新型インフルエンザ・ウォッチング日記~渡航医学のブログ~

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opinion@zav.att.ne.jp(関西福祉大学 勝田吉彰研究室)

マダガスカルのペストはいま・・・

2017-11-03 11:13:26 | ペスト

マダガスカルのペストはいま・・・

こんな感じ、10月第二週あたりから新たな発生は抑制されてきています。

首都アンタナナリボとToamasinaに対策センター設立して公衆衛生学的対策を粛々と。

また、アンタナナリボ国際空港では出国検疫を実施して、有症状者が出国しないようにチェック。この出国検疫には、米CDCと仏L'Institut de veille sanitaire/ Santé publique France (InVS/SPF)から成るGOARNチームが協力。

マダガスカルは島国で、出入口が限られること(ギニア・リベリア・シエラレオネ国境みたいな管理不可能な密林ではない)。そして、この限られた出入口に国際協力を強力にすすめて世界中への拡散を止め、抑え込んだことになります。マダガスカルが、ギニアやシエラレオネより経済的には優位で国力があること、政情が安定し医療者が襲われることがないこと等々、2014年のエボラ騒動に比べ地政学的に色々有利なことが重なったといえましょう。

なお、疫学カーブを見ると、減ってくる過程はかなりギザギザ。これは「いったんおさまるかと思ったけど、またぶり返した」とその時点では一般的に認識される局面がちょくちょくあったことを意味します。対策にはタフさが求められます。

ソースはWHO
http://www.who.int/csr/don/02-november-2017-plague-madagascar/en/

 


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マダガスカルのペスト騒動、近くの他国はどんな雰囲気になるのか

2017-10-20 00:22:38 | ペスト

マダガスカルのペスト騒動。報道ベースの感染者は800例を越し(おそらくもっともっと)制御不能の様相を呈しています。では他国ではどうなのか。

マダガスカルの交通の多いセイシェル。セイシェル政府からのプレスリリースは毎日出ていますが、”任意のある日”のリリースを見てみると・・・

  • マダガスカルのペストは依然として制御不能で感染者は805例におよび死亡率9.2%。
  • 接触者調査のトレーニング、医療従事者60名と赤十字ボランティアに対して実施。
  • セイシェルでは、現在12名が隔離観察中。その最初のインデックスケースは入院継続中。9日目にはいり、感染性はないと思われる。抗生剤治療が終了するまで病院にとめおかれる。残りの11例は無症状、なかには外国人も含まれる。
  • 軍病院に入院させられているのが6例。
  • ケニアのナイロビから戻ったセイシェル国籍3名は予防薬が与えられ、症状がでなければ帰宅が許されるであろう。
  • 13日にマダガスカルを出てレユニオン経由で入ったフランス人は19日まで留め置き。マダガスカルからモーリシャス経由で入ったオーストラリア人2名は7日間、19日まで留め置き。
  • 感染者のみつかった小学校では生徒577名、教員63名のアクティブサーベイランス。
  • 検査検体は無事フランスに到着し、結果待ち。
  • ホットライン開設。141番。

サーベイランス、隔離、外国人も(もちろん)容赦なし。

日本国内でも、もしもいまが選挙舌戦大盛り上がり期間でなかったならば、(結局は入ってこなかった)エボラ騒動ぐらいのことにはなっていたのかもしれません。

 

http://www.health.gov.sc/index.php/press-releases/

 
 
  
 
 Hotline 141 is active and people can call for information and advice.  
 
 


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10月18日(水)のつぶやき

2017-10-19 06:17:24 | ペスト

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