。その隔離中より書字困難で気が付き、歩行障害、パーキンソニズム確認。治癒して帰宅後に症状あり神経内科へ。
  • パーキンソン症状が、ウイルス感染に引き続いて起こることは他のウイルスでもあり。また、先立って嗅覚脱失が起こることも。
  • COVID-19感染がひろがっているいま、潜在的に、パーキンソンの波も近づいているのではいか(今後、パーキンソンも増えるかもしれない)

https://portlandpress.com/neuronalsignal/article/2/2/NS20170166/76633/A-role-for-viral-infections-in-Parkinson-s

 

https://www.thelancet.com/journals/laneur/article/PIIS1474-4422%2820%2930305-7/fulltext

A case of probable Parkinson's disease after SARS-CoV-2 infection

 

Experts warn Parkinson's disease may 'explode' after COVID-19

The loss of smell and taste are worrying COVID-19 symptoms because the...

 

 

 

https://www.abc.net.au/news/2020-09-23/covid-19-may-cause-parkinsons-disease-research-finds/12688384

 

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週2回の鼻シュッシュで新型コロナ防げる”かもしれない“話@豪

2020-09-30 17:05:09 | 新型コロナウイルス/COVID-19/SARS-CoV-2/武漢肺炎

COVID-19予防。週2回の経鼻投与で免疫力→96%抑制した報告。

まだこれから臨床治験の段階、過去、インフル経鼻ワクチンがいまいちだった経過もありますから、今後どうなるかわかりませんが、ともかく新しい発想ということで紹介。

豪社、INNA-051

https://en.prnasia.com/releases/apac/preventative-nasal-spray-shown-to-reduce-viral-replication-by-up-to-96-in-covid-19-challenge-study-293103.shtml

 

https://en.prnasia.com/story/293103-0.shtml

 

Preventative nasal spray shown to reduce viral replication by up to 96% in COVID-19 challenge study

Ena Respiratory
2020-09-28 04:00 

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