ナイジェリアで先日来問題となっていた「ナゾの奇病で子供20人連続死事件」、原因は麻疹と判明しました。その原因が悲惨な環境からくる複合要因。
- ナイジェリア・ラゴスのOtodo Gbame community in Eto-Osa Local Government Area
- 原因不明の感染症で小児20例が死亡していた。検査の結果、血液サンプルから麻疹IgM抗体検出、最近の感染が確認された。いくつかのサンプルでPCRも。
- その原因として、環境的要因が指摘されている。現地は水道がなく、飲み水から複数種類の病原体が検出された。井戸水は人間の飲用には適さないと。
- 麻疹の予防接種からも漏れていた。
- 現地は埋め立て地で、スラムを形成している。今回の件をうけて、政府はスラムの人口調査を命じた。現在、人口調査とリストつくりをおこなっており、感染症流行にあたり素早く反応できるようにと。
- また、低栄養も事態をややこしくしている。
つまり、平たく言えば、水道もない埋め立て地に形成された不潔極まりないスラムに住む住人は、誰がどれだけ住んでいるのかリストもなく当局にも把握されない透明人間みたいな存在だから、予防接種も受けられず放置され、20人バタバタ「ナゾの奇病死事件」で初めて注目され麻疹だとわかった・・・ということです。一日で水道がひかれるわけもなく、今後も複数種類病原体のはいった井戸水で生活するほかなく、悲惨です。
ここ最近、ナイジェリアやベナンのラッサ熱を紹介していますが、ネズミを介する病気が大騒動になる背景には、このような環境も一因となっているわけです。
今回犠牲となった20人の子供たちに合掌。
ソースはProMED
http://www.promedmail.org/post/4044492
Published Date: 2016-02-23 16:10:33
Subject: PRO/EDR> Undiagnosed illness - Nigeria (03): (LA) fatal, measles conf.
Archive Number: 20160223.4044492
UNDIAGNOSED ILLNESS - NIGERIA (03): (LAGOS) FATAL, MEASLES CONFIRMED