通称サルマラリア、Plasmodium knowlesi の検査キット完成。
- 南アフリカKwaZulu-Natal 大チーム。Plasmodium knowlesi 特有のタンパク同定。PMT, short for phosphoethanolamine-N methyl transferase.
- 現在、14億の人口がマラリアの危険にさらされており、南西アジアで150万例が報告されている。
- 南アフリカにはサルマラリアの発生はないが、マレーシアから検体取り寄せた。
Plasmodium knowlesiの抗体タンパクを同定したという話で、第5のマラリアも的確に診断できるようになることになります。
マラリアは、海外医療に携わる者にとって、最も悩ましいもののひとつです。管理人は前職外務省に入る直前に、当時は群馬大に委託されていたマラリア研修を受けてスーダンに旅立ったのですが、当時(1992年=もう四半世紀も経った!)にはマラリア迅速キットなる物自体存在しておらず、プレパラートをつくって観察する練習をしつつ今一つ確信できないまま飛び立ったものです。マラリアは死ぬ病気ですから、それはそれは不安。実際に高熱を出した同僚の採血は、ベテラン技師のいるイブン・カルドゥーン病院に出しておりました。そしてセネガル在勤の頃にICTマラリアが出来て熱帯熱マラリアが「血液をたらしたら浮き上がってくる線」で可視化されることになんとも革命的な驚きをもって眺めた思い出があります。月報上で”医務官の友”なる愛称を奉る人もいたような(まあ、”医務官の友”と称されるアイテムは時にはロペミンだったり時にはクラビット(あの頃はタリビット)だったり、一定するものではないですが)
今回、サルマラリアも血液一滴で診断できることになりそうで、医務官の友がもうひとつ加わりますね。ご同慶の至り。
http://outbreaknewstoday.com/plasmodium-knowlesi-south-african-researchers-detail-new-test-malaria-85605/
Plasmodium knowlesi: South African researchers detail new test for this malaria